別荘
私達はビチョビチョの二人がいるので、とりあえず別荘に戻った。
キムさんがお茶とお菓子を用意してくれていた。ビチョビチョの彼等はシャワーを浴びに行っていた。私とジオンさんとソジンさんはダイニングでお茶を頂く事にした。するとソジンさんが私に『お姉さんはお兄さんとどうして知り合ったんですか?』と聞いてきた。私が話す前にジオンさんが答えた。『お兄さんの一目惚れだよ!ね?お姉さん』と笑いながら私に言った。『イヤイヤ!本当に偶然よ!道でヒョンさんにぶつかったのが初めての出会いです』と私は答えた。”え〜!“とちょっと驚いた顔をして『運命だったんですね!』とソジンさんは言った。私は首を振って『イヤイヤ!そんなんじゃないですよ!ただ、ヒョンさんが優しい方なだけで。今でもまだ不思議なんですよ!何であんなスターがこんな日本のおばちゃんに!って。』と正直に話した。それを聞いていたジオンさんが『みんなお姉さんの事が大好き。特に兄さんはずっとお姉さんの事を話してる。だから、兄さんの事ずっとお願いします。』と笑顔で言った。私は頭の中で上手く言葉が見つからなく苦笑いで返した。私は話題を変えようと思い聞いた。『ねえジオンさん、この別荘はヒョンさんが買われたの?あまりに凄くて驚いてるんだけど…』、するとジオンさんが『いいえ。元々は両親がここに住んでいたの。建て替えたのは兄さんだけどね。』と答えた。『え〜。こちらに住んでいらしたんだ。それにしても、私には全く住む世界が違って戸惑う事が多すぎて。プールがあるお家なんか日本では相当なお金持ちかテレビでしか見た事がないもの!』と話した。『日本に比べたら韓国の方が建物も安く作れますよ!』とソジンさんが言った。そしてジオンさんが『この家を建て替える時に設計したのが彼なの。彼ね、設計士なの』と言った。私は『え〜!凄いですね!』と驚いた。『お姉さんもお家建て替える時は言って下さいね』とソジンさんがまるで営業のような言葉を発したので皆で笑ってしまった。程なくして息子とヒョンさんがほぼ同時に戻ってきた。そして息子が目の前のお菓子を見るなり『わっ!うまそー!食べていい?』と言ってる間もなくお菓子を食べていた。
ヒョンさんが『저녁 식사는 어떻게 하는가?(夕食はどうする?)』と皆に聞いたのでソジンさんが息子の為に日本語で聞いてくれた。皆考えている中、空気も読まない息子が『肉食べたい!』と言った。ヒョンさんは息子が言った事を理解したらしく、笑顔で『OK!그럼 바베큐하자!(じゃあ、バーベキューしよう!)』と言った。私が息子に“バーベキューしようって”と伝えると、『カムサハムニダ〜』と嬉しそうに頭を下げたので、なんだか皆笑ってしまった。
ただ、明日は早くからヒョンさんと息子と私は釣りに行く事になっていたので私が『明日、釣りに行くから明日の夕食をバーベキューにしたら?お魚食べられるし』と提案してみた。するとヒョンさんが『맞아! 그러자. 내일 빨리. 그럼 오늘 저녁은 어떻게 하는 거야?(そうだね!そうしよう。明日早いしね。じゃあ、今日の夕食はどうする?)』と聞いた。しばらく皆考えていたがジオンさんが『내일 바베큐라면 오늘은 전복 먹으러 가자(明日バーベキューなら今日はアワビ食べに行きましょう)』と言って私と息子に『とも、明日バーベキューだから今日はアワビ食べに行こう!』と言った。私と息子は顔を見合わせて”アワビって高いやつやん!母支払えるの?”と息子が小声で言ったのが聞こえてたらしくソジンさんが笑って言った。『大丈夫ですよ。日本みたいにそこまで高額じゃないし。済州島ではアワビは有名なんですよ。』と言った。ジオンさんがそれをヒョンさんに通訳すると彼が私の両肩をグイッと掴んで『괜찮아! 왜 항상 돈을 지불하려고합니까?(大丈夫!どうしていつもお金を払おうとするの?)』と聞いた。するとソジンさんが『그것이 언니입니다! 일본의 여성은 겸손하고 사람에게 신경을 쓸 수 있고, 상냥합니다. 몰랐니?(それがお姉さんなんですよ!日本の女性は謙虚で人に気を使えるし、優しいですよ。知らなかったんですか?)』とヒョンさんに言った。すかさずジオンさんが『그럼 내가 겸손이 아니고 신경을 쓸 수 없다는 거야?(じゃあ、私が謙虚じゃなくて気を使えないって事?)』と怒り口調で言った。ソジンさんは慌てて『다르다! 너는 달라! 상냥하고 사람에게 신경을 쓸 수 있어.(違う!君は違うよ!優しいし人だし気も使えるよ)』と慌てて言ったのでヒョンさんもジオンさんも吹き出して笑った。そしてヒョンさんが私を見て日本語で言った。『미안해. 신경쓰고.(ごめんね。気を使わせて)大丈夫だよ。みきとともにはいっぱい楽しんでもらいたい。だからもう心配しないで!ありがとう』とハグをした。それを見ていた息子が『俺も!』とヒョンさんに両手を出した。皆その行動に大笑いした。ヒョンさんはともに思いっきりハグをして冗談で息子にチューをしようとして『やめて~!無理〜!』と息子が思いっきり避けてるのを見て私も吹き出して笑った。フッとダイニングテーブルをみるとキムさんも一生懸命笑いをこらえていて、更に私はおかしくなって笑った。
ジオンさんがお店を予約してくれて時間まで2時間ぐらいあったので私達は地下に降りて行った。地下に降りて2つあった扉のもう一つに入ってみると、まるでジムに来たようなマシンが置いてありビリヤード台があった。息子は案の定興奮状態でジム器具を試していた。まるで小学生が新しい公園に来て大はしゃぎしてる感じだった。私は窓を開けて外に出た。プールは綺麗に清掃されていて水辺の風が気持ち良かった。すると私の後ろにピタリとヒョンさんがくっついて来て耳元で囁いた。『一緒に泳ぐ?』。私は思いっきり首を横に振って『水着着れない』と言った。彼は笑って『裸で良いよ!』と冗談を言った。私は”勘弁して下さい〜!“と恥ずかしい想像をしてしまいよけいに恥ずかしくなった。彼は私の手を取るとプールサイドまで連れていき座るように促した。“あ~!足だけ入れるのね!”とわかったのでサンダルを脱いで二人で足だけプールに入れた。ただ笑ったのが彼はスネぐらいまで水に浸かる事が出来るのに私はくるぶしぐらいまでしか浸かる事が出来なかった。でもとても気持ちが良かった。その時だった!息子が私の背中を押した。当たり前のように私はプールに落ちてしまった。幸いな事に私はサーフィンをやっていたので泳げると言う事とそんなに深くはなかった。夏とは言えアラフィフには急に水に入る事の恐怖が息子には全くわかっていない事がムカついた。『とも〜!覚えとき!』と息子に言うとそこには大笑いしている息子と、笑いをこらえている皆の姿があった。私はこうなったら泳いでやろう!と泳ぎだした。洋服で泳ぐのはちょっと重い感じがしたがまだまだ余裕で泳ぐ事が出来た。すると、誰かが水に飛び込む音がして振り向いた。ヒョンさんだった。息子がまた押したのかと思い睨みつけると慌てて手で”違う違う“とした。そうか、たぶん私が落ちたから一緒に落ちてくれたんだと感じて、その優しさに頭の中で“惚れてまうやろー!”と叫んだ。彼も泳ぎが得意な感じでバタフライを見せてくれた。私だけかもしれないけど、男性がバタフライしているともの凄く格好良くみえてしまう。まっ、もともとかっこ良いのだけど!するとまた誰かが水に落ちる音がしたので見てみると息子だった。そしてプールサイドでジオンさんが私にGoodポーズをした。
”ジオンさんナイス!良くやってくれた“と私もGoodポーズを返した。息子は『やられた〜!マジビビった!』と言ってプールから上がりかけて今度はソジンさんな頭をコンと突かれまたプールに落ちた。『またかよ~!ドッキリみたい』と何か喜んでいるように見えて私達は皆で笑った。
そんな事をしていたらあっという間に夕食の時間が近づき皆プールから出て着替える事にした。息子は着替がもうなくなるとの事でヒョンさんから借りる事になった。私は先にシャワーを借りる事にした。自宅もそうだったが本当にホテルのシャワールームのように綺麗だった。シャワーを出てバスタオルのまま髪を乾かしているとヒョンさんが入ってきた。私は『洋服貸してもらってありがとう。風引いちゃうから早くシャワー浴びてね!』と彼に告げると後ろから抱きしめられた。身体が冷たい。私はすぐにシャワーを浴びるように彼をシャワールームに連れて行ってシャワーの詮を開けて熱いシャワーを出した。”あっ!洋服来たままだった!“と気がつき慌てて彼のTシャツを脱がせた。そして『죄송합니다. 옷을 입은 상태였습니다!(ごめんね。洋服着たままだったね)』と笑って言った。彼も笑いながら『벌써 벗을 수 없어?(もう脱がせてくれないの?)』と言った。私は『Go a head.(どうぞ)』と笑いながら言って行こうとしたが彼が私の手を引いてキスをした。私はまたびしょ濡れになってしまった。彼は私の腰をグイッと彼に密着させて言った『I want to love each other! I love you!(愛し合いたい!お願い!愛してる!)』と英語で言った。私は『I love you too. But not now! Everyone is waiting!(私も愛してる。でも今はダメ!皆待ってるから!)』と英語で答えた。何だか不思議だった。彼は韓国人。私は日本人。二人が英語で会話するのも始めてだった。彼はちょっとスネたような顔をしたので私から彼に軽くキスをして『I'm sorry』と言ってシャワールームを出た。私は急いで髪を乾かして軽く化粧をして着替えて先に上に上がった。良かった事に息子はまだ来ていなかった。“良かった〜!”と内心ホッとした。ヒョンさんと息子はほぼ同時に来た。そして私達はアワビを食べに出発した。




