表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/142

バカ息子!

 私達は空港を出てまずヒョンさんの自宅に向かった。車の中では韓国での予定などを話したが、大半は息子がここにたどり着くまでの話しを大興奮状態で話していた。ヒョンさんはそれを楽しそうに聞いていた。

 マンションの前で停車すると、息子は口を開けてマンションを見上げて言った。『ここ?すげー!』とワクワク感が伝わってきた。私はまた彼のご家族に会える喜びと、緊張でドキドキしていた。そんな私の気持を察したのか彼は黙ったまま笑顔で私の手を握った。

 駐車場で荷物を降ろし私達はエレベーターに乗り込んだ。ちょっと困った事は彼は息子の前でも私の手を繋いでいた。私は”何か絶対言われるな〜“と思っていると案の定息子が尋ねた。『ヒョンさん!何で母と手繋いでるの?』すると『とも君も繋ぐ?』と笑顔で返した。『遠慮しときまーす!母、介護されてるみたいだよ!』と息子は笑った。“本当、一言多いわ!”と思いながらも”キモッ!“とか“エグッ!”とか言われると思っていたので意外だった。

 玄関の前でもまで行くとドキドキが止まらなかった。ドアを開けるとお母様が笑顔で立っていた。するとなぜか私のドキドキはおさまった。

『안녕하세요. 오랜만입니다.(こんにちは。お久しぶりです)』と私が言うとお母様は笑顔で挨拶してくれた。私は息子に”挨拶して“と小声で言うと『처음 뵙겠어요.토모히로 입니다.잘 부탁드려요。(はじめまして。トモヒロです。よろしくお願いします)』とちゃんと韓国語で挨拶したので、私もヒョンさんも驚いた顔で息子を見た。彼は私達が驚いているのを見て『すごいでしょ?』とドヤ顔で言った。そして私達は中にお邪魔した。

息子はあまりの広さと綺麗な部屋にキョロキョロとキョドっていた。

『ねえ、母。俺も将来スターになろうかな!』とバカな事を言って来たので『は?残念だけど母似だからね!芸人だったらイケるかもね!』と笑いながら答えてあげた。

するとお母様とヒョンさんは、私達にお茶をいれてくれた。息子はドヤ顔で『カムサハムニダ!』と笑顔で言ったのでなぜか私達は笑ってしまった。

『ねえ、とも君はお母さんと一緒の部屋が良い?』と韓国語でともに聞いてきた。すると息子は『ちょっと待って!』と慌ててカバンから翻訳機を出して『ワンモアプリーズ』となぜか英語で彼に言った。

『お母さんと一緒の部屋で良い?』と聞くと息子は元気よく『ノー!』と答えた。私は二度見して息子に聞いた。『なんで?』と。すると息子は『母、寝言うるさいから寝れないし、早起きだから早く起こされるから!』と翻訳機も使って話した。お母様もヒョンさんも笑いながら私を見たので『ノーノー!』と私まで息子の英語がうつってしまった。最悪だ〜!

こうして結局、シャワーとトイレはないけどもう一つのゲストルームを息子が使わせてもらい、私はこの前の部屋にお世話になる事となった。

『ワガママ言って本当にごめんなさい』と私はお二人に謝罪をし、息子の頭を持って二人で頭を下げた。

『とも君は何がしたい?』と笑顔で彼が息子に聞いた。息子は『釣りに行きたいのと、ヒョンさんの仕事場に言ってみたいかな!あとは…』と止まらなそうだったので私が制した。彼は『全部行こう!』と笑顔で答えてくれた。私は慌てて『イヤイヤ!迷惑かけるし大変だから大丈夫だよ!聞かなくて良いからね!』と彼に言った。その様子をお母様は笑顔で聞いていた。私はお母様に『すいません』と伝えた。お母様は机の上の息子の翻訳機に話しかけた。『トモヒロ君は夜何食べたい?』と聞いた。息子は容赦なく満面の笑顔で『焼き肉とキムチ!』と答えた。するとお母様が『よし!まかせて!』と笑顔で返した。私は息子の行動も発言も全て含めて穴があったら入りたい気持ちになった。“高校生だろ!空気読めよ!お前は小学生か!”と心の中で思いっきりツッコんだ!

ヒョンさんが『じゃあ、もう少しだけ休んだらジオンの所に行こうか』と笑顔で言った。私は彼に小声で『미안해요(ごめんなさい)』と囁いた。彼は笑顔のまま机の下で私の手を握った。

しばらくして息子が真顔で言った。

『ジオンて誰?』。その顔に私達3人は吹き出して笑った。

 私は目の前の光景があまりにも幸せ過ぎて怖くなった。それと同時にこの二人の温かさに感謝した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ