表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

調査開始!

―下校中―

 ええと、戻ったよね?私の体。そんなことより、みのるは私に一度も相談してくれなかったな~。友達なのに。

『そりゃ、話しずれーだろーな。』

うん。わかってるけど…いくらナイトが体を使うとはいえ、私本当に人殺しに行くんだよね?

『そうでしょう。もうみのるさんの家に着いてしまったのですから。』

え?近くの家を見ると・・・。あ、あった!って、どうしよう。着い・・・

『どうしよう着いちまったー!』

あ、それ私が先に思ってたのに。それにしても大きいね~。二階建てでふつうの家の2倍ぐらいある大きさの青い屋根の家。ご、豪邸。

「絶対ここだよ・・・。」

『あ、あのさ。みのるも十分頭いいし、あ、あたしが殺さなくても生きていけるんじゃないかなあ~。』

『でしたら、確かめればいいのでは?魂の状態なら、壁も通り抜けられます。』

『あ、ああそうだな・・。』

じゃあ、頑張って見てきて!すると、ちょっとくらっとしたかと思うと、透け透け透明のナイトが現れた。

「あ、ナイト。頑張ってね!」

「う…できれば殺したくねえ。」


 うわあ、人の家に勝手に入るなんて今まで一度もねーよ・・。

「お、おじゃましまーす・・。」

どうせ聞こえねーけどな。なんか暗いな。電気つけないのかよ。

「おいみのる、今日テスト返ってきたんだろ?」

「うん・・・。」

あの人間がみのるの父か。

「早く出してくれないか?今回は百点とれてるよな?」

みのるはうつむいたまま、父親に紙を渡した。

「・・八十八点・・なんだこの点数は!」

「ごめんなさい。」

みのるは目をつむって言った。

「今日はいつもより十分も帰りが遅いじゃないか!そんなに勉強が嫌いか?そんなになぐられたいのか!」

ドン!バタン!父親はみのるを殴って床にたたきつけた。みのるもなんかいえよ!

「私の子供が市の中学校に行くなんて認めないからな。どうせなら死んだ方がいい。こんなできの悪い子供に育てた気はないんだよ。」

「ちょっと、みのるに何するの!?みのる、大丈夫?」

「大丈夫。私が、百点とれなかったからこんなことになったんだもの。」

アザだらけじゃねえか!よく言うな。それに、八十八点で殴るなんて最悪だろ。

「うるさい!私はみのるにいい中学に入ってもらいたいんだ!」

父親は母親も殴る。すると母親はガラス窓に突っ込んでガラスが割れた。それと同時に母親の背中も血が出る。

「嘘よ。」

「なんだと!?」

「嘘よ嘘よ!私、頭のいい中学にいきたいなんて一度もいってない。幼なじみの友達のすずと一緒に中学生活をおくりたいの!だれも友達がいないところなんて行きたくない!」

みのる・・爆発したな。

「学校は子供が決めるところじゃない!口出しするな!」

そんなことないだろ。すると次の瞬間、バリン!父親はみのるを割れたガラス窓の破片のところへ突き飛ばした。

「もうみてらんねー!」

あたしはいそいで家から出た。


「すず。みのるの父は最悪の親だ!」

 い、いきなり言われても・・そういえば、ガラスが割れた音がしたような。まさかみのるのお父さんが!?

「とはいっても、あたしに殺すこと何てきるのかよ。でも、このままじゃみのるとみのるの母が…。」

少しの間、静けさがやってきた。なんか・・死神って大変だね。

「でも、これも死神の仕事だ・・・。逃げてちゃダメなんだ。」

ナイトの目は、まっすぐだった。私は、それがみのるのお父さんを殺すと決心した目だとわかるまでは、少し時間がかかった。

バリン!

「なんだ!?」

ここからじゃ見えない・・・。中庭があるってことだよね?中庭なら近所の人にも見られないんだ。

「ねえ、あんな目にあっているんだったら警察に電話すればいいじゃん。」

「それが、家に電話なんてなくて、携帯も父親のところにまとめておいてあったんだ。公衆電話を使うにしろ、母親は家から出てはいけないみたいだな。みのるはお小遣いもらえないみたいだし。」

え?なんでそんなことまで知ってるの?

『死神は、人間の情報をすぐに察知できる能力を持っているのです。一目見た人間の情報は頭に入れておくのです。』

え?じゃあ私のことも?

『そうですね。』

「とにかく、あたしは覚悟を決めることにしたんだ。いいよな?」

「うん。人間としては、言ってはいけないことかもしれないけど。」

「体貸せ!」

そう言って、ナイトの透明な体はきえ、私の体に違和感を感じると、もうすでにナイトが私の体を使っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ