1 プロローグ
ぶっちゃけ戦闘シーンばかりになると思うので、戦闘シーンがあまり好きでない方はブラウザバック推奨です。
ストレスフリーで書きたいので、一話の分量は少なくなります。ご了承ください。
全てのはじまりは、とても些細なことだった。
一柱の神が、くしゃみをしたのだ。
奇しくもその神は、その時とある世界の調整を行っていた。
その世界の名は、”地球”。
「あーっ! やっちまった! やべ、どうなった……? ――あ、まずい。死ぬはずのない人間たちが後3分で死ぬ。どうしよう……。どうにかしないと、俺が怒られちまう……」
手元が狂い、操作を誤った。
このままでは隠し切れない不具合が”地球”に起きてしまうだろう。
その神は、考えた。
このミスが発覚すれば、絶対に怒られる。
下手すれば降格させられるかもしれない。
――ならば隠蔽するしかない。
そして考えて。
「……よし、別の世界を送っちまおう! ミスったのは地球の情報だから、別の世界へ送れば死ぬこともないし、最近は世界に刺激を与えるために人間を世界間移動させることが多いから、それに紛れ込ませられる!」
神は己の考えを実行するべく、情報の精査に取り掛かる。
「移動先の世界を選出……完了。ラインを作って……よし、これで大丈夫。う~ん、俺の都合で別の世界に送っちゃうわけだし、少しなにかプレゼントをしようか。捨てないように注意書きをして、と」
全ての作業を終えて、神は最後の引き金を引いた。
「よし! それじゃあ、新しい世界でも頑張ってね! ゴー!」
そうして、一柱の神の勝手により、地球の中の、日本という国の中の、とある高校、そのうちの一つのクラスの生徒三十六人が人知れず姿を消した。
その事件は、集団失踪事件としてニュースや世間で大きな話題となり、いくつもの捜査機関が全力を挙げて消えた生徒の捜索と原因の究明を行う事となる。
しかしその賢明な捜査にも拘らず、そのいずれもわずかな進展も見ることが出来なかったのだった。
◇◇◇
その世界には、地球には無いエネルギーがあった。
その世界のエネルギーはその世界を構成するうえで非常に重要なエネルギーであり、世界中に広く分布するエネルギーであった。
神に転移させられた三十六人は、その世界へ適応できるようにその体を組み替えられる。
一度体を分解し、エネルギーと一緒に再構成される。
その時、もともとこの世界の生命体である彼らは、エネルギーがなじむ時、エネルギーは個々人にあった形へと変化した。
それは異世界で生きる彼らの一助となることだろう。
そして彼らは、適当な神の転移により、生存可能な地点に一人一人バラバラに転移することになる――
お読みくださりありがとうございます。
次話は本日中に投稿予定です。