바보
半ば半信半疑のまま数日が過ぎていた。
慌ただしさと更年期のせいなのか、あれだけ気合の入っていた韓国語の勉強もテキストを開くと睡魔が襲い10分と持たない日が続いていた。
”そうだ!早くお礼の手紙を書かなくちゃ“私はレターセットを探した
無地のの便箋しかないじゃん!封筒も茶封筒か白封筒しかないじゃん”
ここ何年も手紙を書く事も無かった為か、気の利いたレターセットなどあるはずもなかった。
”これで良いか!“白の便箋を取り出し書き始めた
書き始めてはみたものの、御礼状なんか、たかだか5行ともたない。
1行空きで書いても半分もいかない。何度か書いてみたが上手く書けないので、
“とりあえず、休憩!”それが何度か繰り返されていた。
やっとのことで日本語で感謝と恐縮と…お礼状なのか何なのかわからないが…書き上げた
“よし!次はハングル文字で書こう。頑張って書けば何とか感謝の気持ちは伝わるはずだ!”などと勝手な解釈をしながら頑張って書き始めた
❞◯◯씨에게 요 전날 선물을 주셔서 감사합니다.❝
ここまで書くのにかなり時間が経ってしまった。実はこの文が実際に合っているかも不安がある。
ハングル文字を少しは読む事は出来ても、書くとなったらはなしは別だ!まるで漢字はなんとなく読めるけど、書くのは難しいのと同じようだと思った。実際に漢字を書くのは苦手だ!
頭を抱えて眉間にシワをよせながら手紙を書いてる私を見て
『何書いてんの?顔怖いよ!』
と、息子が笑いながら手紙を覗きこんだ
『お礼状書いてるんだけど、韓国語だから難しい。合っているかもわかんないの〜』
『韓国語書けるんだ!進歩したじゃん!』
『翻訳機でね』
『何だ!ダメじゃん!俺寝るよ!朝までかかるかもね〜!頑張って!おやすみ』彼は小馬鹿にするように笑って行ってしまった
『すぐに終るよ!おやすみ!』
私は内心ムカついた!正にその通りな気がしてたから。
内容は
”◯◯さんへ
先日はプレゼントありがとうございます。私がよそ見をしていただけなのに、本当にすいませんでした
日本でのお仕事大変ですね。気苦労も多いとお察しします。私は韓国語を勉強中ですがまだ全然わかりません。この手紙も翻訳機にお願いしながら書いています。すいません。けれど、日本でのお仕事が辛くなったらお茶でも飲みに来て下さいね。韓国語は話せませんが愚痴を聞く事は出来ます。私に出来る事はそのぐらいしかありませんがもしホームシックになったら日本の家庭料理をどうぞ。お口に合うかわかりませんが。
陰ながらご活躍を応援しています
ありがとうございました やまだみき“
夜中までかかってやっと書き上げた。書き上げた満足感と半ば本当にちゃんと翻訳してあるのか半信半疑のままフッと思った。
“これ、騙されてるかもしれなかったんだ!”
急に自分が”何やってんだ!“と思い、同時に疲れがどっと襲った。
“私って、바보?“
私はそそくさと床についた