天の声(笑)
『ハハハ!天の声じゃないから安心してくれよ!』
うるさい!あんたの声なんざ聞きたくないわ!
『ひっでぇなぁ……サポートするためにわざわざこの世界にきてるのにさぁ』
サポートだぁ?いきなり私蜘蛛に食べられかけたんですけど?ていうか、あんたこの世界に来てるって?
『いきなり死なれちゃ可哀想だしね、俺が近々会いに行くから、強くなるまでは俺が守ってやるぜ』
やだ、シキさんがいい。あと、イケボで言ってもあんただとカッコ良くない
『俺とは遊びだったのね!』
そうだよ(適当)。分かったらお帰りください
『やだやだやだー!会いに行くのぉー!』
だっー!うるさい!もう勝手にすれば!?
『ハッ、ちょろいわぁ』
よし、来たらもう声出せないように喉元に噛みついてやる
『おお、怖い怖い。んじゃ、また今度な!』
その言葉を最後に頭に青年の声は響かなくなった
会いに来るのかぁ、やだなぁ……
サポートしてくれるのはありがたいけど
そもそもの原因はあいつだし……まぁいいか
あいつは基本スルー。今決めた最重要事項!
「おい、ユカリ!何をボッーっとしておる!もうすぐ外だぞ!」
シキさんの声でハッと我に戻る。
洞窟の中に光が差し込み、風が鳴り、草木の匂いがする
私はずっと憧れていた外へと走っていった