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転生した転校生  作者: 帝尊(ミカドミコト)
第1章 成しうる者が為すべきを為す
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4. 諸々整理と事件

 家にて。


 今日1日あったことを整理する。


 同じクラスの転校生、四宮シノア。


 学校一、いや仮に芸能界にいたとしてもトップクラスの容姿を持つであろう四宮シノアは、転校初日からクラスはもちろんのこと、学校で有名人になった。


 あの子やばい、むちゃくちゃかわいい。と男共は多少ヒソヒソの内心でお近づきになる算段をひたすら考え、たいていのモブ達はそれだけで終わり。


 モデルさんみたい、どうしたらそのプロポーションになれるの、髪がサラサラ、肌が綺麗。と女子共は少しでも自分達に取り入れたいのかとヒソヒソ話をしながら四宮に話かけにいく。


 他のクラスでも噂話になったのか、休み時間になると、やや窓際からの視線を感じる。もちろん、俺ではない。四宮シノアにだ。


 そんな只者ではないオーラにあわせてとびっきりの社交性があれば、まちがいなくクラスの、そして学校の人気者になっただろう。

 ミスなんとかがあれば必ず他薦で出ることになりグランプリを取り、一挙手一投足注目の的になり、みんなから愛されるアイドル。


 きっと生徒会長なんかに立候補した日は、大した演説しなくてもまちがいなくトップ当選だろうし、生徒会長に立候補しなくたって、生徒会長になったやつが特権で生徒会にオファーをしてしまいそうな。何もしなくていい。形だけの広報で大丈夫だ。


 学校側もきっと学校案内のパンフレットに載せてしまいたくなっていただろう。

 学校もなんだかんだシビアらしいので、人気のある学校にするためには部活の大会での活躍はもちろんのこと、この人に知り合いたいからなんて裏願望で入ってくるやつもほしかっただろうに。


 しかし、四宮シノアはそうならなかった。


 声をかけてくる女子に対して愛想笑いもしなければ、一言二言の返答のみで会話は続かず。

 最初はえらそうにしているのかと、影から反感を買ったことはあったが、そのうち、大勢からの注目は日を増すごとになくなり、いつのまにか、四宮シノアに話しかけるやつはいなくなってしまった。


 イケメンリア充達がお近づきになろうとして、さりげなく自然に声をかけたにもかかわらず四宮シノアがフルシカトした時は、久しぶりに学校で笑ってしまった。

 イケメンの失態って結構おもしろいのね。恥ずかしそうでしたな。


 そしてもちろん俺は、一切話しかけることもしないし、近づこうともしなかった。


 なぜか席だけは近いことがあり、なぜかモブ達から反感を買った時期もあったが、そんなものは関係性というには乏しく、俺と四宮の関係性というのであれば皆無に近い。


 例えるのであれば、あれ、あの人電車でよくみるな。この時間帯に使ってるんだなー。へー。。。。。


 以上終了なくらいだ。


 四宮シノアは俺と同じく。いや、むしろ俺のほうがまだ多少友達というか学校の情報交換をする知り合いがいるものの、四宮シノアは一切の交流を絶っているように見えたので、どんな性格なのか、何が好きなのか、幼少期や小さい時はどんなものにはまっていたのか、部活とかやっていたのか等など、一切わからなく、謎しかない女であった。

 

 そんな四宮シノアは、むしろ俺との接触をはかるためだけにこの学校に転校してきて、なんならこの世界のこの時代に転生してきたなんて。


 その理由というか状況が状況なだけになんとも言えないところではあるが、状況が状況なだけではなかったとしたら、誰もがうらやむ男に俺はなれたかもしれなかったわけだ。


 人は都合のいい生き物なので、仮にそうだったとしたらと妄想するだけで幸せな気持ちにすこしなれてしまうのは、すばらしいことですね。


 思い描いていなければ夢は叶わない。って誰かが言っていた気もするしな。


 今回のケースにおいては少し違う気がするが、解釈なんて人それぞれだから。


 俺としてはOKとしておこう。


 ここまで妄想で少し道筋がそれてしまったが、謎の多い美少女の目的はわかり、さらには俺の存在意義というか、世界なのか社会なのか。におけるアイデンティティーというものが理解できたのはよかった。

 そういった意味では幸運なほうかもしれない。自分の使命はわかったんだから。


 何をすべきなのか。

 いや、何をすべきなのかはわかったわけではないか。

 このままいくとよくないことするよ。ということだけがわかった。


 それが解釈としては正解か。

 

 いろんな世界軸の時間軸のいろんな人たちがこの時代のこの地域に俺を求めてやってくることはわかった。そして俺はどうすればいいんだろう。いろんな勢力や組織の話を聞いて、一番共感できるところにあわせればいいのだろうか。


 四宮シノアや四宮みたいな人たちは、俺にこうしてほしいという望みを各自持って接近してくるのだろうけれども、そのミッションが叶わなかったらどうなるんだろうな。


 話だけ聞いているとタイムパラドックスボックスという謎の物体?を使って平行世界を移動しているようだが、そんな気軽に、なんとかポケットからなんとかドアみたいなのを出して自由に気軽に移動できる感じの雰囲気ではなさそうだったので、それこそ四宮シノアもそれ相応の覚悟を持ってこの世界にきたのだろう。


 その割には自分を犠牲にするような選択肢をとりたくはなさそうだったので、所詮その程度なのか、それともそれ相応の覚悟を持ってしてでも、一生涯一緒に俺のそばにいることがハードル高かったのか、後者だとすれば、なぜにそこまで俺に対して拒否反応を示しているのに、この役目を買ったのか。


 はまたはそれは強制なのか。それであれば、私の意思なんて言葉は言わないだろうしな。


 何かしらの自分の中での意思があって、俺の間違った方向に彼らというか四宮シノアなりの判断のもと、指導するためにやってきているのだろうと推測し、それをしなければいけない、もしくはしたい経緯が四宮シノアにはあるはずなのだろう。


 そういう大事な話をちゃんとすべきだったよな。あれが嫌だこれが嫌だ。なんていう話しかしてなかったからな。


 俺たちはそういうところがまだ子供なんだろう。体は大人になり、いろいろな現実を知り、夢みることをやや恥ずかしくなってくる年齢。でも子供ぽさも、持つ時期。難しい時期だよな。

 そんな時期のこんな出来事を、俺や四宮シノアやはたまたこれから現れるであろうやつらはどういう気持ちで自分の使命と向き合っていくのだろうか。


 俺は、もしかしたら革命家としての一面を持っているわけだから、革命家としての宣言をしてしまって、世界というかなんとかいうかカオスになってしまったこの平行世界をまとめあげればいいのだろうか。


 まーでもそれは無理だな。


 そんなキャラじゃないし。とりあえずは、四宮とは、棚上げ協定を結べたし、これからいろいろ現れるであろう人たちと少しづつ交流を図りながら、自分なりに正しいと思うことを判断していけたらと思う。


 そんなこんなで、ご飯を食べ、家族と戯れ、適当にやりとりしながら、風呂に入りと、意識はいろいろな情報整理と妄想に費やして、寝る準備をして、そろそろ寝ようかな〜なんて思っていたら。


 部屋に戻ると、変な女がベッドの上にすやすやと寝ていた。


 なんだこの展開は。

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