おばちゃん、モテ期?
朝、目が覚めると外は昨日の嵐が嘘のような晴天になっていた。私は彼を起こさないようにバスルームに向かった。鏡を見ると案の定目は腫れ上がり、見るも無残な顔だった。私はとりあえず水で目を洗ってみたが、すぐに治る訳もなくシャワーを浴びる事にした。シャワーを浴びている最中も何か言われた時の言い訳を考えていた。きっと一番に息子がツッコんでくるのがわかってたからだ。それにしても、昨夜の事を考えると夢でも見てたかの錯覚に陥り左手の薬指を見た。そこには綺麗な指輪がはまっている。“夢じゃないんだ”と確信した。シャワーを出て髪を拭いている時にも、まだ夢の中だったのだと錯覚してしまう。身支度を整えてバスルームから出ると、彼がベッドからこちらを見ていて私の方へ腕を上げて『おはよう』と笑顔で挨拶をした。『좋은 아침. 잘 잤어?(おはよう。良く眠れた?)』と、彼の手を握った。『최고로 잘 수 있었어.(最高に眠れたよ)』と笑顔で言うと私を抱き寄せた。そして『사랑하는 사모님!저를 깨워서!(愛する奥さま!僕を起こして)』と言った。私は彼を起こそうとしたが、彼はわざと私を強く抱きしめた。『無理〜!』と私が言うと『じゃあ、こうしてよう!』と私をベッドに引きずり込んで私の身体を脚で挟んだ。『プロレスですか?』と私がツッコむと彼は『やりますか?』とニコッと笑って私の上に乗ってきた。私はすぐに『ギブ!』と訴えたが彼は私の両手を掴んだまま私の耳たぶを優しく噛んだ。『ギブ!キブ!』と私は大勢を崩そうともがいたが身動きが取れずにいた。彼は笑いながら今度は私の首筋にキスをしてそのままくちびるにキスをした。とろけるようなそのキスに、成すすべを失った。彼は暴れなくなった私を見て『かわいい!』と笑顔で私を抱きしめた。そして私のシャツに手を入れてきたので『ギブ!』と私は彼の手を掴んで彼が油断した隙に彼の上に馬乗りになって両腕を抑えた。『勝ち!』と私は彼に笑顔で言った。彼は笑いながら私の顔を見つめて『負けました』と告げた。私が彼の手を離した瞬間に彼は上半身を起こして私を抱きしめて『뭔가 이 자세가 너무 흥분돼!(何だかこの姿勢興奮するんだけど!)』と耳元で囁くと彼は激しくキスをして私の身体をグッと押し当てた。愛し合ってる二人はもう止める事は不可能だった。いい歳した二人が何を朝からやってるんだって感じだ!だけど二人共とっても幸せだった。愛し合う事に年齢は関係ないのかもしれない。結ばれた後にも彼は優しく私を包みこんでしばらく抱きしめていた。ずっとこうしていたいのは、やまやまだったが私は『今日、飛行機何時?』と聞いた。『14시(14時)』と彼が答えると私を抱きしめたまま布団を頭からかけた。『あ~ん!帰りたくないな〜!24時間こうしてたいな〜!ねえ、もう一回』と私を両脚で挟み込んできたので私は『ダメ~。皆起きてくるよ!起きるよ!』と暗い布団の中でチュッとキスをして布団から出た。私が立ち上がると彼も立ち上がり後ろから私を抱きしめて『残念!シャワー浴びてくるね!공주님!』と首すじにキスをしてバスルームに行った。“공주님?て何だろう“と私は急いで着替えて翻訳機で調べた。“お姫様”と文字が出てその翻訳された文字を見ながら思わずニヤけてしまった。私はバスルームに行き彼に『先に行ってるね〜』と伝えてベッドをサッと整え携帯を持って上に上がって行った。
リビングにはチェさんがコーヒーを飲みながら外を見ていた。”ん〜。さすが俳優さん!CMみたいだわ!“と後ろから見ていると彼が振り向いた。『みきさん、おはよう』と笑顔で挨拶をしてくれた。私も『좋은 아침!(おはよう!)』と元気に挨拶をして彼の横に行った。『오빠는? 아직 자고 있어?(兄さんは?まだ寝てるの?)』と聞いた。私は『일어나 있어. 샤워하고 있어.(起きてるよ。シャワー浴びてる)』と伝えた。チェさんは私の顔をニヤけながら覗き込んで『같이 샤워 안 할 거야?(一緒にシャワー浴びないの?)』と聞いてきた。“こいつ!なんて恥ずかしい質問するんだ!”といつも冷静な自分の耳が熱くなるのを感じて慌てて全力で否定した。彼はそんな私を笑顔で見つめ頭をクシャっと撫でて『미키상이라니, 귀엽네!좋아하게 될거야!(みきさんて、可愛いね!好きになっちゃうよ!)』と言って笑顔で外を見た。私はわざと日本語で『モテ期到来か!』と呟いた。彼は”ん?“と私の顔を見たが私も“ん?”と笑顔で返した。そして真面目な顔で外を見ながら私に聞いた。『형 좋아해?(兄さん好き?)』と。私も窓の外を見ながら『응! 너무 좋아! 근데 왜?(うん!大好き!でも何で?)』と聞くと『별로 아무것도 아니야.형 어디가 좋아, 얼굴?(別に何でもない。兄さんのどこが好き?顔?)』と私の顔を見た。私は少し考えてから『그의 전부일까!굳이 말하면 인품.어디라고 말할 수 없어.(彼の全部かな!強いて言えば人柄かな。何処って言えない)』と言った。彼は”ん〜“と笑顔で外を向くと『그런 식으로 말해줄 사람 없을까!(そんな風に言ってくれる人いないかな)』と呟いた。私は『분명히 있을 거야!괜찮아! 나는 최씨를 좋아해.(きっといるよ!大丈夫!私はチェさんの事好きよ。)』と笑顔で言った。彼が私を見ると同時に後ろからヒョンさんが私を抱きしめて『친구로서 말이야!(友達としてね!)』と笑いながら私の左手を持ち上げて『그녀는 안 돼!제 사모님이시니까!(彼女はダメ!僕の奥さまだから)』と言った。チェさんは少し驚いた表情をしたがすぐに笑顔になって『정말로? 축하해! 하지만 형보다 먼저 미키상을 만났더라면, 나에게도 기회가 있었을지도 모르는데~!아쉬워요!(本当に?おめでとう! でも、お兄さんより先にミキさんに会ったら、僕にもチャンスがあったかもしれないけど~!残念!)』と、どこまで本気かわからない事を言った。ヒョンさんはかなりご機嫌な様子で“ありがとう”と今度は彼とハグをした。私は『But I haven't told my sons yet, so keep it a secret! I'll tell them first.(でも、まだ息子達に話してないから内緒ね!私から話すから。)』と英語で話した。チェさんは私が英語を話した事に驚いて『미키씨, 영어 할 줄 알아요?(みきさん、英語話せるの?)』と聞かれたので『Just a little bit! I can speak more than Korean.(少しだけね!韓国語よりは話せる。)』と笑ってみせた。するとチェさんはヒョンさんにしがみついて『미키상 나에게 양보해~!(みきさん、僕に譲って〜!)』と泣きついた。ヒョンさんは彼の肩を両手で押さえて『안돼〜!(ダメ〜!)』と笑顔で言った。ちょうど後ろから息子が『何?何?ドラマのリハーサル?俺も混ぜて〜!』とトンチンカンな事を言ってきたので私達は思わず吹き出して笑った。




