ん?夢?
リビングにもどり、A4よりちょっと大きな紙袋を覗いてみると、中には紙袋と箱が入っていた。
“あっ!お風呂入ろ!”急に現実に戻った私はソファに袋を置いたまま風呂に入った。
湯船に浸かりながら、
”あの俳優さんは誰だ?若いような若くないような?“
“じゃあ、私がぶつかったのはあの人?背がかなり高かった。中肉高身長。私よりは若く見えた。20代、アラサー、アラフォーの俳優さん?良い声してたわ!”
連想ゲームのように記憶をたどりあらゆる俳優さんを想像した。
”わからない!“ “あっ!”
急に大事な記憶がよみがえった!
“変なイントネーションの日本語!”
”外人?!わかるわけないやん!“
のぼせる手前で私は考えるのをやめた。世界に星の数ほどいる俳優さんをあてるなどまさに未知との遭遇の世界だからだ。
まっ、その後は途中だった夕食の準備を終えて小さな幸せの1つの金麦35缶と息子と他愛も無い話をしながら楽しく夕食を食べた。
”あ〜!食器洗い面倒くさい!“などと思いながら食器を洗っていると
『母!この袋何?お菓子?』
『あっ!忘れてた!いただき物。何かわかんないけどお菓子なら食べても良いよ』
『ラッキー』と、息子が一つ目の袋を開けた
『帽子やん』
『帽子?』??
もう一つの箱も開けた
『何だこれ?食べ物じゃないやん!』息子のテンションが下がった事を感じた
『え?何が入ってた?』
『良うわからん。鎖みたいなのに何か付いてるやつ』
“鎖?帽子に鎖?何か意味あるの?”
とりあえず、食器洗いを終了させる事にした
一段落した所でソファに転がっていたいただき物を再度開けた
”鎖じゃないやん!でも何だこれ?ブレスレット?いや違う。フクロウが付いてるストラップだ“箱に入っているって事はきちんとした物のようだ。
息子が母を見て
『誰からもらったの?』
なんて答えたら良いかわからなかったので、簡単に今までの流れを説明した
『俳優ってだれ?だれ?』
『わかんない!』
『わかんないの意味がわかんない。俳優さんからもらったんでしょ?』
『ん〜。そうだけどマネージャーさんから受け取ったから名前聞くの忘れた』
『でたよ〜!だから天然って言われるんだよ!笑える』
『天然じゃないし!』相変わらずムカつく。
“そうだ、何か誰かわかる手掛かりがあるかも”私はそう思い全ての袋を探した。すると、ソファの足元に小さな封筒が落ちているのを発見した
封を開けてみると、そこにはハングル文字が書かれていた
”韓国語かい!勉強してるけど読めないよ〜!ん?韓国スターか?よけい誰かわからないじゃん“
実は韓国の俳優さんは私が応援してる2人しか知らなかった。
『ね!韓国語訳せる?』と息子に聞いた
『わかるわけないじゃん。携帯で訳せば』
“あ~!携帯と言うこんな尊いものがあるのを忘れてた!”
息子に翻訳アプリを入れてもらい訳してみた
❝みきさん
こんにちは 先日は携帯を壊してしまい本当にすいませんでした 良ければ使って下さい 帽子は私のお気に入りのものです ストラップのフクロウは韓国で幸せの鳥です みきさんが幸せでありますように
◯◯ ❞
”え〜!嘘でしょ!◯◯って!えー!!
ないない!騙されてる?“
唯一好きな2人のうちの一人だった
息子に違う翻訳アプリを入れてもらい、再度訳してみたが変な訳もあったがほぼ同じ内容だった
それから、理解するのに時間がかかった。いや!これは嘘だ!
信じられない事が先に立ってしまって詐欺ではないかと不安になりとりあえず、綺麗に箱や袋に品物を入れ直した。
次の日、とりあえずどうするか考えてみた結果、お礼の手紙を書くことに決めた
その後で品物をどうするか決めようと思った