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防御特化と浮遊城。

二人は町へと戻ると現在見つかっているダンジョンに目的のものがあるかを確認する。


「お、メイプル。あったよ」


「おおー!ほんと!?」


「うん、まあ定番のロケーションだしね。って言っても場所は五層。それに観光スポット系じゃなくて今回は完全にダンジョンだから、ちゃんと準備して行かないとだね」


「むぅ、じゃあ頑張らないとだ」

一層と比べれば二人が脅威だと感じるモンスターも増えることは間違いない。一層の花畑と違ってボスもいるようなダンジョンとなれば尚更である。


「眺めがいいかとかは流石に書いてないけど、五層の中でもかなり高い場所にあるっぽいし、きっと綺麗だよ」


「んー!楽しみ!」


「じゃあ早速行こうか」


「うん!」

ポーション類などはイズから貰っている分で十分だと判断した二人は早速浮遊城へと向かうことにしたのだった。




「五層も久しぶりかも!」


「相変わらず眩しいくらい真っ白だね」

壁も地面もあらゆる場所が雲でできている五層はサリーの言うように眩しいくらい白ばかりである。

浮遊城はここ最近でようやく見つかったダンジョンとのことで、かなり行き着くのに時間がかかる場所にあるらしい。装備も戦闘用に戻し、目的地へ移動しつつ、サリーはメイプルに浮遊城の説明をする。


「最後は魔法陣での移動になるみたいだからシロップで飛んで直接って訳にはいかないみたい」


「ふんふん」


「道中はそこまで難しい道程じゃなくて、むしろ見逃しやすくて発見しにくいから今まで見つからなかった感じだね」


「そうなんだ!うー、そういうところ初めに見つけられたらドキドキするだろうね!」


「そうだね。まあでも、メイプルは色々見つけてる方だと思うよ?」

色々見つけていなければメイプルはこんなスキル構成にはなっていないはずである。


「これからもいっぱい探索していきたいな!サリーに良さそうな装備とかあったらあげるね」


「こっちもそのつもりっと、メイプル。ここだね」


「ここ?」

二人がやってきたのは周りを高く伸びる雲に囲まれた突き当たりである。他にもいくつかこういった場所はあるため、注目もされてこなかった。


「何もないように見えるけど……情報通りなら……」

サリーは雲の壁に近づいていくと両手でぐっと押し込んでいく。何箇所かそうしたところで突き出したサリーの手が雲の壁にズッとめり込んだ。


「あった!ここを抜けられるみたい」


「へぇー、すごい……どうやって見つけたんだろ」


「偶然じゃない?メイプルもだいたいそうでしょ?」


「確かにそうかも!」

無事浮遊城に続く道を見つけた二人は雲の中へと入っていく。今までにも増して周りは白に囲まれており、どこに先程のような隠し通路があるか注意深く雲をかき分けて探す必要がある。


「うわぁ、綺麗だけど……どこに道があるか分からなくなるかも」


「まさに隠しダンジョンって感じだね。ま、今回は先駆者の知恵を借りてガンガン進むよ」


「うん!」

サリーが先頭に立って攻略ルートを確認しつつ、右へ左へと雲の中を進んでいく。モンスターが出てこない分、移動は複雑でも順調に探索を続けられていた。

そうして進むこと十数分。


「ふぃー、結構歩いた……のかな?」


「上下左右全部雲だと感覚狂ってくるよね。でも、間違ってなければもう少しのはず……よしっ!」

サリーがまた一つ雲をかき分け向こう側を確認したところで上手くいったというように声を上げる。メイプルも急いで横から顔を出してみると、そこには雲と同じ真っ白な素材でできた神殿のような建物があり、その中心から魔法陣の光が立ち上っているのが見えた。


「サリー、ここ?」


「そ。って言っても本番はここからだけどね」


「高い所だったら、きっと綺麗だろうなあ……」


「また写真でも撮っておけばいいよ」


「ふふーん、途中でも撮ってたけどね!」


「次はモンスターも出るから油断しないでよ?」


「分かってるってー!」

二人は魔法陣まで歩いていくと、せーので足を踏み出して目的の浮遊城へと転移していくのだった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 思えば、体感時間が高速化するのって、ただの観光とかでこそ、有用っぽいかもですね。(1時間ほどで体感二日とかだったら、すごくリフレッシュ出来そう) ん?まてよ? …ってことは…。 体感時…
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