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防御特化と塔二階5。

今回短いです。

メイプルとサリーは部屋から飛び出すと、急いで扉を閉めて扉にもたれかかった。


「ふー……とりあえずこれで一旦落ち着ける」


「ど、どうするサリー?」


「どうするって言っても……メイプル、奪われたスキルは何?」

まずそれを知らなければ始まらないと、サリーはメイプルに聞く。

メイプルはスキルを確認していき【機械神】【滲み出る混沌】【天王の玉座】【百鬼夜行】がなくなっていることが分かったのである。


「【滲み出る混沌】は【暴虐】とかも含めて全部消えてるよ」


「うぇ……装備でも関係ないし……しかも効果の強いのばっかり。時間制限とかある?」


「ないみたい?こ、これ返ってこないのかな?」

メイプルが不安そうにサリーの方を見る。


「ボスを倒すか……この階層を出るか、かな。まあイベントが終われば返ってくるのは間違いないと思うけど……」

それはこの塔の攻略を諦めるということであり、二人にとってあり得ないことだった。


「んー……やりようはあるけど。どうしようかな……」


「えっ、どうにかなるの?」

メイプルが意外そうにサリーの方を見る。


「まあ、ノーダメージは無理だと思うけど、メイプルの【身捧ぐ慈愛】を押し付けるとかね。あんなのただのボスが使ったら自殺なんだけど……使ってくれるか分からないし」


「あと、サリー【絶対防御】とか取られたら大変だよ!」


「それなんだよね……防御力がなくなったメイプルは流石に……」

防御力を失ったメイプルはもうただの人である。

攻撃も防御もできなくなってしまってはどうしようもないと、そう考えたところでサリーはふと思った。


「……メイプル、【VIT】いくつ?スキルなしで」


「えっ?あ、うーん……?そういえば最近気にしてなかったんだよね。えっと……」

メイプルが青いパネルを出して今の【VIT】の値を確認する。


「うーん2000とちょっとくらい?」


「んー……」

サリーは目を閉じてその言葉を飲み込む。


「あ、細かい数字も言った方がいい?」


「いやもう誤差……誤差じゃないけど……」

サリーはそれならばメイプルの心配はいらないと理解した。

メイプルのスキルには防御貫通攻撃が存在しないため、メイプルから何かを奪い続けるだけではメイプルを倒すことはできないからである。


「それならメイプル、私を守って。流石にあの射撃があると無理だし……」


「うん、大丈夫!それでどうするの?」


「ゆっくり待とうよ。あのボスが運悪く【身捧ぐ慈愛】を引いてしまうまで」

サリーは【ダブルスラッシュ】がそれなりにダメージを出していたことから、ボスの元の防御力は高くないと考えた。

そして、それならば【絶対防御】や【フォートレス】を持っていかれたとしても何とかなると結論づけたのである。


「おっけー!そうしたら一気に攻撃だね!」

メイプルはぐっと拳を前に突き出しながら、やり返してやるというようにやる気を見せる。


「うん、いくつか面倒な場面は出てくるだろうから作戦会議はしていこう。ここなら安全だし」

サリーはそもそもまだ他の行動をしてくる可能性もあると、メイプルに対して油断はできないことを伝える。


「じゃあいろんな作戦を立ててからいかないとね」

こうして、二人はきっちり勝つための作戦を練り始めたのだった。


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