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彼女
彼女は、所謂、風俗嬢として、毎日働いていました。
愛する彼がいながら、と思っていましたが、彼は、君を信頼している、だから、お金が貯まったらすぐにやめてくれ、僕は君が好きだから、許すけれど、君がもし僕を好きなら、一生懸命お金を貯めてすぐにやめてくれ、と、念を押して言われています。
彼女は、お金を貯めて、専門学校へ行きたいと思っています。
ともに暮らしている、実の父親とも、離れてしまいたいと、切に願っていました。
この世の中は、なにをするのにも、お金がかかります。
最低限自分でしなければ、自分が壊れてしまうと思うこと、二つをこなすために、この仕事をしています。
彼女には、体の繋がりの特別さが、やはり麻痺していましたから、彼と肉体関係を持とうとは、思いませんでした。
キスはします。
彼のことが好きですから。
好きで、たまらないようで、どうしても、こらえることができない時、キスをします。
どうにかして体の中の気持ちを、彼にぶつけなければ、自分はこの熱で焼き殺されてしまうと、そう思いました。