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我が属性はTERRA  作者: 鬼明或呑
~第三章~ SOMEDAY,HERS BIND VOICE 中編 
23/52

何処だ、ライブラリ…

 何処だ、ライブラリ―。ここは、何処だ? 

「ここは千と19つ目―地龍の心臓―接触不可な、危険すぎる相手が―強制転移を―」

 駄目だ。イリスが。「イリスは何処だ!! 」―背後に敵影! 

「何―」振り向く勇者の剣の先には―歪な、その―。

 

 ~

 

 勇者の後方から迫った異形。皮膚らしきものを持たず、赤い筋肉、内臓? に、黒い筋が走り波打つ。右手には肉体と同じような戦鎚を持ち、胸部? には紅い心臓が鼓動する。

 勇者に告げる、ライブラリ、警報―。ここは地龍の心臓。奴は魔族の王。ヘルクレウスとやら。ですが、何かが、何かが、違う―そう告げるライブラリに勇者は問い返した。

「イリスは、何処だ。何処にいる―」

 同一の世界。ここから約700メートル。彼女と合流し、強制転移を―。

 強制転移。空間を越える魔術を勇者は使えるが―。

「駄目だ」何処に行くかは分からず―転移すれば、もう、還る見込みはない。勇者が守る少女の故郷、風の王宮にはたどり着けない。旅の意味がなくなる。

「―来るぞ! 」ヘルクレウスの左手に黒き光が集まり―床を蹴り、ストレイトスは少女の元に走った。

 

 ~

 

「どこなのです、ここは―? 」

 白磁の床。高く、見通せない天井。どこかの王宮の様な意匠。イリスは少し羽ばたいてみせ―飛び上がり、周囲を見渡す。遠くから騒音が聞こえる。鳥人の娘、イリスは通路から顔を出してみて―それを見つけた。

 門。

 あの黒衣の女が開いたのと同じ、空間の裂け目。

「あの先には、また別の―」世界がある。

「ここはどこ―ストレイトスはどこなの―? 」

 白磁の床。王宮のような。門の前でイリスが勇者の名を呼んだとき。爆発音が聞こえ―通路から名を呼ばれた勇者が現れ、背後から少女を抱きとめた。ヘルクレウスの左腕を剣で受け、身を翻す。

 ヘルクレウスの異形に恐怖した少女を背に、魔族の王に一振りの刀を勇者は向け―折れたハイパー・ダガーを捨て、結論に達した。―魔族の王剣。勇者が持つ、2万7000のアビリティの中、切り札としてきたもの。一閃。

 闇黒の光を勇者はまとい―背後の少女はその光に過去を思い起こされ、恐怖の声を上げた。光を解いた勇者が少女を振り返ったとき。ヘルクレウスの左腕が勇者を貫く! 剛腕は勇者と少女を背後へ吹き飛ばし、拳は止まらず背後に開いた門を貫通し、世界を越える―。


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