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防御特化と四層の町。

ギルドホームの位置を確認し、内装を一通り見て回ったところで【楓の木】の残りのメンバーがログインしたことにサリーが気付いた。


「ごめんメイプル、手伝いに行ってくる」


「じゃあ、私も行くよ。【身捧ぐ慈愛】で守るだけだけど」

二人は四層の探索を後回しにして再度三層へと舞い戻った。


ボス戦は【身捧ぐ慈愛】による保護を受けたユイとマイによる通常攻撃連打で驚く程あっさりと終わることとなった。


新たな町にやって来た一行はそれぞれがバラバラに広い町を探索に向かった。

後でどんなものがあったか情報共有することで町の全容を把握するためである。


メイプルは一人、道を歩いてはキョロキョロと何があるかを見ていた。

そうして道を歩いていると漢字で壱と書かれた板が貼られた大きな赤い鳥居が見えてくる。

メイプルがその下を通ろうとすると許可証確認という音声が聞こえた。


「んーと……通っても大丈夫だよね?」

メイプルはゆっくりと足だけを伸ばして何も起こらないことを確認するとぴょんと一気に鳥居の下を越えた。


「そっか、通行許可証持ってるもんね。どこまでいけるかな?」

メイプルは再び歩き出した。

内側へと向かうためには通行許可証が必要である。

そして当然、内側へ行けば行くほど良い装備や良いスキルに巡り会える可能性は高まるという訳だ。


NPCに代金を渡すことで決められた位置まで運んでもらえる小舟や人力車などが配備されており、メイプルは弐と書かれた鳥居を越えた辺りで人力車に乗って進むことに決めた。


「はやーい!快適、快適!」

メイプルが歩くよりも遥かに速く、町の中心に向かってぐんぐんと進んでいく。

メイプルが人力車から降りたのは陸と書かれた鳥居の前だった。

メイプルがその鳥居を潜ろうとすると薄く光る壁に阻まれて潜ることが出来なかった。


「あー……あの高い建物まではまだまだ遠いなあ……通行許可証はどこかで上げられるのかな?」

メイプルは先へ進むことを諦めてこの辺りにある店に入ってみることにした。


「お邪魔しまーす……おお、和服がいっぱい!」

そこにはカスミが着ているような服もたくさん飾られていた。


「こっちの服の方がこの町に合ってるかも……」

結局メイプルは服装をガラッと変えた。戦闘に向かう前に装備を変えればいいだけなので大盾と短刀も外して完全に観光モードである。

得意技である【毒竜ヒドラ】を意識した紫を基調とした着物に身を包みメイプルは店を出た。


「次はどこへ行こうかなー?」

メイプルは上機嫌でまた歩き始めた。


次にメイプルが向かったのは家具アイテムが並ぶ店だった。

奥に店主のNPCが一人座っている。

古めかしい壺や掛け軸などから机などまで幅広く置いてある。

ギルドホームの部屋の見た目を変えることが出来るアイテムである。


「すごい良いものなのかな?値段は高いけど……分からないや」

品定めしてみたもののこういった家具にはそこまで興味を持たなかったメイプルは今回はいいかと店を出ようとした。


すると、奥で座っていた老人の店主がメイプルに声をかけてきた。


「お嬢さん……もう一つ壺を見ていかないかね」


「私?……うーん、どうしようかな」

そこまで興味がないとはいえ提案されたのに見ないというのも後で気になってしまいそうでメイプルは見てみることに決めた。


「こっちに来なさい……」

店主は扉を開けて商品が展示されていないスペースへとメイプルを招く。

メイプルがそれについていくとそこで手のひらに乗るほどの大きさの小さな蓋つきの壺を見せられた。


「これ?うーん……いらないかなあ」

そう言っていたメイプルの前に青いパネルが出現する。


「ん?クエスト!?」

クエストとなれば話は別である。

ステータスのためにクエストにあまり出会えないメイプルにとって受けない手はなかった。

そしてメイプルはクエスト名もよく確認しないままにクエストを受けた。


「それでは……最後の一匹になってもらおうかね」

店主が壺の蓋を取るとメイプルの体は壺の中に吸い込まれていった。


「えっ!わっ!?」

メイプルはどんなクエストだったかとクエスト名を思い出そうとしたものの【壷中の王】というクエスト名は思い出すことが出来なかった。







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