防御特化と【反転再誕】。
地下から脱出したメイプルは再び夜の海に戻ってくると想定外に手に入ったスキルを確認する。
【反転再誕】
消費HP500 次に使う特定のスキル一つを指定された異なるスキルに変更する。効果時間五分。
「消費HP500ってことは……【暴虐】を使ってる時か、白い方の装備にしてないとダメってことだよね」
メイプルはスキルを発動するために必要な条件を確認すると、それを満たすために装備を変更してHPを回復する。
「よーし【反転再誕】!」
その言葉と同時にメイプルの体から黒い靄が放出され赤いダメージエフェクトが弾ける。メイプルがステータスパネルからスキルを確認すると、いくつかのスキルが点滅していた。
「【暴虐】と……【天王ノ玉座】あと【身捧ぐ慈愛】?」
つまりメイプルのスキルの中で【反転再誕】の影響を受けるのはこの三つだけということになる。
「じゃあとりあえず一番使ってる【身捧ぐ慈愛】から試してみよっと!」
ステータスパネルのスキル欄から変化後のスキル名を確認して、恐る恐る口にする。
「えっと……【届かぬ渇愛】」
メイプルが宣言すると共に足元からは見覚えのある輝きではなく、黒い光が円形に広がっていく。そして、メイプルの背中からは黒い翼が生え、頭上には同じく黒く染まった天使の輪が出現した。
「おおー!すごい!こっちの方が黒い鎧には合うかも!」
メイプルは普通喜ぶべきところと少しずれたところに注目しつつも改めて効果を確認する。
「んーと、使用者が受ける予定のダメージを範囲内の味方プレイヤーと味方モンスターに肩代わりさせる……むぅ、本当に逆って感じだ」
これを使っている間は【身捧ぐ慈愛】とは逆でメイプルの受けるダメージは範囲内の味方が代わりに受けることになる。【身捧ぐ慈愛】はダメージを受けないメイプルだからこそ超強力なスキルとなっているが、逆に【届かぬ渇愛】はメイプルだからこそ使っていても大した意味がないスキルになってしまっている。
防御力が低く攻撃力は高いプレイヤーが、生存のために使うのが最も強い動きだろう。
範囲内の味方が全て倒れるまで生き残ることが確定するとなれば攻撃役は最大限ダメージを出せる。
「あっ、でもこれで【捕食者】に守ってもらえるんだ!」
【捕食者】を召喚してから装備を切り替えてと、一手間かかるものの、上手く使えば今までの周りを守り続けるのとはまた違う戦い方ができるかもしれない。
「よしっ、使い方はまた考えてみよっと!」
メイプルは素直に新たな収穫を喜んで、次こそは観光スポットを探し当てると意気込むのだった。
802名前:名無しの大剣使い
速報 メイプルちゃん堕天する
803名前:名無しの槍使い
?????
804名前:名無しの魔法使い
もうしてただろ
805名前:名無しの弓使い
最近は特に何もないって聞かされたとこだが?
806名前:名無しの大盾使い
マジで知らんぞ
807名前:名無しの大剣使い
でも両脇に見覚えのある口だけの化物二体出す女なんて一人しかいないだろ
808名前:名無しの魔法使い
いなそう
809名前:名無しの弓使い
いないだろうな
810名前:名無しの大剣使い
そのメイプルちゃんの背中から真っ黒い翼が生えてたわけ
ついでに地面も黒く発光してた
811名前:名無しの槍使い
エフェクトの色でも変更したのかな?
812名前:名無しの弓使い
テイムモンスターはそんなことできるって聞いたけどプレイヤーはまだなかったような
813名前:名無しの魔法使い
メイプルちゃんはテイムモンスターだった……?
814名前:名無しの大剣使い
モンスターだぞ
815名前:名無しの大盾使い
まあ部分的にはそうだな
816名前:名無しの槍使い
完全否定はできない そりゃそうよ
817名前:名無しの大剣使い
まあ情報はそれだけ 誰かが犠牲になるの待ちだな
818名前:名無しの魔法使い
犠牲は確定なのか……




