質問アタック
シキさんの後を必死に付いて行きながら私は質問をぶつけることにした。
「あのー……ここってどこなんでしょう……?」
「今度は質問か。まぁいい、ここは『オルタナの洞窟』だ。オレの狩り場であり、オレが産まれた場所でもある」
『オルタナの洞窟』か、言われてもさっぱりね。
そいや、同種って言ってたなぁ、聞いてみるか
「あのー、同種って……?」
「あぁ?自分の種族も分からねぇのか。とことん変わってやがるな」
「オレらは魔狼フェンリル。今じゃ伝説の魔狼って語られてるぜ!」
等とドヤ顔で言ってきた。なんや、嬉しいんか。分からんでもないけどねー。
「伝説の魔狼ですか……まぁいいとして、私無知なので色々教えて頂けませんか?例えば、世界の事とか……」
「どれだけ無知なんだ、世界の事なんて誰でも……はぁ、しょーがねぇなぁ」
と、ため息混じりだか、色々教えてくれるようだ、やっぱりツンデレじゃないか
シキさんからの話で得た情報をまとめよう
まずは、この世界の事、名前はカハーツェ。
地球ほどたくさんの国はないようだが、5つの大国があるらしく、私はその一つの【オルテシア】といる国にいるらしく、他の国の名前は【サハラ】【モルトディギアー】【アーデナー】【ヒドリ】というらしい。
どうやら今『オルテシア』と『アーデナー』が戦争状態のようでここを離れ、一番近い『ヒドリ』に向かうとのこと。なんでもフェンリルには過ごしやすい環境らしい。
次に種族について。この世界にはファンタジーによくある種族がいるみたいだ。『エルフ』『ドワーフ』『ワービースト』『ヒューマン』『ドラゴニュート』『エアール』の6つの種族。
『エルフ』は【オルテシア】
『ドワーフ』は【アーデナー】
『ワービースト』と『ヒューマン』は【ヒドリ】
『ドラゴニュート』は【ヒドリ】
『エアール』は【モルトディギアー】
に別れてそれぞれの国で暮らしている。
戦争しているのもなんだか納得である。『ワービースト』と『ヒューマン』は仲が良く、元々二つの国だったらしいが統合されて【ヒドリ】となったらしい。
そして、『ワービースト』はフェンリルを崇拝しているみたいなので色々と都合がいいようだ。
あとは、技術について。ゲームでいうスキルという奴だ。しかし、前世でみた小説等とは違い、自分のステータスが見れたり、天の声が聞こえたりなんかはしないようだ。
技術を得た時は自分で直感的に分かると言っていた。
そこで直感かよ!とツッコミたくなったが意気揚々と説明してくれているシキさんをみてやめておいた。
以上が得た情報。
うん、なんとも生きにくいような生きやすいような微妙な世界でございますなぁ……。
説明を終えたシキさんはドヤ顔をして満足げな様子だった。誰でも知ってる知識なのにドヤ顔されてもなぁ……
『まあまあ、説明してくれたんだしいいじゃんいいじゃん!』
と、青年の声が頭に響く。
……………
『えっ、なんで黙るん?』
天の声聞こえてんじゃねぇか!