尾行作戦!
まずは店を歩き回ってる店員から捜査だ!さっきから嫌な感じがぷんぷんする。それがあたしだけって言ったら、他にここに死神がいるってことか?いやいや、修行死神はそれぞれ遠い地域ごとに修行してんだ。近いはずがない。レジの奥があやしいな。あたしはレジの奥に入った。なんかせまいな。それに・・・なにか、死神と同じようなにおい。
「そこで何をしているんだ?」
背後からあたしにむかって話す声?乗り移ってるすずにしか見えないはず。あたしは後ろをゆっくり見た。
「ムーン!?」
うそだろ!?ムーンは死んだはず。死刑にされて・・・。
「きみはそこで何をしている?」
「おまえ、まさかムーンか?」
まちがいねえ、あたしがずっと感じてたにおいはこいつだったんだ。でも、死神の格好など全くしてねー。
「人違いだ。さっさと出てけ!」
男は、あたしのことをつかんでふっとばすつもりだったみたいだが、あたしは急いであいてるドアにダッシュ!あたしがほぼ霊状態だってこと知られたらやばいからな。名札に月野真藤とかいてあり、上によみがながかいてあった。つきのしんどうと。ムーン・神・動物と名前の由来を知ることができた。
『特に怪しそうな人はいませんでしたね。』
うん。どの店員も動物の扱いが優しかったよね。次はこのレジの店員か・・・。「さっさと出てけ!」
奥のドアから大きな声!大丈夫かな・・・。ナイト。
「はあ、はあ・・・。」
「ナイト!すんごい声が聞こえたけど・・・。」
それから私たちはナイトの話を聞くことにした。
え!?ナイトが見えたの?
『ああ、もしかしたらと思うんだが・・・。あいつはグリムリーパー・ムーンだ。と思う。五十年前デスニュースで話題になってた死神だ。』
デスニュースってなんかこわい・・・。
『人間界に行っては指定されていない動物を殺して、やばかったんだぜ?ついにそれをとめようとした死神も殺して、死刑になったんだ。』
『死神は、同じ死神を一人でも殺せば死刑になるそうなのです。』
でも、なんでそこまでして動物を殺したんだろう。
『ニュースではこう言ってたぜ?動物の死体コレクションを作りたいとな。うう。あたしじゃ考えられん。』
ナイトみたいに心優しい死神もいれば、そんなおかしな死神もいるんだね。
『あいつが異常なんだよ。』
まあ、人間にもそういう人がいるし、世の中ってどんな世界でも同じなんだなあ。
『女神は死亡というと、寿命を過ぎたときだけですが・・。』
そっか!天国って平和だなあ。だからチャームは、死についてよくわからないままなんだ。そういう意味では、ちょっと平和って言うのも怖い。って、そんな話より、どうして死刑にされたムーンが人間界にいるの?
『あたしの考えだと、グリムリーパー・ムーンはとっく死んでいる。しかし、月野真藤という人間として、生まれ変わったんだな。きっと動物を殺しているのもあいつだ。死神の頃の心がのこってんだよ。証拠を探そうぜ?いいこと考えたんだ。』
ナイトが考えたことは明日、ムーンの後ろからつけると言うことみたい。
『まず、相手は動物を殺すプロで、死神も殺したことがある。つまり、人の命について全く考えてないってことだ。』
『命の価値がわからない・・ということでしょうか?』
『チャーム・・・。おまえはそのうちわかるさ。だってあたしが死神の仕事してるんだもんな。つまりおまえは命に一番近い女神なんだよ。とにかく。おまえ魔法使えるんだよな?』
『ええ。小さな魔法であれば・・。』
『じゃあつけたあと、あたしが魂の姿であいつに近づく。もしあいつが武器を出したらあたしが引きつけるからチャームが魔法で何とかしろ。』
何とかって・・・・。よし!明日は気持ちを引き締めていこう!
ね、ねえ・・・。本当に行くんだよね?
『臆病だなあ~すずは。』
あたりまえでしょ!殺されるかもしれないんだもん!
『証拠を探すわけですから、動物が殺されたら、活動するのでいいのですね?』
ちょっと・・・そんなわけないじゃん!動物を殺そうとしたところで動くのー!
『チャーム!ほんとおまえ、命をどう思っているんだよ!犬だって猫だってアリ一匹だって命は同じ重さなんだよ!』
ナイト、落ち着いて。
『命って何なのでしょう?』
さあ、私もわからない。
『あたしだって・・・。まだ命の意味なんてしらねえよ。』
ペットショップ閉店の時間、同時に月野真藤が店から出てきた。辺りは夕焼けで真っ赤なのに、私にはすっごく暗く見えるぅ~。
『やっぱり・・どうもわかんねえ。』
何が?
『あたしが人間の情報を察知できるのは知ってるだろ?でも、あいつをどんなに見ても、情報がわからねえんだ。』
『まだ死神の頃の血が残っているのではないでしょうか?』
それやばいじゃん。もしかしたら死神の能力が残っているのかも。そうなると人間を殺すまではできなくても、動物なら手を触れずにナイトみたいに魔術を使って殺すことができるかもしれない。
『それはやべえな。あたしが声をかけたところで、動物は殺されるかもしれねー。』
後は後!とにかく追うからね!
ねえ、なんか人をつけてるのってこんなにドキドキするものなの?もし見つかったらどうなるんだろう。
『誘拐されて殺されるだろうな・・・。気をつけろよ。』
うん。あれ?月野が【橋本】の表札の家に入ってったよ?そこには・・アメリカンショートヘアーの子猫が寝てるよ!誰かいるかもしれないのに、よく勝手に入ってこられるね。
『きっと、死神の血が残ってるせいで、人間がいつ出かけるかも実感がなくても察知できるんだ。はやくしねえとあの猫が殺されちまう!あたしは行ってくるぜ?』
うん。頑張って!