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防御特化と塔一階。

更新する曜日を決めておきます。

これからは毎週、月、火、木、日に更新させていただきます。

これからもよろしければ見てやって下さい。

メイプルとサリーは町の広場に設置された魔法陣の前までやってきた。

この魔法陣を利用して塔へと向かうのである。


「えっと、一番難しいのでいいよね?」


「もっちろん!やる気十分です!」

メイプルがテンション高くそう言うと、サリーも少しワクワクしたように歩き始める。


「ふふっ、ならこっち!さっと一階層をクリアしてこよっか?」


「うん、そうだね!」

サリーが自信に満ちた表情でそう言うとメイプルも楽しそうに返す。

こうして二人は最高難度の塔へと続く魔法陣に乗り、白い光と共に消えていった。



光が収まって、新たに二人の目の前にあったものは天を貫く高い塔だった。

塔の上部は雲に隠れて見えなくなっており、また一階層ごとの広さも相当である。


「これ、時間かかりそうだね」


「確かに。見た目通りなら通常フィールドの四分の一あるかないか……かな?でも途中で転移とかあるかもしれないね」


「お、おー……頑張らないとね!」


「ん、そうだね。ほどほどにやっていこう」

二人は真っ直ぐに進んでいき、大きな扉を押し開けると塔の中へ入った。

塔の内部には人が四人ほど並べる通路が伸びており、二人が見える範囲でも分岐がいくつかある。

また、天井までは四メートルほどである。


「とりあえず……」


「うん、迷路っぽいね。出会い頭には注意しないと」


「えっと、じゃあ【身捧ぐ慈愛】!」

メイプルはまずはといった風に【身捧ぐ慈愛】を発動させ、万が一の場合にサリーを守ることができるようにした。

メイプルの黒い装備の背中から白い羽が伸びる。

準備も整ったところで二人はダンジョンの中を歩き始める。


「そういえば、メイプル。あの盾を二つ増やすのは装備しないの?」


「あれ?あれはまだ練習中なんだー。色々同時にできるようになるのはもうちょっとかかりそうかなー。あと、サリーが嫌そうだから?」


「うっ……まあ、ちょっとね。ちょっとだよ?」

サリーのことはさておいて、【ポルターガイスト】など操作するものが多くなってきたため、メイプルは一旦それらを置いておくことにしたのである。

必要な時が来たならその度に一つずつ装備を変えて使えば問題ないとの判断だった。

メイプルがその時間を稼ぐことができないはずがない。


「私も慣れないと……あっ!?メイプルそこっ!」


「え?あっ……」

話をしていたメイプルは少し色の変わった地面を踏み抜いた。

するとパカっと床が開いて、メイプルはそのまま下へと落ちていく。

サリーはというと咄嗟に壁に向かって糸を射出してピタッと止まっていた。


「メイプルー!大丈夫ー?」


「大丈夫ー!ただの毒沼だったー!」

サリーが声をかけると暗い穴の底からメイプルの元気な声が帰ってくる。

そしてそれから少しして、白い手に掴まれふわふわと浮かぶ盾二枚に挟まれたメイプルが、浮かび上がってきた。


「ふふーん。装備さえあれば落とし穴なんて怖くないよー」


「……無事だったならよかった。で、でも、もうちょっと気をつけて歩いていこう」

サリーは少し目を細めて、顔を逸らしながらメイプルに注意する。


「……そうだ!【発毛】!」

メイプルは何を思ったのか、その場で毛玉になった。白い球体から顔と天使の羽がぴょこんと飛び出ている状態である。


「メイプル?」


「これなら罠も考えなくていいし、サリーも怖がらないし一石二鳥だよ!前もこうやって探索したんだー」

メイプルはそのままサリーにすうっと近づいてきて、サリーは毛玉の中に入ることとなった。


「しゅっぱーつ!」


「お、おー?……ダンジョン探索ってこんな感じだっけ……?」

困惑するサリーをおいて、メイプルはふわふわと通路を飛んでいく。


「ん、メイプル!モンスターだよ」

曲がり角からふわりと飛んで現れたのは赤い翼をもった二メートル程の鳥だった。


「ふふふ、どこからでもかかってきなさーい!【全武装展開】!【攻撃開始】!」

毛玉から黒い支柱が伸びて、銃や大砲が展開される。

メイプルが得意げに攻撃を開始するが、赤い鳥に命中した攻撃はそのまま鳥の体をすり抜けていき、鳥はその姿を炎に変えて勢いのままに体当たりをしてきたのである。


「メイプル!」


「あっ!え、そ、それはだめええっ!」

浮かぶ毛玉に機動力はなく、毛を全て燃やしながら鳥が通り抜けていく。

【身捧ぐ慈愛】があるため、サリーにもダメージはないがもう毛玉には戻れない。


「むー……」


「戦うよ!援護お願い!」


「おっけー【挑発】!」

メイプルが浮かぶ盾から降りてスキルを使い、炎の鳥の注意をひく。

そして【悪食】を温存するために体で体当たりを受けていると、サリーが横から水魔法を直撃させる。

すると炎の鳥は確かな赤いダメージエフェクトを散らせた。

炎は小さくなり、ただの赤い鳥になっていた。


「やっぱり水は効くよね、そう思ったっ!」

サリーがその勢いのままに両手のダガーで斬りつけてみるとさらにダメージが入る。


「メイプル!」

それを見たサリーがメイプルに合図をする。


「仕返しっ【毒竜ヒドラ】!」

紫の本流が赤い鳥を飲み込んで吹き飛ばす。

【蠱毒の呪法】による即死のエフェクトが出て跡形もなく鳥は消えていった。


戦闘が終わると


「【救いの手】は外しておいて……ふぅ」


「んー、お疲れ。まだちょっと特殊なくらいで雑魚モンスターだろうけど、無事終わってよかった」


「もう【発毛】できなくなっちゃった」


「同じ手は通じないってことじゃない?ほら、少しはトラップを見抜く練習しないと」


「うん、そうだね。やってみようかな?」

そうして、メイプルが罠を数回踏み抜きながらも二人は奥へと進んでいったのである。



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