表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/142

お母様と…

 私は朝早く目が覚めた。彼はまだかなり熟睡しているようで、無防備な寝顔を見せていた。この綺麗な寝顔にもだいぶ慣れてきたけれど、相変わらず見入ってしまう。私は彼を起こさないようにベッドから抜け出して、顔と歯を磨き部屋を出た。まだ、誰も起きてきてはいなかった。私はテラスに置きっぱなしになっていた空のワインボトルとグラスを眺め昨夜の事を思い出していた。楽しかったな〜!と思いながら片付けをした。台所に行って朝食の支度を始めた。今日はこの旅最後の皆で食べる朝食。張り切って日本食を作った。張り切ってとは言え、ある食材で作ったのでありふれた物しか作れなかった。だし巻き玉子に添える大根をおろしていると、お母様が起きてきた。『안녕. 빠르구나! 아직 쉬고 있어서 좋은데!(おはよう!早いのね!まだ休んでいて良いのに!)』と私に言った。私は『어머님이야말로 푹 쉬세요.아침 식사는 이미 만들었습니다.차라도 내릴게요.(お母様こそ、ゆっくり休んで下さい。朝食はもう出来てます。お茶でも淹れますね)』と緑茶を淹れてダイニングに二人で座った。私はリビングにあった翻訳機も忘れずに持ってきた。『みきさんは韓国語本当に上手になったわね』とお母様は笑顔で言った。『いいえ!簡単な言葉しかわかりませんし、話せません。なかなか、この歳になると覚えが悪くて。すぐに翻訳機を頼ってしまいます。』と答えた。実際にお母様もヒョンさんも皆さんが私に話す時は簡単な単語でわかりやすくゆっくりと話してくれていた。でも、今回は翻訳機に頼っているが…。『みきさんは、今度はいつこちらに来れるのかしら?出来れば息子さん達にもお会いしたいわ。私の孫になってくれるんだもの』と目を輝かせて言った。私は『孫と言っても、もう二人は20歳を超えてますけどね!』と笑った。『みきさんのお母様は、今は施設にいらっしゃるとか?お幾つでいらっしゃるの?』、『はい、今年80歳になりました。』と答えた。『お父様はご一緒にお暮しなの?』とお母様は聞いた。『いいえ、母を在宅介護している時はほとんど私の家にいましたが、母が施設に入所したら実家に帰って今は別々に、暮らしてします。電話はちょくちょくかけてますけど』と、笑顔で答えた。『お父様とお母様はみきさんが息子と結婚するなんて聞いたら、反対なさるかしら?』と少し心配そうな顔をされたので、あえて笑顔で答えた。『反対はしませんけど、きっと驚いて倒れちゃわないか心配です。私がまた結婚で、更に韓国の俳優さんが相手だなんて信じないかもしれないですね!』と答えた。お母様は少し安心したように『良かったわ!少し心配していたの。もし、反対されたらどうしようかって』と笑顔で言った。私は『たぶん、逆にこんな娘で良いんですか?もらって頂きありがとうございますって言いますよ』と笑って言った。すると今度は改まって『みきさん。本当に息子との結婚を決めてくれてありがとう』とお母様は頭を下げた。私は恐縮して『こちらこそ、よろしくお願いします』と頭を下げた。二人はお互いの顔を見て笑顔になった。『おはよう』と、ボーっとしながら息子が起きてきた。お母様は私に”シ〜“のポーズをして、息子に朝の挨拶をした。『おはよう!シャワー浴びてくるの?』と私が聞くと『うん。何か頭がまだボーっとしてるから目覚めてくるわ!』と息子がバスルームに向かった。私も『そろそろ、ヒョンさんを起こしてきますね』と言って寝室に向かった。そして私は“ハッ”と気が付いた。ヒョンさんは私の寝室に寝ている。息子が私の寝室に入る前に起こさなくては!と私は慌てて寝室に入った。彼はまだ気持ち良く眠っていた。『ヒョンさん!ヒョンさん!おはよう!起きて!ともが入って来るかもしれない。今バスルームに行ったから。』と身体を少し揺すった。彼はゆっくり目を開けて『좋은 아침!(おはよう!)』と言った。『일어나! 다 일어났으니까.(起きて!皆起きたから)』と言った。『OK!좋은 아침 키스를 해!(OK!おはようのキスをして!)』と笑顔で言った。私はチュッと彼の頬にキスをすると『안돼! 이쪽!(ダメ!こっち)』と唇を指差した。私はいつ息子が入ってくるかドキドキしながら彼の唇にチュッとキスをした。彼はやっと起き上がり私にハグをしてシャワールームに入って行った。私はちょっとホッとしながら台所に向かった。お味噌汁に火を入れて、中途半端に焼いていた魚に締めの火を入れた。最後にだし巻き卵を焼いて出来上がり。お母様が手作りのキムチやナムル、韓国のりなどを出してくれて結構豪華な朝食に見えた。息子とヒョンさんが食卓についたタイミングで私は皆のご飯とお味噌汁をよそい完成。皆で日本風に『いただきます』と言ってこの旅最後の家族の食事が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ