防御特化と練習。
遅くなって申し訳ありません。
また、再開していきますね。
投稿ペースは10月末頃に二日に一回にするかもしれません。
サリーへのプレゼントは失敗だったが、メイプル自身が使うぶんには問題ない。
メイプルは一旦装備を戻し、ステータスを開き、自分の装飾品の枠を見て考え始めた。
メイプル
Lv50
HP 40/40〈+160〉
MP 12/12 〈+10〉
【STR 0】
【VIT 250〈+1755〉】
【AGI 0】
【DEX 0】
【INT 0】
装備
頭 【空欄】
体 【黒薔薇ノ鎧:滲み出る混沌】
右手 【新月:毒竜】
左手【闇夜ノ写:悪食】
足 【黒薔薇ノ鎧】
靴 【黒薔薇ノ鎧】
装飾品 【絆の架け橋】
【タフネスリング】
【命の指輪】
スキル
【絶対防御】【大物喰らい】【毒竜喰らい】【爆弾喰らい】【瞑想】【挑発】【極悪非道】【大盾の心得Ⅶ】【体捌き】【攻撃逸らし】【シールドアタック】
【HP強化小】【MP強化小】
【カバームーブⅥ】【カバー】
【不屈の守護者】
【念力】
【フォートレス】【鼓舞】【羊喰らい】【身捧ぐ慈愛】【機械神】【クイックチェンジ】【ピアースガード】【カウンター】【蠱毒の呪法】【凍てつく大地】【百鬼夜行Ⅰ】【天王の玉座】【冥界の縁】
「うーん……【救いの手】を装備するためにはどれか指輪を外さないとダメなんだけど……とりあえず【絆の架け橋】はダメだよね」
【絆の架け橋】を外してしまうと、シロップを呼び出すことができなくなってしまう。
メイプルはそんなことをするつもりはないため、外すなら【タフネスリング】と【命の指輪】のどちらかとなる。
「なら……【タフネスリング】かなあ、HPは30下がるけど……その分防御力を上げればいいよね」
メイプルはうんうんと頷くと【タフネスリング】を外してインベントリにしまい、替わりに【救いの手】を装備した。
メイプルの両サイドに白い手首がすっと現れて空中に浮かんでいる。
そして、メイプルは装備品の枠が二つ拡張されたことを確認した。
「とりあえず……【白雪】と【紫晶塊】かな?【クイックチェンジ】先の装備品はダメみたいだし」
装備を付け終えたメイプルの【VIT】はさらに70上昇する。スキル込みだとこの六倍である。
メイプルには目の前で浮かぶ両手がそれぞれ盾を手に持っているのが見て取れた。
「あ!動かせる。けど……難しい」
メイプルが頭の中で両手を動かすことを思い浮かべると両手はそのように動く。
それはまるで手がもう二本増えたような感覚だった。
「【暴虐】は動かせるんだけどなあ。これとはちょっと違うのかな?」
メイプルはしばらく盾を動かしてみるが、両方が同じ動きをしたり片方に意識が向き過ぎて、もう片方が完全に止まってしまったりと、上手く使いこなせるまでには時間がかかりそうだった。
「とりあえずこの動きだけできればいいや!」
メイプルは二つの盾をぐっと目の前に寄せて、その手に持っている盾を構える。
メイプルの前には三枚の盾が壁を作っており、多くのものが弾かれることは間違いなかった。
「これだけ練習しよう。うん!」
メイプルはしばらくその場で両側の盾を引き寄せる練習を続けたのだった。
「大盾の使い方ももうちょっと覚えないとなあ……クロムさんに聞いてみようかな」
メイプルはそう思いついて一旦ギルドホームへと帰っていった。
メイプルの盾追加はスキルではなく装飾品によるもののため、町の中でもそのままである。
そのため道行く人が皆メイプルの方を二度見したり、驚きのあまり立ち止まったり、ギルドへの報告のためにと写真を撮ったりするという事態が発生したのだった。
ただ、そんなことに気づかないままメイプルはギルドホームへと入ったのである。
そして、そこにはちょうどよくクロムがいた。
「おっ、メイっ……そうか」
クロムは何かを悟ると努めて明るい笑顔でメイプルに近づいてくる。
メイプルもちょうど良かったとクロムに駆け寄っていった。
「クロムさん!盾の上手い使い方を教えてくれませんか?」
「それは……何というか、その、その浮いているものの使い方か?」
「そうなんです!手を増やせたんですけど上手く扱えなくて」
「まあ、増やすものじゃないんだが……」
クロムはできることはしようと、メイプルを奥の【訓練場】へと連れていった。
そこで【天王の玉座】も披露されたことでクロムの容量がパンクした。
また、一度やってみようと模擬戦を始めたもののクロムの出した結論は仮に盾などなくても、ほぼ問題ないということである。
玉座に座っていればたまに受ける貫通攻撃程度どうということはなく、盾が増えたことで貫通攻撃の通りは悪くなった。
玉座から立ち上がれば【暴虐】があり、そうでなくても【不屈の守護者】で生き残る。
「俺には無理か?玉座もあるし無理だな。ま、万能って訳でもないんだ」
いっそこうなれば足りない部分だけでも支えてやろうと心に決めたクロムは、メイプルへの指導を再開したのだった。