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防御特化と糸使い。

短め。明日もあげます。

戦闘が終わるとサリーを縛っていた糸はどんどんと消えていく。

上半身が自由になったサリーは完全に糸がほどける前に、ぐっと体を起こす。

直後、サリーを拘束していた糸は消え、サリーは地面に落ちていく。


「よっ……と!」

サリーは器用に空中で体勢を立て直すと、うまく地面に降りることに成功した。


「スキルを手に入れたはず……あった」

サリーはステータスを確認する。

そこには【糸使いI】のスキルが追加されていた。

サリーは説明文を読んでいく。


【糸使い】

蜘蛛糸を操る。

スキルレベル5で伸縮可能。

射程五メートル。両手足から射出可能。

再使用で【糸使い】状態解除。



「イーターじゃなかったか。あー、でも条件は一緒か」

サリーはメイプルのやったこととは違う方法で、メイプルのいる位置まで行きたかったのだ。

それはサリーの意地のようなものである。


ただ、同時に限界も感じていた。


「これ、どんな感じだろう【糸使い】」

サリーがそう言ったことで、出したままのサリーのステータスに変化が起こる。

【糸使い】の文字が名前の横に追加されていた。

サリーはよりしっかりとスキルの説明を読み込んで、右手を突き出す。


「【右手:糸】」

右の手のひらから、先程までサリーを縛り付けていたような蜘蛛糸が伸び、少し先の木にぶつかるとぴったりと張り付いた。

サリーは力を入れてぐっと引っ張ってみるものの、木から糸が離れる様子はなかった。

サリーは少し何かを考える。


「……メイプル、今回だけ力を借りるね」

サリーはそう呟いて、伸ばしていた糸を消すと、スキルレベルを上げるためジャングルのさらに奥へと進んでいった。



サリーは糸を伸ばして消してを繰り返しながら、ジャングルを歩いていくが、そうして少しすると立ち止まった。


「とりあえずレベル5まで上げて、伸縮糸を使えるようにしてみないと何とも言えないか」

サリーはこの場所でスキルレベルを上げるのは危険だと考えて、一度このジャングルから出ることにした。

サリーの興味はジャングルよりスキルに移っていたのである。


「うん、まだ死ぬわけにもいかないし。帰ろう」

そして、サリーの姿は光に変わって、ジャングルから消えていった。


こうしてスキル一つを手に入れたサリーは五層の町のギルドホームへと戻ってきた。

サリーがギルドホームの中に入るとそこにはカナデとクロムがいる。

二人はサリーと話をした。二人もまた、あのジャングルへと挑むつもりのようである。


「俺もまた今日行くが……イズが必要とするような素材くらいしかまだ手に入ってないからな」


「僕もちょっと欲しいものがあって、上手く辿り着けるかどうか分からないけど、今回は行かないとね!」

それぞれに目的があるようで、これらが上手くいけばギルドとしてまた一歩前進できることは間違いなかった。


「いってらっしゃい。上手くいきますように」


「ああ、何かしら持って帰ってくるわ」


「行ってくるねー」

二人はそれぞれ手を振って、準備も兼ねて街へと出ていく。

そして、それに時を同じくして【炎帝ノ国】からも二人がジャングルへと向かっていた。


二人は、クロムとカナデより少し先にジャングルへ行き探索を開始したのだった。

そして、探索していたそれぞれの前に、二人がポンと転移してきたのは、偶然というよりはシステムによるものだったのかもしれない。


とにもかくにも、カナデはマルクスと、クロムはミザリーと出会った。

魔法使いなどMPを使うようなプレイヤーが、今回目的としているMP増加スキル。

MP増加スキルを手に入れるため。カナデ達二人は目的の一致により動き出した。

クロムもまた、特に目的などもなかったため、ミザリーに付き合ってその場所を探し始める。




そして、深く考えていないメイプルがペインを乗せてジャングルを走り抜け、やってきていた。





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