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武器商人は忙しい!〜現代と異世界を駆け回る貧乏高校生の武器商売奮戦記  作者: 孤高のやまびこ
第4章 決戦

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第89話 急げ創真!

 キーンコーンカーンコーン


「ああー、やっと終わったあああー!」


 4日間に渡る長い期末テストがようやく終わり、クラスの誰もが「終わったあ!」を連呼して解放感に浸るひと時。


 オレは筆記用具を引出しに仕舞うと、弁当を机に出して昼食を取り始めた。


「創真、手応えはどうだったあー?」


「もぐもぐ……まぁまぁかな」


「Cランクに入れそうか?」


「もぐもぐ……どうかなぁー?」


 慎吾にはオレの目標を話していた。さすがに慎吾と同じBランクは無理でも、Cランクにさえ入り込めば防衛大学の受験レベルに届く。決して防衛大学を狙っている訳では無いが、上を目指す為にも最低ラインは押さえておきたい。


 オレは母の手作り弁当を食べ終えると、出雲旅行の話をしようと後ろの席を向いた。すると、慎吾が深刻な顔でスマホを見ている。


「どうした慎吾?」


「創真、鹿児島が大変な事になってるぞっ!」


「な、何だってええええーっ!?」


 オレの驚いた声で、いつもの仲間が集まってくる。慎吾は皆が集まったのを確認してニュースの動画を再生した。


「全国民の皆様、緊急事態です! 遂に、桜島のゴブリンが内陸部に溢れ出てきました! レールガン2号機の試射は失敗に終わり、出席された岸本総理の安否は、電波障害で通信が途絶えてしまい行方不明です。それでは、10時30分に送られてきた最後の映像をご覧下さい」


 動画の画面が動揺するニュースキャスターの顔から、桜島口の映像に切り替わる。


『只今、時刻は午前10時30分になります。レールガン2号機の1射目は見事に成功し、ゴブリンの頭を撃ち抜きました。続いて2射目が発射されようとしています。


 第2射ヨーイ、いや待てぇーっ!


 おやっ、発射が止まってしまいましたが、何かトラブルでも起きたのでしょうか? 会場がやけにザワついている様ですが……。


 きゃあああああー、ゴ、ゴブリンッ!!


 えっ? 今、会場の後方からゴブリンと聴こえましたが、聞き間違いでしょうか?


 こちらからは、人の姿しか見えませんが……。


 ああっ! 何かが、こちらへ飛んできます。


 うわぁっ!


 ふぅ、危ない所でした。


 一体、何が飛んできたのでしょうか?


 えっ、えええっ? なっ、生首いいいーっ???


 なっ、なんで、生首が飛んで……?


 うわあああああああー! きゃあああああああー! 逃げろおおおおおおおおおー!


 ガタガタガタ……バタバタバタ……!!


 観衆がこちらへ逃げてきましたが、何かが、あ、ああっ! ゴ、ゴブリンだっ! はやく、はやく逃げろっ! きゃあああー!!


 ゴトンッ、ガタンッ、ダダダーンッ!!


 ガガガガガガガガガガガガ…………………ツーーーーーーーー』


「ここで、映像が途絶えてしまいました。この後も、現地スタッフに連絡を試みましたが、誰とも繋がっていません」


 ここで、動画が終わった。

 

 知らない内に、大勢のクラスメイトがオレ達を囲んでおり、動画が終わると誰もが互いの顔を見合わせて無言になっていた。その中には香織の姿もあり、先日の恐怖を思い出したのか青い顔をしている。


 オレは香織に近づき肩にそっと手を置いた。


「香織、大丈夫か?」


「創真君、ありがとう」


 香織はプルプルと震えており、公園での恐怖が蘇ってきた様だ。しかし、オレの頭の中は香織を気遣うと同時に桜島の事を考えている。


 やはり、オレが行くべきだったのか?

 いや、GAT隊には秘策があると師匠が言ってたし……。

 そうだ、師匠に電話をしてみよう。


 トゥルルル、トゥルルル…………。


 ダメだ繋がらない。

 桜さんは、どうだろうか?


 トゥルルル、トゥルルル、ガチャ。


「さ、桜さん、無事ですかっ?」


「おおー、創真くん! 大変な事になっちまったよおおおおおー!」


「桜さん、今どこですかっ?」


「今は車で垂水市へ向かっちょるんだ。君に言われた通り、いつでも逃げられる様に、会場から離れた所に車を停めちょたんだよ。そしたら、海からゴブリン共が襲い掛かって来てな、会場は大混乱で多くの人が殺されちまった。そこへ、自衛隊の輸送機が緊急着陸してきてな、こないだの綺麗なねーちゃんが降りて来たんだよ。そして、真っ先にゴブリンの群れの中へ突撃して行ったんだ。ワシはGAT隊に強力して、逃げて来た人達をタクシーに乗せて、垂水市の病院へ運んでいる所なんだ」


「そうですか、とりあえず無事で良かったです。それで、ゴブリンは何匹いましたか?」


「ワシの見る限りだと、200匹以上はいたと思う」


「にっ、200匹以上ですかっ?」


「ああ、それと、ステージの上に灰色がかったデカいゴブリンもいたぞ」


「分かりました。桜さん、くれぐれも気を付けて下さいね。それじゃ」


 桜さんが無事で良かった。それに、師匠達GAT隊も到着している様だ。


 それにしても200匹以上だとGAT隊50名では荷が重い。それに、デカいゴブリンって何なんだ?


「創真よ、おそらくボブゴブリンじゃ」


「ボブゴブリン?」


「ゴブリンの上位種で、魔法障壁は2じゃ。ロングソードでは苦戦するじゃろうな」


「じゃあ、すぐ応援に行かなきゃ!」


「うむ、急げ創真!」


 幸い、オレの戦闘服は異世界の和倉屋に置いてある。後はアウレの所へ風の剣を取りに行かないとだな。


「おい、創真?」


「えっ?」


「誰と話してたんだ? それにゴブリン200匹って?」


 慎吾が怪訝な顔で聞いてくる。それに、香織も心配そうにしている。


 オレは2人に事情を話した。


「2人共、桜島から200匹以上のゴブリンが出て来たらしいんだ。詳しい事は今度話すから、今は聞かないで欲しい。そしてゴメン。オレ、行かなきゃ!」


 そう言って教室から出て行こうとした時、オレは香織に呼び止められた。


「創真君、気を付けてね」


「ああ!」


 オレは教室を後にして、誰もいない校舎裏へ行くと、そこから異世界の和倉屋へ転移した。



【第89話 急げ創真! 完】

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