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第二七話 夏栄祭 射撃競技会 その2

修正できたはず。


ルール張り忘れてたので

一六秒台 六点  正確さの最高点は五、五、五の一五点

一五秒台 七点  全合計最低点は六点+一、一、一の三点で九点

一四秒台 八点  全合計最高点は一五点+五、五、五の三〇点

一三秒台 九点  一六秒以上は失格

一二秒台 十点  同秒台同点数の場合はコンマ以下参考で速い者が勝ち。

一一秒台 一一点 

一〇秒台 一二点 

九秒台  一三点

八秒台  一四点

七秒台以下 一五点


『次のシグリッド・ホークシングさんは、何と意中の男性を賭けて参加したとのことです! そんなヴァリ工房の美しき店主を落とした男性とは、AA(アー)二ノ六席にいるシドー・カムロさんです!』


 周りの男性の観客が一斉に俺を見た。彼らの殺気と嫉妬が混じった視線に、俺はたじたじだ。


「周りの男性から殺気を向けられているんだが……」


「まあ、これもシグリッドさんの策略なんでしょうね。ご愁傷様です」


 もし、俺が参加していたと仮定する。このような紹介で過剰に目立った挙句に猟銃による新兵器の凄さを観客に見せたらと思うと、やはり参加しなくて良かったなどと思った。この美しい世界を、俺は俺自身のエゴで壊したくはないのだ。なるべく、第三者でいたい。


「あ、始まりますよ」


「さて、シグリッドさんの腕前どんなもんか」


 合図と共にシグリッドが走る。同時に揺れる彼女の豊満な胸が、大画面一杯に映し出された。


 男性の観客は総立ちで「「「「うおおおおーーーー!!!!」」」」と激しく揺れるシグリッドの胸に対して大歓声を上げた。スタンディングオベーションだ。男というのは、こんな生き物である。俺も少し心動かされた。男だから。


「ちょっとイラッと来ました」


「まあ、こうなるんだろうな。とは思ってた」


 シグリッドが五〇メートル走り終わり、五〇メートル先の的を目掛けて伏射する。先進的アタッチメントを装着したクロスボウから放たれる矢は、的のど真ん中を射抜いた。


 間髪入れずに、シグリッドが膝射する。矢は的のど真ん中を射抜いた。


 続いて立射。やはり矢は的のど真ん中である。予め決められたかのように、正確無比な一射だった。調整されたスコープは、やはり狙いを付ける時間が短い。精度も高いのだ。


タイムは一〇秒と三二。点数、五、五、四。


「時間は一〇秒と三二ですか。凄いですね」


 映し出された記録に、モイモイが感嘆する。


「次はキセーラか。あいつ大丈夫か? クロスボウ使ってるところ見たことねえぞ」


『次のキセーラ・マクセルさんもシドー・カムロさんを巡って、本大会に参加したそうです! それほどシドー・カムロさんという方は優良物件なのでしょう!!』


 また、実況の女性が要らぬことを言った。


「「「「ああぁぁ???」」」」


 目が血走った男性観客が、また俺に向けて殺気を放つ。


「……なんで俺が恨まれなきゃいけねえんだ」


「キセーラも黙っていれば、ただの美少女ですからね。しかもハイエルフとなれば、致し方ないです」


 理不尽に頭が痛かったが、キセーラの競技が始まる。俺はキセーラの活躍を注視する。


 キセーラが走る。揺れる胸はない。観客の男性たちは圧倒的な真顔だった。それはもう、無表情で無関心。俺も悲しくなるほど。


「ちょっと、あいつら燃やしてもいいですか?」


「モイモイ、ステイステイ」


 イラついたモイモイを(なだ)める。


『おおー!! キセーラ・マクセル凄いぞ!! シグリッドと劣らず、ほぼ完璧に終えました!!』


 タイムは一〇秒と三四。点数、五、五、五。エルフが余り使わないクロスボウを使った今回の競技と言えど、やはりエルフは弓の申し子だ。成績もシグリッドと寸分違わなかった。


「キセーラは流石ハイエルフ、と言ったところですか」


「あいつら素で弾道予測できるんだろ? チートだよな」


 俺とモイモイはキセーラの健闘を讃えた。だが、他の男性の観客はそうではなかった。これもまた、男性諸君の性と言えよう。あまり揺れなかったから。胸が。


「「「「ぶぅーーーー!!!!」」」」


「すみません、あいつらちょっと燃やして来ます」


「モイモイ、ステイステイ」


 苛立ちを隠せないモイモイを、俺は(なだ)めた。


 その次の選手が終わり、ラハヤの出番となった。


 男性の観客が雄たけびに似た歓声を上げる。ラハヤはどうやら狩猟組合の中で人気があったようだ。その事実は、尚更シグリッドがラハヤを(けしか)ける理由に値すると言えた。


『次のラハヤ・ロクサさんもシドー・カムロさんを巡って参加なされたそうです!!』


「「「「な・ん・だ・と~!???」」」」


 男たちの殺気が、さらに密度を高めたものとなった。俺は冷や汗を流さざるを得ない。俺に対する罵声もさっきから聞こえる。


 死ねとかボケとか、言いやがってこのやろう。俺は巻き込まれただけだっつの。


「ラハヤほどの良い女はいないですからね」


「まあ、そりゃな」


 彼女の優しさに助けられた俺としては肯定しなければならない。それほどに俺はラハヤに助けられている。


 合図が鳴り、ラハヤが走る。


 彼女は何と疾風の魔法を使い、一気に五〇メートル進み伏射、膝射、立射をした。余りの早さに観客は声すら発さなかった。


 タイムは一〇秒と三二。点数も五、五、四。奇しくもシグリッドと同じであった。


「一巡目は一進一退だな」


「優勝候補はシグリッド、ラハヤ、キセーラ、といった所ですね」


 誰が勝利するかも分からない競技に、俺やモイモイですらも期待を高めざるを得なかった。シグリッドとラハヤたちの技術に差はないのだ。決定的になるのは、道具の差である。


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