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知らなかった想い

 私達はキムさんが用意してくれた朝食を頂いてから、出発まではゆっくりする事とした。ちなみに、私の腫れ上がった目は、いつの間にか元通りになっていて息子にツッコまれる事はなかった。今朝はとんだ取越苦労となった。

食後息子はプールで泳ぎたいとの事で、一人でプールに行った。ヒョンさん、チェさん、キムさん、私はキムさんが入れてくれたお茶を飲みながら、リビングで談笑していた。皆からすると私の韓国語もかなり上達しているとの事だった。確かに耳が慣れて来たのか聞き取りが出来るようになり、ゆっくりだが話す事も上達してきた。でも、ヒョンさんと大事なこと話しをする時は、やっぱり翻訳機か英語になってしまう。まだまだ勉強しなくてはならない。すると、ヒョンさんが『キムさん!昨日彼女から結婚のOK貰ったよ』と彼女に報告をした。『良かった。やっとですね!みきさん、ありがとう』とキムさんが私に笑顔で頭を下げた。“やっとって?”と思いながら私も彼女に会釈ををして聞いてみた。『やっとって?』と私は彼女に聞いた。彼女はヒョンさんの顔見て『言って良いのかしら?』と彼に確認してから続けた『彼ね。わざわざこちらに来て私にご両親が何処でプロポーズして指輪を作ったのか聞きにきたんですよ。半年前ぐらいかしら、プロポーズしたい人がいるからって。でも、彼女は僕の事が好きじゃないかもしれない!って。』と懐かしそうに言った。『え?仕事でこっちに来たついでじゃなかったんですか?』と私は聞いた。するとチェさんが『ちがうよ!脱走したんだよ』と笑いながら言った。『脱走?』と私が驚くとチェさんが『兄さんいきなり日本へ行かなかった?』と言った。私は暫く考えて”あ~!家出して来た時だ“とヒョンさんの顔を見た。そしてチェさんが『あの時大騒ぎになったんだから!行方不明になったって!携帯も繋がらないし!ね?兄さん』と笑いながらヒョンさんに言った。彼は申し訳なさそうに『ごめん』と呟いた。“え?あれって半年以上前じゃん!その時から決めてたんだ”と考えていた。するとキムさんが『良かったです。本当に心配してたんですよ!しばらく塞ぎ込んでいたから。でも今回みきさんにお会いして彼がここまで悩んで決心した理由がわかりました。私も好きになります』と笑顔で言った。『俺はもう好きですよ!』とチェさんが冗談なのか本気なのかわからない笑みを浮かべて私を見た。なんだか本当にありがたい。逆に何で皆がこう言ってくれるねか疑問しかなかった。キムさんが『みきさんのお子様達は、このことはご存知なんですか?』と聞いてきた。私は『彼とお付合いさせて頂いてる事は伝えてあります。でも、全く信じてなくて。たぶん友人だと思っています。結婚の事はこれから日本に帰ってから伝えようと思っています。どんな反応するか想像がつかないのでちょっと怖いです』と正直に答えた。しばらく皆黙っていたがヒョンさんが口を開いた『たぶんしばらくは別々に暮らす事になると思うけど、それは覚悟してるよ。それに僕はまだお兄ちゃん達に会った事もないしきちんと僕からもお願いするつもりなんだ』と笑顔で私の顔を見た。チェさんが『お兄ちゃん達はお幾つ?』と聞いた。『今年長男が25歳で次男が22歳。ともは16歳』と言うと『長男君は独身?』ときいたので『残念ながら独身よ。彼女はいるようだけどね。もしかしたら次男の方が早いかも』と笑いながら答えた。ヒョンさんが続けて『次男君はスポーツ選手なんだよ!』と言った。チェさんもキムさんもちょっと驚いて『え〜!凄いね!今度皆で応援に行こうよ!』とチェさんが言った。するとちょうど息子が戻って来た。チェさんが『とも!お兄ちゃんスポーツ選手なの?』と聞いた。息子は『母、チェさん何て言ったの?』と聞いてきたので通訳すると机にあった翻訳機をもってきて『そうだよ!でも、テレビで見てる時と家にいる時と全然別人だけどね!』と笑った。私も“わかるわ!”と大きく頷いた。確かにテレビでたまにインタビューなどを受けてる時は”お〜!しっかり話してるじゃん“と思うが家に帰ってくると昔から変わらず呑気にお菓子でも食べながらゲームしている息子だった。幾つになっても息子は息子だ。チェさんが私に聞いた。『息子さん達の写真ないの?』と聞いた。私は携帯の中を探してお正月に撮った写真を見せた。息子以外は興味津々で携帯を覗き込んだ。『わ〜!皆みきさんに似てますね』とキムさんが言った。私は『えー!似てますか?』と言うとヒョンさんが『皆ハンサムだ!』と笑顔で言った。息子はそのやりとりを翻訳機で聞いていてドヤ顔で『でしょ!俺が一番カッコいいけどね!』と自慢気に言った。チェさんは笑いながら『そうそう、ともが一番カッコいいぞ。俺の弟だしな!』とハイタッチした。いつから弟になったんだ?と私は似ても似つかない顔を交互に眺めて笑った。

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