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武器商人は忙しい!〜現代と異世界を駆け回る貧乏高校生の武器商売奮戦記  作者: 孤高のやまびこ
第4章 決戦

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第88話 地獄絵図

 群衆を追ってきたゴブリンの先頭を斬り伏せた総子の前に、数百匹のゴブリンが雪崩を打って押し寄せてくる。


 ギギギギギュァ〜!(オトコ、皆殺し〜!)

 ギギギギギュィ〜!(オンナ、探せ〜!)


「はぁぁぁぁぁぁああああーーーっっ!」


 ヒュン、ヒュン、ヒュン!

 バシューッ、ザシューッ、ブシューッ!!


 総子の剣技の前に、頭から緑の血を吹き出して次々に崩れ落ちるゴブリン達。


 しかし、総子が女と分かると、目の色を変えて我先にと襲ってきた。


 |ギギギギギュィ〜!《あのオンナ、いただき〜!》

 |ギギギギギュィィ〜!《ヒャッハ〜、オンナ〜!》

 |ギギギギギュィィィ〜!《オンナ、オンナ、オンナ〜!》


「ゲス共めっ!」


 総子は試作日本刀を構え、3連打の突きを放つ。


 ヒュン、ヒュン、ヒュン!


 ガァァッ! ギィィッ! グゥゥーッ!!


 数百を超えるゴブリンの集団に、先陣を切って突き進む彼女の姿は、まるで北欧神話出てくる戦場のヴァルキリー。


 総子は神速の剣を自在に操り、無数のゴブリンを斬り捨てていった。


「姐さぁぁーん!」


 ようやく、部下6名が追いついてきた。しかし、ここで休む訳にはいかない。なぜなら、この先に救える人がいるかも知れないからだ。


 総子は休む間もなく声を上げる。


「止まるなああ、進めえええーっ!!」


「うおおおおおおおおおおおーっ!!」


 ガキーッ、バキーッ、ズバァァーッ!!


 再びゴブリンの群れに突入した1番隊は、斬って、斬って、斬りまくった。


 フンッ! フンッ! フゥンッ!!


 ザシュッ! ガシュッ! バシューッ!


 ガガーッ、ギギーッ、グェェェーッ!!


・・・・・


 ここまで何匹のゴブリンを斬ったのだろうか……?


 総子の全身はゴブリンの返り血で緑に染まり、その周りは足の踏み場も無い程に屍で埋め尽くされている。だが、その屍の山はゴブリンだけではなく、同じ数だけ人の死体も転がっていた。


 首が無い者、手足がちぎれている者、衣服を切り裂かれ、露わになった裸を晒し狂気の顔で息絶えている者。赤い血と緑の血が入り混じり、この場所で何が起きたのかを物語る。


 まさに、ここは地獄絵図と化していた。


「姐さぁぁーん、ご無事ですかぁー?」


 角刈りマッチョの副官マサが駆け寄ってきた。


「ああ、問題ない」


 1番隊は数百匹のゴブリンの壁を、総子の先駆けで強引に突破した。そして、ゴブリンの壁を越えた先に見たものは、ステージに並ぶ若くて美しい10人の女達。その中には、令和の歌姫アヤヤの姿もあった。


 そして、彼女らの前には司祭服を纏った一回りデカいゴブリンがおり、マイクを持って司会をしていた。


 |ギギギギギギギギギギギュァー!《レディースアンドジェントルメーン!》

 |ギギギギギギギギギュィィー!《最初のまな板ショーはこのオンナだー!》


 そう言うと、ゴブリン司祭は鋭い爪を剥き出し、その女の衣服を切り裂いていった。


 ビリビリビリーッ!


「いやぁぁぁぁぁーっ!」


 女性の叫びに呼応して、ステージ周りのデカいゴブリンが小躍りして奇声を上げる。


 |ギギギギギュィー!《そのオンナ、ヤラせろー!》

 |ギギギギギュィィー!《俺がヤル〜、俺がヤルー!》

 |ギギギギギュィィィー!《オンナ、オンナ、オンナー!》


 身を乗り出したゴブリン達が、拍子に合わせてステージを叩く。


 ギャッ、ギャッ、ギャッ!


 バンッ、バンッ、バンッ!


 まるで、何かの儀式か、はたまたコンサートか?


 大きな盛り上がりの中で、ゴブリン司祭が1匹のデカいゴブリンを指名した。


 |ギギギギギュァー!《お前一番殺した。褒美だ!》


 ゴギャアアアアアアアーーーッ!!!


 指名されたゴブリンは嬉しそうな雄叫びを上げてステージに駆け上がった。そして、自慢げに巨大マラを女の顔の前に突き出した。


「いゃぁぁぁー、やめてぇぇぇーっ!」


 ギャッ、ギャッ、ギャッ!!


 バンッ、バンッ、バンッ!!


 女の悲鳴を聞いて歓喜するゴブリン達。その中でも特に熱狂しているのが、灰緑色のデカい体をしたゴブリンの上位種ボブゴブリンであった。


 1番隊がゴブリンの壁を突破してきた事にも気付かずに、ステージに群がる魔物達は下品極まるコンサートを楽しんでいた。


 それを見た1番隊隊長の総子が、2番隊と4番隊の到着を待たずに声を荒らげる。


「ゆ、許せん。今すぐヤツらの息の根を止めるてやる。1番隊、続けええええーっ!!」


 総子の怒声と共に、1番隊がステージを眺めるゴブリン達を背後から襲った。


 ザシュッ、カ゚シュッ、バシュッ!


 ギャャー! ギェェー! グェェー!


 雑魚どもを斬り倒し、ステージに向かってくる1番隊に気付いたゴブリン司祭が、まな板ショーを始めようとするボブゴブリンに待ったをかけた。


 |ギギギギギュァー!《お前、ヤツらを止めてこい!》

 ギャ二ガギィ!(まじかよ!)


 すると、ショーを中断させられたボブゴブリンの体が、怒りで灰緑から灰赤色に変わる。そして、ステージから資材の単管を引き抜くと、1番隊に向かって飛び上がった。


 ヅガガカ゚カ゚ーンッ!


 1番隊の前に、突如舞い降りたデカマラボブゴブリンが真っ赤な顔で吠えちぎる。


 |ギギギギギュェェー!《俺の楽しみ邪魔する人間、コロース!》


「その汚い物をしまいやがれーっ! くそゴブリンがあああああーっ!!」


 デカマラボブゴブリンに呼応して、勇んで前に出て来たのは角刈りマッチョの副官マサであった。


 ズサッ……!


 ジャリッ……!


 ボブゴブリン対角刈りマッチョ。両者は武器を構えて睨み合う。


 体格は同じ、筋肉マッチョ量も同じ。違うのは武器の格。相手は資材の単管に対し、こちらは刃の付いたロングソード、一見楽勝かと思われたが……。


 ブゥゥゥゥゥーン!


 ガキィィィィィーーンッ!!


 振り回された単管をロングソードで受け止めたマサは、あまりの衝撃の強さにふっ飛ばされた。


「な、何だあ、この強さはあああーっ!?」


 ドッパァァーン! ゴロゴロゴローッ!


 GAT隊がまだ知らない、これが魔法障壁2を持つボブゴブリンの力であった。



【第88話 地獄絵図 完】

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