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空の上で

 私達はそれぞれ出発の準備をしてリビングに集合した。するとキムさんが私の所に来て小さな手提げ袋を差出し『みきさん。これ私からのプレゼントです。もらって下さい。今度は息子さん達も一緒にいらして下さいね!お待ちしていますね。みきさんにお会い出来て本当に良かった』と笑顔で言った。私も『本当に息子共々お世話になりました。今度はキムさんのお粥の作り方教えて下さい。私もキムさんとお会い出来て良かったです。ありがとうございました』と伝えた。息子も私の最後の”ありがとうございました“の韓国語が聞き取れたようで、『カムサハムニダ!』とキムさんに頭を下げた。それを笑顔で見ていたヒョンさんが『忘れ物はない?』と皆に言った時にちょうどタクシーが到着した。皆で順番にキムさんにハグをして、タクシーに乗り込んだ。キムさんは私達が見えなくなるまで、ずっと手を振ってくれていた。程なくして私達は空港についた。一応ヒョンさんとキムさんはキャップとマスクをしてタクシーを降りた。が、この二人がいくら変装してもオーラが違った。まず私達はチェックINを済ませてカフェに向かった。カフェに入りカウンターで注文を済ませると息子が言った。『もうバレてんじゃん?ずっと女の人達ついてきてるよ!』と私にこっそり言ってきた。私は何気なく後ろを振り向くと確かに数人の女性がこちらをチラチラ見ながら話していた。私は息子に『バレてるね!間違いない!』と伝えた。飲み物が来て私達は一番奥の端の席に座った。彼等がマスクを取ると後方で“キャ〜”と小さな歓声が上がった。私は”だよね~!こうなるよね“と思っていると案の定先程の女性達が近づいてきた。すると急に息子が立ち上がってテーブルを防ぐようなかっこをして『プライベートなんで、すいません!』日本語で言った。彼女達はキョトンとしていたので、私も立ち上がって『ごめんなさい。今日はプライベートなので。いつも応援ありがとうございます。これからも彼等の応援よろしくお願いします』と韓国語で笑顔で頭を下げた。彼女達はちょっと残念そうだったが『ごめんなさい』と言って彼等に手をふってカフェを出て行った。彼等も彼女達に笑顔で手を振った。息子はドヤ顔で席に座ると『やったぜ!』と笑顔で言った。彼等はかなり驚いていて『驚いたよ!何するのかと思った。でもありがとう!』とチェさんが笑顔で言った。そしてそれを聞いた息子が『俺が兄貴を守るから心配しないでゆっくりしてね』と意気揚々と言ったので思わず笑ってしまった。『みきもありがとう。あんなに丁寧に言われたら彼女達もきっと気を悪くする事はなかったね』とヒョンさんが言った。でも良く考えたらこの親子、変だよな〜!と私は思った。それから、私達は誰にも邪魔をされる事もなく楽しく過ごす事が出来た。程なくして搭乗時間になり飛行機に乗り込んだ。前後で二人づつ私はヒョンさんと一緒に座った。前の席には息子とチェさん。二人は翻訳機を使ってだが、かなり盛り上がっていた。シートベルトをしてからヒョンさんがひざ掛けをお願いしそっと私の膝にかけてくれた。『고마워요.(ありがとう)』と伝えると彼はひざ掛けの下で私の手を握った。私が彼をみると笑顔で私の顔を見ていた。私も笑顔で返した。飛行機が離陸し済州島が小さくなっていくのを見ながら、この島でおこった出来事を思い返していた。まず一番はプロポーズされた事だろう。こんなおばちゃんに韓流スターがプロポーズなんて、本当にファンダジーでしかない。それから、素敵な人達との出会いもあった。チェさんやダブルキムさん。本当にいい方達だ。それからなんて言っても、あの素敵な別荘。プールに落とされたけど…。全てが本当に素敵な想い出になった。そして、これからがきっと波乱の幕開けになるのではないかと感じでいた。きっと世界から大ブーイングの嵐になるだろう。私はそんなわかりもしない未来に恐怖を覚えつつも覚悟を決めていた。窓をずっと見ている私の肩にヒョンさんが顔を乗せて『どうかした?』と私に聞いた。『何もないよ!ただ、楽しかったな〜!って思ってただけよ』と窓の外を眺めながら言った。彼は『ふぅ~ん』と言って私の手を強く握りしめたので、私も強く握り返した。『ねえ。明日の午後の便だよね?私達の日本行き。何時だったっけ?』と私は彼に聞いた。『5時だよ。やめようか?』と彼は私に聞いた。『だめ!明日帰る。ヒョンさんもお仕事でしょ?私ももうお休み終わっちゃう。淋しいけどね!』と伝えると『僕も!だけどもう大丈夫!いつでも会えるしね!』と笑顔で言った。すると、突然息子とチェさんが振り向いたので私達は2人で窓の外を見ていた振りをしてヒョンさんが『どうした?』と彼等に尋ねた。チェさんが日本語で『僕の名前はチェです。よろしくお願いします。腹減った〜!』と言ってきた。隣の息子を見ると笑いをこらえているようだった。『틀린 거 아니야?(間違ってない?)』とチェさんが私に聞いた。『틀린 말은 아니지만….(間違ってはないけど…)』と言ってヒョンさんを見た。彼は笑いながら『.“腹減った”가 아니라 ”お腹がすきました“라고 말하는 편이 정중할까!(“腹減った”ではなくて、“お腹がすきました”の方が丁寧かな)』と言った。そしてチェさんが言った極めつけが『あなたはおばちゃんだ。シワだらけです』と言ったと同時に息子が椅子に隠れて大笑いした。私は『とも〜!変な日本語教えるな!』と私はイスの上からゲンコツを喰らわせた。チェさんは自分が言った事があまり良くなかったと感じたのかすぐに私に謝った。そして意味を聞いた。彼はもっと慌てて『나는 전혀 생각하지 않으니까!(俺は全然思ってないからね!)』と言った。私は逆にここまで謝られると”思ってんな!絶対“と思った。笑ってくれた方が冗談ぽくて良かったわ!と内心思った。隣をみるとヒョンさんは、大爆笑していた。息子が椅子から顔を出して『チェさん、日本語上手くなったでしょ?俺が教えたから。』とドヤ顔で言ってきたので『でしょうね!』と私は呆れ顔で言った。

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