表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武器商人は忙しい!?〜貧乏高校生の成り上がり英雄譚  作者: 孤高のやまびこ
第1章 ゴブリンの恐怖

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/59

第28話 打ち上げ

 ツチノコ三連星はエリンによって呆気なく倒されてしまった。残りのマモシも、いつの間にか姿を消してしまった。


 オレのパーティデビュー戦は、ここで終わりとなった。


 今日の討伐はマモシ120匹とツチノコが3匹。かなりの大戦果である。


 ギルドで換金すると、マモシが銀貨96枚、ツチノコが金貨3枚、クエストが金貨7枚、合わせて金貨19枚と銀貨6枚の大儲け!


 1人頭の報酬は金貨3枚と銀貨2枚。そして、諸経費を引いた残りの金貨1枚で打ち上げする事になった。


「キャロル、大儲けじゃないか!」


「ソーマのお陰だよ」


「これから打ち上げかい?」


「ああ、ソーマの勧誘も兼ねてね!」


 キャロルとカレンが親子の会話をしているのを横目に、オレは他のメンバーに連れられて隣の酒場へ向かった。


「あっそうそう、クエストの報酬を忘れる所だったよ。ピエールさんとこの高級ワインだ。打ち上げで飲むと良いさ」


 キャロルも高級ワインを片手に酒場へ向かった。


 初めて入る酒場。いつも遠くから見ていた酒場。みんな楽しそうに飲み食いしている様子を羨ましく思っていた。


 ついに酒場へ足を踏み入れたオレはワクワクしている。


 やがて皆が席に着いた頃、キャロルが高級ワインを持ってやって来た。


「さあーみんなぁ、宴会だよぉー! 報酬もたんまり入ったし、好きな物を頼みなっ!」


「よっしゃああー! 上等な肉と酒だあー! どんどん持ってこいやー!!」


 ディーンがウエイトレスに注文する。


「お、おれは焼き魚が欲しい!」


「私はピザが食べたい!」


 皆、凄い勢いで注文をしている。


「ソーマは何が欲しい?」


 突然、エリンが上目遣いで聞いてきた。


 ドキッ!


 オレは恥ずかしくなって壁のメニューへ視線を移すと、オレンジジュースが目に止まる。


「じゃあ、オレンジジュースで」


「ソーマ、男なら酒だろぅ! エールを持ってこーい!」


 ディーンにオレンジジュースを却下され、エールビールに強制変換されてしまった。


 オレはまだ高校生なんですけどぉー!


 テーブルの上には様々な料理が並べられ、メンバー全員の前にはギンギンに冷えたエールビールが2杯づつ置かれた。


 やがてエールと料理が揃ったのを見て、キャロルが乾杯の音頭を取る。


「それじゃあ、今日のクエスト達成にぃぃぃー乾杯!」


「カンパーイ!!」


 初めての酒場で、初めてのメンバーとの宴会が始まった。


 オレは異世界のお酒を初めて飲んでみる。


 ゴクッ、ゴクッ、ハァーッ!


 とても甘くて飲みやすい。香織の家で飲んだ苦いラガービールに比べると、オレにはエールビールが合っている様だ。


 オレはチーズたっぷりのピザを味わいながらながらエールを飲んでいく。


 すると、ちびりちびり飲んでいるオレにディーンが絡んできた。


「おいソーマ、エールの飲み方はこうするんだぁーっ!」


 ディーンは木のジョッキを口につけると一気に飲み干す。


 グビッ、グビッ、プハァァーッ!


「エールおかわりぃぃー!」


 ディーンは既に2杯とも飲み干したらしい。


「酔っぱらいは放っといて、今日はソーマがいてくれて助かったよ、ありがとう」


 左隣のキャロルにお礼を言われる。


「わ、私も、助けてくれてありがとう」


 ポッ!


 右隣のエリンにも、意味深なお礼を言われる。


「いやぁー、たまたまです。ハッハッハー」


 女性陣の感謝に照れて舞い上がり、オレはエールを一気に飲み干した。


 グビッ、グビッ、プハァーッ!


「おっ、ソーマ、いい飲みっぷりじゃないかぁ、料理も沢山あるからどんどん食べな!」


 オレだけでなく、メンバー全員が腹を空かせていたのか、料理の争奪戦が始まった。オレも負けじと料理をほおばる。


 ガツガツガツ、ムシャムシャムシャ!


 ディーンがぶたの丸焼きをガッつく!

 ロイドもぶたの丸焼きをガッつく!

 オレもぶたの丸焼きをガッつく!

 そして、エリンもぶたの丸焼きをガッついてるぅぅぅ!?


 頃合いを見て、普通に食べてたキャロルが質問をしてきた。


「ところで、ソーマは旅の途中って言ってたよね? この街にはいつまでいるんだい?」


 どう答えようか? しばらくは鋼の剣を集めなきゃいけないし……。


「お金が貯まるまで、しばらくいるつもりです」


 オレが正直に答えると、キャロルがニッコリ微笑んだ。


「そしたら、うちのパーティに入らないかい? 経験も積めるだろうし、旅立つ時まででいいからさぁー」


 オレは考えていた。スライムやアルミラージは運が良かっただけだ。数の多い魔物、レベルの高い魔物、1人での魔物討伐は、いずれ限界が来るだろう。


「タケじい、どう思う?」


「良いと思うぞ。レベルの高い魔物と戦えるし、何より剣以外の武器や魔法を間近で見る事ができる。この先はゴブリン以外の魔物も日本に出て来るかもしれんでのう」


「えっ、そうなのか?」


「必ず、槍や弓、魔法が必要になってくるじゃろう」


 オレはタケじいのアドバイスに従いパーティに入る事にした。


「キャロルさん、よろしくお願いします!」


 そう言って握手を交わすと、キャロルにその腕を引っ張られ、豊満な胸がオレの肩に当たるのも構わずに深々と肩を組まれる。


 そして、キャロルは竹のコップに注がれた高級ワインを高々と掲げると、ファームガードの皆に告げた。


「みんな、今日からソーマもパーティの仲間だ。仲良くしてやってくれ、カンパーイ!」


 それからは、飲めや騒げやで閉店まで宴会が続いた。

 

「ウップ……もうろめません」


「ソーマー、ダラしね〜ぞ、男なら酒の10杯や20杯はへ〜ひでのぺないとタメラゾー」


 ディーンの絡み酒のお陰で、オレはエールを5杯と高級ワインを飲まされて、ろれつが回らなくなっていた。


 ちなみに、高級ワインは高級な味だったそうだ。オレには分からなかったけど……。


「お客さん、もう12時、閉店だよ。さっさと出てっておくれっ!」


 オレ達は酒場を追い出され、ギルドの前で解散となった。


 今後の予定については、ギルドの伝言板でメンバーと連絡を取り合っているらしく、毎日チェックする様に言い渡された。


 皆と別れてから千鳥足で和倉屋にたどり着いたオレは、チェックインを済ませると、露天風呂に入る事なくベッドに倒れ込み、そのまま眠りに落ちていった。


【第28話 打ち上げ 完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ