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防御特化と復帰。

サリーがスキルを一つ手に入れてから時間は流れて、イベントが始まる二月になった。

サリーやクロム、カスミが最速で参加するのはもちろんのこと。

今まで静かに休んでいたメイプルも、ついに探索へのモチベーションを取り戻してイベントが開始してすぐにログインした。


メイプルがギルドホームに入ると、入れ替わるようにクロムとカスミが飛び出していった。

メイプルが振り返って走っていく二人を見つめていると、奥から近づいてきたサリーがその肩をポンと叩く。


「メイプルも来たんだね。今日から探索?」


「うん、久しぶりに頑張ってみる!」


「ならちょっと分かりやすくイベントの説明を」

サリーが今回のイベントの概要を話し始める。

今回のイベントはまず第一段階としてフィールドでのアイテム回収をし、そのアイテムを使い別フィールドへと移動するというものだとサリーはメイプルに説明した。

また、それだけでなく移動先のフィールドのどこに着くかはランダムになっている。


「それで、その移動した先がジャングルね。運営によると貴重な素材がメインらしいよ……後はスキルもあるとか?」


「なるほどなるほど」


「あー、あとはあれだ。ジャングルではHP回復アイテムとHP回復スキルは使えないって。メイプルなら……とりあえず【瞑想】は駄目だね」

そして死亡するか、ステータス表示の下に追加されている【フィールドから出る】のボタンを押すかすると、町の広場に戻ってくるというようになっているのである。


「【身捧ぐ慈愛】とかはむやみに使わないほうがいいっていうこと?」

サリーは頷く。

自分からHPをコストとして支払うのはリスクが高い行動だからだ。

また、貫通攻撃も基本受けてはいけないと言える。これでもまだ、メイプルは普通の攻撃に気を配る必要がないという点で、その他のプレイヤーよりも戦闘は遥かに楽なのである。


「じゃあ私はアイテム集めに行くねー」


「いってらっしゃい」

サリーはクロムとカスミのようにギルドホームを飛び出してそのままフィールドへと出ていった。

残されたメイプルはマイペースにてくてくと歩いてフィールドへと出ていった。




「さーて、改めて情報を見て……」

サリーがおおまかに説明をしてくれていたこともあり内容は全て簡単にメイプルの頭の中に入った。

今回は倒さなければならないモンスターに指定はなく、全ての層の全てのモンスターからジャングル行きのチケットを手に入れることが出来る。

メイプルは初めての五層探索を兼ねてモンスター討伐へと乗り出した。




ふわふわとした地面を踏みしめ、メイプルはキョロキョロと周りを見つつ進んでいく。


「サリーは雲のモンスターが多いって言ってたけど」

メイプルは高低差のあるフィールドを、雲の壁を乗り越えて坂を下ってと進む。


「ふぅ、モンスターいないなあ。一回四層に戻ろうかな?」

顎に手を当てて考えるメイプルだったが、ちょうど入道雲が見えてきたことで一つ閃いた。


サリーから聞いた探索の話に出てきた入道雲、その道中にはモンスターも出る。

サリーから貰った数個のシャボン玉の素は使い切ってしまったため、この機会に一つ手に入れておいてもいいかもしれないと思ったというのがもう一つの理由だった。


「よーし、行こう!うわっ、あっ!?」

メイプルは足を滑らせて坂をゴロンゴロンと転がり落ちて顔からベシャッと地面に倒れ伏した。


「うう、痛くはないけど……気をつけないと」

メイプルは立ち上がると、足元に気をつけて歩き始めた。




入道雲の中へと入っていったメイプルは雷雲と遭遇した。


「久しぶりに戦うぞー!」

メイプルから兵器がガシャガシャと伸び、全てが小さな雲に向けられる。

ただ、メイプルが攻撃するよりも先に放電する雲から小さな雲が分離してふわふわと飛んできた。


「……かわいい」

兵器で攻撃することなく小さな雲をちょんちょんと触り始めたメイプルを電撃が襲うが、バチバチと音を立てるだけでそれ以上の効果は何一つとしてない。


「今はアイテムを手に入れないと駄目だから、ごめんね?」

メイプルは本体に近づくと左手の盾であっさりと雲を葬った。


「ドロップは……ないなあ」

メイプルは今回の探索でイベント用アイテムを手に入れることは出来なかった。

ここではシャボン玉の素を一つ手に入れただけということである。

ただメイプルは久しぶりの探索を楽しんでおり、特に目立った成果がないということを気にすることはなかった。


メイプルがジャングルへ行くためのアイテムを手にするのはここから二日後のことだった。




小説家になろうが今になって制限にかかったらしく。よく分からないですね

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― 新着の感想 ―
ええ?制限なんてあるんだ…
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