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鬱との出会い【1】
まず始めに、私が鬱と出会ったきっかけをお話ししたいと思います。
思えば鬱との出会いは“突然”ではなかったのだと思う。
思春期の頃から不安定な心の状態をなんとか保ち
まるで綱渡りをするかのように生きてきた私。
一歩一歩、一日一日、
恐る恐る、生きてきたのかもしれない。
自分の心の核にある“何か”を目覚めさせないように
自己防衛しながら生きてきたのかもしれない。
何度か目覚めそうになった“何か”を
必死で抑え何重にも鍵を掛けて
他人はおろか自分すら入り込めないように
ずっと、ずっと、守ってきた。
何を守ってきたのかは、
自分でも全くと言っていい程分からない。
しかし、“何か”を守り続けてきたのは間違いない。
自分を守る為に守ってきたのか
他者を守る為に守ってきたのか
生きる為に守ってきたのか
私はその守り続けてきた“何か”が
鍵をぶち壊し対面した時、
一体どうなるのだろうか。