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防御特化と足並み。

後日。楓と理沙は学校の帰り道を二人歩いていた。

理沙の勉強が想定よりも忙しく楓が一人ログインする日が続いたが、今日は二人で三層エリアの探索を開始する予定なのだ。

「理沙がいない間にフレデリカが来たり、ミィと一緒に遊んだりしてたんだー」

「退屈してないようで何よりだよ」

「うん、一緒に探索したりしてちょっと隠しエリアっぽいところがあったり」

「へえー、いいね。どんなところ?」

「えっとねー」

楓は理沙に探索の話をしながら隣を歩く。

二人の予定が合わないタイミングは、脇道に逸れて探索済みエリアの隠しエリアの探索やレベリングをしている。運が良ければそれが次の強化に繋がるだろう。

「にしても楓の交友関係も広がったねー」

「うん!皆いい人ばっかりで安心したよー」

いい人なだけでなく、誰も彼もがトッププレイヤーだ。ちょうど今話に上がったフレデリカ然り、ミィ然り、困った時に手を貸してもらう相手には事欠かないだろう。

「で、これはちょっと申し訳ないんだけど、思ったより勉強しなさいって感じでさー。今日は行けるけど、結局途中は楓の好きなように攻略してもらうことになるかも……」

「そうなの?」

楓が聞き返すと、理沙は残念そうな表情を浮かべて小さく頷く。

「好きなように……」

「うん。楓が楽しめるのが一番。元々そのために誘ったんだしね」

理沙に合わせてタイムリミット。十層攻略も中途半端に終わってしまいましたでは、不完全燃焼になってしまう。理沙はそんな風にはなってほしくなかったのだ。

「じゃあ理沙を待とうかな」

「えっと……」

「えへへ、好きなようにするもん」

思っていた答えと違ったことで少し足を止めた理沙の一歩前に出た楓は笑顔で振り返る。

「それにー、理沙が誘ったんだから最後まで一緒にやってくれないと。ねっ!」

「そっか……そうだね」

「そうそう!それにそんな風に言うなら一緒にもっと勉強もして大丈夫にしよう!」

「うん。それじゃあもうちょっと力入れて勉強やっておきますか」

「頼んだよ理沙君」

「任せておきたまえ楓君」

こう悪い風に考えてしまうのは良くない癖だと理沙はそんな考えを頭から追い出すように首を横に振る。

どうせやるなら最後まで楽しく。そう思って十層に入ったばかりではないか。

「次の模試では高得点並べてあげるからまあ見ててよ」

「頑張って!理沙やる気さえあればすごいんだから!」

「ふふっ、五割増しで頑張るよ」

迷って悩んでいる時間がもったいない。今日だってこれから三層エリアの攻略なのだ。

どっちも完璧にやればいい。それができれば細かいことなど考える必要もない。

「じゃあ今日はこの後……」

「うん!『New World Online』で!」

二人は一旦別れを告げると、改めて今度はメイプルとサリーとしてゲーム内で会う約束をして足早に家まで帰っていくのだった。


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― 新着の感想 ―
なんていうかこの、祭りが終わっていく雰囲気がいい リアルの話なんて導入からあったし出ても何の問題もないわけで
[良い点] ゲームをしてないときの二人って、仲良しだけどライバルっぽい頑張りやさんだったよなぁ。 ゲーム描写が生々しいのとボリュームがあるので忘れちゃうけど、リアルの二人はゲームを楽しむための努力も楽…
[気になる点] こういうオンラインゲーム系の話にリアル方面の話を持ち込むのは悪手。話のネタ切れで一旦終幕させる気っぽい作者の思惑が見えるが なんか面白い物語を味わってる最中に水を差された気分になる。普…
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