それぞれ
私とヒョンさんはひとまず乾杯をした。すると隣で刺さるような視線を感じて横を見ると彼は私の方に身体を向けて笑顔で見ていた。あまり見られると飲めない〜!と思い『ん?』と笑顔で返すと『귀엽다!(かわいい)』と答えた。ん〜!嬉しいけど何が可愛いのかわからない!私はとりあえず『고마워요.(ありがとう)』と返した。彼は飲みながら私の手を掴むと『행복해요. 정말 행복해요.(幸せです。本当に幸せ)』と満面の笑顔で私に言ってくれた。私はその言葉と笑顔に耐えられずワインを一気飲みした。
ソファでは息子とジオンさんがお互いの携帯を見せ合って盛り上がっていた。私はそれを後ろから見ていた。何だか息子も楽しそうなので少し安心した。そんな私を見ていたヒョンさんが『ねえ?みきは僕といて幸せ?』と尋ねてきた。私は『すご~く幸せだよ!何で?』と聞き返した。彼は机の上に置いてあった息子の翻訳機を使って話しだした。『僕ね、みきが僕といて幸せなのかな?ってたまに不安になる。僕は特殊な仕事で韓国人で日本語も上手じゃないから、みきが僕に本当の気持ちを伝えられないんじゃないかって。不安になる時があるんだ。』と、真面目な顔で言った。私も翻訳機を使って彼に言った。『その言葉、そのままヒョンさんにお返しする!逆だよ!私は本当に年齢も年齢で、バツイチで普通の日本のおばさんで私なんかじゃヒョンさんには不釣り合いだし、私と外を歩く事だって恥ずかしい思いをさせちゃうな!っていつも思ってる。ヒョンさん凄く優しいからきっと何か言われても私には言わないでいてくれてるんじゃないかってずっと思ってるよ』と私も正直に話した。彼は私の話を聞くとグッと抱き寄せた。そして『みき!ごめんね。僕は何も言われてないし、もし何か言われても何も気にしないよ。みきと歩くの好きだしずっと抱きしめながら歩きたいぐらい愛してる。だから、変な事考えないで!ずっと変わらずに愛してるよ』と耳元で囁いた。私は最初はいつ息子が振り向くか心配だったがその言葉を聞いて彼を抱きしめずにはいられなかった。すると彼がチュッとキスをした。『고마워요(ありがとうね)』と私はそっとつぶやいた。彼はまた私のグラスにワインを足して乾杯をした。そのグラスの音で彼らが振り向いた。息子が『母〜!飲み過ぎるとダメだよ!5秒で寝るから!』と笑った。
私と彼はソファに移動した。息子が部屋からトランプを持ってきたのでトランプをする事になった。ただ韓国のトランプゲームを知らなかったのでババ抜きをやる事になった。ジオンさんは日本でやった事があったので彼女からヒョンさんに説明してもらいスタートした。こんな単純なゲームではあるがかなり盛り上がった。私は気付かなかったのだが、ジオンさんいわく、私がババを持つとすぐにわかると言われた。一瞬眉間にシワがよるらしかった。でもなぜかババはババアの所にすぐに戻ってくるのか?ことごとく負ける。その度に息子がチャチャを入れてくるのでマジムカついた!だから、息子が負けた時は思いっきり喜んであげた。今回発見したのだが、全員負けしず嫌いと言う事。なのでなかなか終わりが見えなかった!私はちょっと大人になり私が負けた時点で終了にした。超悔しかったが仕方がない。夜もだいぶ遅くなり今日はこれでお開きにする事になった。ジオンさんは一緒に住んでいる彼に電話をして迎えに来てもらった。彼はちゃんと玄関まで迎えに来た。長身でこれもまたイケメンだった。”素晴らしい〜!素敵!ヒョンさんみたいだわ“などと思っていると、彼女が『とも!明日9時に迎えに来るからね〜!みきさん、ちょっと明日とも借りるね!』と言い残し帰って行った。私は息子に『明日何か約束したの?』と聞くと、『そうそう!KPOPアイドルに会いに行ってくるわ!』とニヤニヤしていた。『じゃあ、バシッと決めて行きなよ!何があるかわからないから〜!』とわざと言ってあげた。すると『やべー!俺Tシャツと短パンしかないかも!良いか!中身が大事だからね!』と相変わらず能天気なやつだった。私達は皆で後片付けをして、途中で息子に先にお風呂に入るように言った。私と彼は台所で並んで洗い物をしていた。彼はピタッと私にくっついて食器を拭いていた。息子がシャワーに入ったのを確認して彼は私を抱きしめてそしてちょっとあついキスをしてきた。私は手が泡だらけだったのでただ棒立ちの状態でされるがままだった。
『あ~!ずっとこうしたかった!逢いたかった!』と強く抱きしめてきた。私は『ちょっと待って』と手を拭いて彼に抱きついた。『私もずっと逢いたかったよ!』とギュッと強く抱きしめた。彼は私の背中からシャツの中に手を入れてきたので、私はガシッと手を掴んで『ダメ!』と言うと彼はペロっと舌を出した。“可愛い〜!あり得ない!気絶しそう!”などと思いながら笑顔で彼を見ていた。ガタンと音がしたので私達は慌てて元の位置に戻って片付けを始めた。
息子が台所に来ると、『母。お水飲んでも大丈夫?』と聞いてきたので、ヒョンさんが冷蔵庫からペットボトルの水を渡してくれた。
『じゃあ、寝るね!明日8時には起こしてね!おやすみ!』
『おやすみ〜!』と私達は同時に言った。私達は片付けを終わらせてそれぞれシャワーを浴びて、ソファでもう少し飲む約束をして部屋に向かった。寝室は相変わらず可愛らしい!
”今回もお姫様にならせて頂きます“と寝室の写真を撮った。




