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BBQ〜!

 まずある程度の食材を食べれる状態にしてから乾杯をする事にした。私とヒョンさんは釣ったイシモチの刺し身などの魚担当を、その他のメンツは焼きとサラダなどの準備で肉担当と分担した。

私達はまず刺し身に出来そうな大きさの魚を見繕いあとは食べる分以外は冷凍にする事に決めた。さすが釣り好きなヒョンさんは、私が三枚におろせるように手早く下準備を始めた。するとそこにキムさんがやって来てアワビなどの手土産をもってきてくれた。私はアワビやカニを洗って肉担当に渡した。下ごしらえが終わりバトンタッチされた私は早速それを三枚におろし始めた。キムさんもヒョンさんもそれをジッとみていた。皮を剥ぎ、骨に沿って下ろしていく。そしてヒョンさんに鍋に水を沸かすようにお願いした。それから骨の部分はある程度の大きさに切って、先程切り落とした頭をたて半分に切り中の血合いなどを綺麗に洗い流したらそれに塩を振ってザルに入れておいた。まだ湯が沸騰しないので刺し身に取り掛った。お皿に一枚一枚丁寧に切り分けてお皿に盛った。『はい!お刺身出来上がり!』とカウンターに置いた。二人はあまりの手際の良さに驚いていた。それから私は沸騰しそうな鍋に忘れていた日本酒の代わりに焼酎を入れてアルコールを飛ばした後にザルに入れておいたアラをサッと湯通しをした。『何をやってるの?』とキムさんが聞いたので私は『明日の朝にアラ汁を作る為に下ごしらえしたんですよ!これをやっておけば明日の朝使えるんですよ。捨てるのもったいないので』と答えた。そしてその湯通ししたアラをサッと水洗いして冷蔵庫に閉まった。『はい!終了でーす!』と笑顔で言うと二人は拍手をして『すご~い!』と言った。私はついドヤ顔でピースをしてみせた。ちょうど部屋の中にいい匂いが漂って来たので私達はプールサイドに向かった。そこでは、あーでもないこーでもないと日本語と韓国語とちょっと遅れて翻訳機が話していた。実は私とヒョンさん以外は料理があまり得意ではないメンツようだった。私達を見るなりジオンさんが怒ったように『もう!皆言う事聞かない!』と私にしがみついてきた。そして息子が笑いながら『母!皆超笑える!誰一人話し聞かないから』と息子が一番冷静に見えた。聞くとお肉に塩コショウをいつ振るか?それから、焼いたお肉をいつ切るか?だそうだ。私からするとどうでも良い事で意見が別れてしまったようだ。私達魚組は思わず顔を見合わせて笑ってしまい、3人でまるで“関わりません”と言わんばかりに席について飲む為の準備を始めた。すると肉組が私達に狙いを定めて言ってきた。席順が決まっているとの事だった。全く付き合いきれない。テーブルを見るともうかなりの物が焼かれていて置ききれない程だった。ヒョンさんは『それ焼いたらとりあえず乾杯しよう!』とソジンさんとチェさをに言った。私はテーブルをみてカウンターに置いた刺し身を持ってくるのを忘れた事に気付いた。家でも良くやってしまう。残り物をレンジでチンして食べ終わった後に気付くとか…。私は慌てて上に上がって行こうとしてヒョンさんがビックリして後をついてきた。私は『刺し身忘れた〜!大丈夫よ!』と言って階段を上がろうとして彼に腕を掴まれた。『僕が行くからみきは待ってて』と言うと走って階段を上がって行った。”こんなちっぽけでどうでも良い事にまで優しいって!惚れてまうやろ〜!“と思わず一人でニヤけてしまった。テーブルに戻るといつの間にか全員分のシャンパンが用意されていて肉組が席に座っていた。そして“待ってるんですけど!”と言いたげにこちらを見ていた。私はさっきまでのドタバタはなんだったのかとつい笑ってしまった。ヒョンさんが刺し身を持って来てすぐに、ジオンさんが乾杯の音頭を取った。皆笑顔に戻っていた。食べ物もあっと言う間に無くなってきていた。特に刺し身は好評ですぐに無くなった。私はキムさんに質問した。『キムさんはなぜ日本語が上手なんですか?』するとキムさんが『あ~、私の妻が日本人でした』と答えた。”でした?“と私がちょっと考えているとキムさんが付け加えた。『5年前に病気で亡くなりました。息子が2人。二人共結婚してます。僕もうおじいさん!』と笑った。私はチェさんとヒョンさんの為に息子の翻訳機を持っていたので、全てそれで日本語の苦手な二人の為に通訳してもらった。『そうなんですね〜。ところでキムさんはお幾つですか?私と変わらないとは思っているんですけど…』と聞いて驚いた。59歳との事で全然年上だった。キムさんは今は船釣り用の船のお店のオーナーさんでボートや釣り船の販売や仲介もやっているそうだった。ヒョンさんとは釣りがきっかけで知り合ったらしかった。キムさんがチェさんに言った『 일본여자들은 상냥해.눈치도 빠르고.빨리 좋은 사람을 찾아야합니다.(日本の女性は優しいぞ。気も利くしね。早くいい人見つけなきゃ)』と笑いながら言った。そしてチェさんが私を見て『미키 씨. 나와 사귀지 않겠습니까?(みきさん。僕とお付合いしませんか?)』と聞いてきた。慌ててヒョンさんが『어이! 무슨 말이야!(おい!何言ってんだよ!)』と真面目な顔で言ったので私が笑顔で『미안해! 현씨 밖에 보이지 않기 때문에!(ごめんなさい。ヒョンさんしか見えないので!)』と答えた。“冗談に決まってんじゃ~ん!ヒョンさん!”と思いながら顔を覗き込むと笑顔が戻っていた。話を聞くとチェさんもかなりのイケメンなのだがかなり真面目な人らしかった。お付合いした人はそこそこいたそうだったのだが、結婚にまで至らなかったそうだ。理由はヒョンさんとほぼ同じ理由だった。彼は41歳でヒョンさんのひとつ下だった。彼いわく40歳の誕生日を機に結婚願望も薄れていったようだ。一人の方が楽で楽しいとの事だった。私は”イケメンで優しくて面白いなんて皆どこに目つけてんだ!もったいない!“と思いなからボーと彼を見ていた。すると横から肘で突かれたので見るとヒョンさんが私を見て言った。『반해 버렸어?(惚れちゃった?)』と聞いてきて私ははっきりと言った。『NO〜!』と。私の声の大きさに皆一瞬驚いたようだったが全員一斉に吹き出して笑った。息子が『母!どうした?酔っぱらった?』と聞いたので『何でもない!酔ってもない』とボソッと答えた。いつの間にかあたりは薄暗くなっていた。床には2本のシャンパンボトルと赤ワインのボトル2本、焼酎の小瓶が4本空になって転がっていた。

皆、どんだけ飲むんだよ!と心で言ってグラス半分ほどの赤ワインを一気に飲み干した。

さあ!今度は私が飲みますよ〜と気合を入れて白ワインのコルクを抜いた。

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