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防御特化と塔二階。

一階を攻略した二人は日を改めて二階の攻略へと移った。

一度一階をクリアした二人は二階からすぐに始めることができる。

二階へを足を踏み入れた二人の目の前に広がったのは、壁一面が本で埋め尽くされた通路だった。


高い本棚が天井にまで届いており、通路は一階と同じ程度の幅である。


「図書館、かな?」


「そんな感じだね。んー、魔法攻撃が多そう」


「このくらいの幅だとシロップに乗れないんだよねー……」

メイプルの言うように、屋内の場合はシロップに乗って移動できないことが多い。

空を飛んでいれば避けられるものも多いが、今回のイベントではそうはいかなかった。


「ちゃんと歩いて攻略しよう?」


「はーい。そうだね、ちょっと時間はかかるけど」

二人は早速といった風に通路を進み始める。

右も左も本だらけの通路をある程度進むと十字路があり、そのどれもが同じような景色だった。


「メイプル、どっちから行く?」


「……左?」


「じゃあ左で」

そうして二人が十字路を左へ曲がってすぐ。

本棚から勢いよく一冊の本が飛び出してきて、二人の方へと向かってくる。


「……!よっ、と!」

サリーは素早く反応して体を捻り、飛び込んできた本を躱すと、そのままダガーを振り抜いてカウンターを決める。

本型モンスターは赤いダメージエフェクトを散らしながらも、まだ勢いを失わなかった。

そしてばっと開かれて、本来本にはあるはずのない鋭い牙がページの端に現れる。


それは、そのままメイプルの顔に噛み付いた。


「うわっ!?ちょっ……と、サリー!見えない見えない!は、剥がして!」

メイプルはぶんぶんと首を振るものの、モンスターはがっちりと噛み付いたまま離れない。


「ちょっと待ってね。【ダブルスラッシュ】!」

サリーが隙だらけのモンスターに素早い連撃を叩き込む。

HPはかなり低く設定されているようで、本型モンスターは簡単に倒れて光となって消えていった。


「びっくりした……でも、ここで出てくるモンスターならあんな感じだよね」


「確かに。でも、そうなるとどこから来るか分からないなあ」

分からないからといって躱せない訳ではないサリーだが、警戒しつつ辺りを確認する。

しかし、どこか規定の位置を通らなければ出てこないのか、今の所モンスターの気配はなかった。


「【身捧ぐ慈愛】する?」


「うん、お願い。風魔法とかは範囲攻撃多いし」

メイプルは【身捧ぐ慈愛】を発動させると、ポーションを飲んでHPを全回復させた。

二人は改めて、ぎっしりと本が詰まった本棚に挟まれた通路を進んでいく。


「さっきの本はあんまり強くなかったね」


「どうだろう?攻撃力が高かったんじゃない?多分……」

メイプルにある程度の攻撃力の高さで挑んだとしても、周りから見ている者にはその威力は分からない。

一も千もメイプルの前では同じなのである。


「不思議な本を見るとカナデを思い出すなあ」


「……ボスは本当にそんな感じかもね。攻撃の種類が多そうっていうか」


「なるほどー。どこかに情報とか書いてないかな?こんなに本があるんだし」

メイプルが左側の本棚に手を伸ばして、本を一冊抜き取ろうとする。しかし、本は固定されていて動かなかった。


「駄目かー。残念」


「でも確かに、どこかにはあるかもしれないね。一階はきっちり全部回らないうちにボスまで行けたし気にしなかったけど。じゃあ、そういうのも探しながら行こう」


「そうだね!」

メイプルが元気よく返事をしたところで再び本が飛び出してくる。

それはふわりと天井近くまで行くとすぐさま雷を落としてきた。

広い範囲に電撃が走り、轟音と共に光が通路を照らす。


「どうするサリー?撃つ?」


「うん、眩しいし」

二人は落ち着いてそんなやりとりを交わす。

メイプルは兵器を展開して砲口を向けた。

迸るレーザーの光が落ちてくる雷を打ち消して、続くレーザーが本を焼いていく。

容赦のない攻撃に今回もまたモンスターはすぐに倒されていった。


「ふふふ、罠もないしこれくらいなら大丈夫!」


「頼もしいねー。っと、次は三冊同時みたい」

遠くから光を纏った本がふわふわと二人の方に飛んでくる。それを見たサリーがメイプルの方を見てそう言うと、メイプルはすぐにやるべきことを理解した。


「まっかせなさーい!」

同じように兵器が通路の先へと向けられる。

モンスターも、メイプルを倒したいのであれば、多くはその射程内に入るしかないのである。


探索を開始したばかりで、まだ能力がフルに使えるメイプルを相手にすることになっては、雑魚モンスター程度ではどうにもならなかった。




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