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武器商人は忙しい!〜現代と異世界を駆け回る貧乏高校生の武器商売奮戦記  作者: 孤高のやまびこ
第4章 決戦

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第81話 イイ女の口説き方

 秘密の会議を終えた藤堂と原田のバカ2人組はGAT宿舎の食堂に来ていた。

 そして、何やら良からぬ作戦を練っている。


「おいっ、あれってユーチューバーのミンミンじゃね?」


「まさかぁ、いや、ほ、本物だあー!」


「やべえ、俺さー大ファンなんだよなー」


「ええー、アニキもかっ?」


「だけど、なんでこんな所で夕飯を食ってんだ?」


「それよりアニキ、今行ったら握手してくれるんじゃね?」


「チッチッ、お前はまだまだ子供だな。せっかくお近づきになれるチャンスだ。友達になれば握手なんて何回でもできるんだ。更にそれ以上の仲になれば、あんな事やこんな事も……」


「そんなに上手くいくかなぁ〜?」


「ふふーん、俺が女の口説き方ってのを教えてやっから、よーく見とけよ原田!」


 食事をトレイに乗せて鼻の下を伸ばした藤堂が、ミンミンのテーブルへ近付いて行く。


 そんな藤堂に遠くから声援を送る原田。


「アニキィー、ガンバレー!」


 そろ〜りそろりと近づいて、ミンミンの向かいに立った藤堂がキザなセリフを吐いた。


「お嬢さん、ここに座ってもいいかい?」


「好きにしなっ」


 ミンミンは相手の顔も見ずに答えたが、何はともあれ第1関門を突破した藤堂の鼻息は荒い。


「ありがとよ。俺は第4小隊の隊長をやってる藤堂ってもんだ。よろしくな!」


 藤堂が胸の階級章を自慢げに見せると、ミンミンが初めて顔を上げた。


「よろしく……」


 綺麗な顔立ちだが何処か陰りがある。その理由を多摩湖事件後のブリーフィングで聞いていたはずの藤堂は、生ミンミンに会えた喜びで、すっかり舞い上がっていた。


「ところで、お嬢さんはミンミンさんじゃあないですか?」


「あぁ……」


「俺、ミンミンさんの大ファンなんです。握手してもらえませんか?」


 散々原田を子供扱いしていたくせに、同じ事を言う藤堂にミンミンが左手を差出した。


 そのまさかの反応に、原田の方を向いて、どんなもんだとVサインを掲げた藤堂は調子に乗った。


「ところで、ミンミンさんは何でここで飯を食ってるんだい?」


「今日からGAT隊に入った……」


 煙たげな表情で呟くミンミンに、鈍感な藤堂は息巻いて話を続ける。


「ええー、ほ、本当ですか? それなら、小隊長の俺に何でも聞いて下さい。GAT隊の事なら何でも知ってますんで。もし、いじめるヤツがいたら、俺がとっちめてやりますから。ミンミンさんの為なら俺、何でもします!」


 クスッ!


 まるで小学校の転校少女を守るガキ大将。あまりのバカバカしさに、ミンミンが初めて笑った。


 ミンミンの笑顔で更に調子付いた藤堂は、部隊の事や隊員の事を話す。


「GAT隊は……でね、近藤さんは……ですよ。特に、総子さんには気を付けて下さいね。武器を持つと性格が180度変わりますから!」


 アハハハ!


 遂に、ミンミンの心の扉を開く事に成功した藤堂は、よせばいいのに多摩湖の事件を蒸し返す。


「ミンミンさん、そのう、か、体はもう大丈夫なんですか?」


「あぁ、一応……」


「それは良かった。これからは何があっても俺がミンミンさんをゴブリンから守りますからね」


 ミンミンが満更でもない顔をしたのをいい事に、おバカな藤堂は口にしてはいけない事を言ってしまった。


「たとえ、ミンミンさんがゴブリンに汚されようとも、俺は……」


 バッカァァァーーーンンン!!


 ミンミンのアッパーカットが藤堂のアゴに炸裂し、彼の体は宙を舞った。


 ドンガラガッシャーン!!


 ちょうどそこへ、近藤と土方が食堂に入って来た。そして、足元に転がる藤堂を見て近藤が叫ぶ。


「いっ、一体、何が起こったんだあー!?」


 その後、事の一部始終を原田から聞いた近藤と土方は、白目をむいて倒れている自業自得の藤堂を見て、深い溜め息をついたのだった。


・・・・・


 その翌日、レールガン2号機が配備された桜島口に、今や自衛隊トップの黒原総監が一足先に現地入りし、意気揚々と指揮をとっていた。


「おいっ、明日は総理がお越しになるんだぞ。そんな貧相なテントではダメだ。もっと豪華なテントに変えなさいっ!」


「ハッ!」


「それにしても暑いなぁここは。君、スポットクーラーを増やしなさい!」


「ハッ!」


 黒原の我儘な注文に振り回され、現場を指揮する佐官達は皆うんざり。


「君、2号機へ案内しなさい!」


「ハッ!」


 レールガン2号機の側へ案内された黒原が、ある事に気付いて側に控える佐官に尋ねる。


「キミ、あのみすぼらしい神社は何だね?」


「はい、あれは桜島から移設された無名の神社です」


「あれはレールガンの射線上にあるではないか。弾丸にぶつかった破片が総理に当たったらどうするんだ。今直ぐ撤去しなさい!」


「しかし、あの神社はタタリが起こるので絶対に動かすなと地元の住民から言われておりますが……」


「タタリだとぉ? そんな迷信など知った事か。総理の身の安全が最優先だ。構わん、すぐに撤去しなさい!」


「は、はい……」


 指示を受けた佐官は、渋々命令に従い神社の解体を業者に指示した。すると、すぐに重機が動き出し神社の解体が始まった。


 ガガガガガガガガガ……、ドシャン!

 ガガガガガガガガガ……、ドシャン!

 ガガガガガガガガガ……、ドシャン!


 取り壊されていく神社を眺めて満足した黒原は、クーラーの効いた公用車のレクサスに戻り部下から報告を受ける。


「黒原総監、昨夜GAT隊に動きがありました。真壁陸佐が秘密会議をしていたそうです。ただ、会議室に仕掛けた盗聴器が外されてしまい、内容までは聞けなかったのですが、明日の試射に介入する事を企んでいると思われます」


 報告を受けた黒原はニヤリとして、部下にGAT妨害工作の指示を出した。


「GAT隊の警戒を3倍に増やせ! それから関東第1中隊に……」


 その時だった。


 グラッ、グラッ、グラッ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーッ!!!


 突然、大きな地響きが起こり、黒原を乗せた車が激しく揺れた。


「な、なんだコレはっ……!?」


 しかし、揺れは直ぐに鎮まり、安心した黒原は神社の撤去作業を続けさせた。


 まさか、自分が貴重な小結界を破壊しているとも知らぬままに……。



【第81話 イイ女の口説き方 完】

ここまで読んで頂き有難うございました。

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