再開
私達は時間になり飛行機に乗り込んだ。夏休みとの事もあってビジネスクラスも前回よりはかなり人が乗っていた。私達は最後尾の窓際の席だった。私は息子がどんな反応をするかもの凄く楽しみだった!
息子は窓際に座りまず何をするのか見ていると、真っすぐ前を向いてただ座っていた。私が『どうした?』と尋ねると、『あのさ、さっきの入口の女の人超綺麗じゃね!それから、母絶対見ないでよ!俺等の並びにKPOPアイドルいる!ヤバい!この前テレビで見た!3人組!』と前を向いたまま言った。『どれ〜!』と私が見ようとした時に慌てて母の腕を掴んで『見ないで!後でさり気なく見て!すごくね!飛行機最高やん!』と緊張からだんだんとリラックスしてきたようで、案の定いろいろと試しだした。まずモニターのリモコンをいじり、その次にマッサージチェアのようなイスのリモコンをいじって最高角度まで倒した。するとCAさんが笑顔で立っていて『お客様。まもなく出発となりますのでリクライニングをあげて頂きシートベルトの着用をお願い致します』と笑顔で言った。三男坊は慌てて『はい!』と寝たまま返事をした。私は”親子だわ〜!“と思い吹き出してしまった。全く私の時と一緒だった。それから、程なくして飛行機は韓国へ向かい飛び立った。
途中息子はただ雲しか見えない外やイス、モニター、食事や飲み物までやたらと写真を撮っていた。私は『何でそんなに写真撮ってんの〜?』すると『だって、この先飛行機乗れるかわかんないし、皆に自慢してやんだ!』とドヤ顔で言われて笑えた。
三男坊もまだまだ空の旅を堪能したいようだったが、着陸のアナウンスが入り渋々シートベルトをしめた。すると『母!韓国近くね!』と突然言ってきたので『近いよ!隣だもん』と笑った。そして飛行機は無事に飛行場に到着した。席から通路に出ようとした時に例のアイドルらしき人達とかち合ってしまったので、彼女達に通路を譲った。笑顔で会釈をしてくれた。皆近くで見ると可愛らしい顔で私もつい笑顔になった。
私達は税関を抜けて到着ロビーの自動ドアをぬけた。するとやはりたくさんの人が立っていた。三男坊が言っていたアイドルを待っているようだった。“前回と同じだわ〜!”と圧倒されていると三男坊がヒョンさんを見つけた。『母、ヒョンさんいた!』と息子は手を振った。するとその先に笑顔で手を振る彼が立っていた。私は彼の顔を見た途端に安心感からか涙が出そうになった。
私達が近づくと彼は両手を広げて待っていたので、私達は彼に抱きついた。『いらっしゃい。会いたかったよ』と日本語で私達を歓迎してくれた。そして彼はもう一度私にハグをして耳元でそっと囁いた『만나고 싶었다.사랑해.(逢いたかった。愛してるよ)』と。私もそっと彼に『나도 보고싶었어.너무 좋아요(私も会いたかったよ。大好きよ)』と答えた。”ヤバい!息子がいたんだ“と三男坊の方を見ると彼は口を開けて別の方向を見ていた。私は彼の見る先をたどって見ると先程のアイドルの方々がこちらに歩いて来ていた。そして、ヒョンさんを見て笑顔で会釈して通り過ぎようとしていた。ヒョンさんも彼女達に笑顔で手をあげていた。そして彼女達に『그럼 수고해!(じゃあ、お疲れ)』と言うと私達に『行こう!』と言って肩を抱き寄せて歩き出した。三男坊はデレデレの顔で彼女達に手を振っていた。彼女達も私達に手を振って見送ってくれた。私は心の中で“さすがスターだわ!”と尊敬の眼差しで彼を見た。
そして駐車場に着いてキャリーケースを積み込もうとした時に突然キャリーケースから何かを取り出してから積み込んだ。相変わらずヒョンさんは助手席と後のドアを開けて私達を先に車へ乗せてくれた。
彼が乗り込んでエンジンをかけると息子が自慢気に言った。『見て!翻訳機』と小さなスマホみたいな翻訳機を見せた。私は『えっ?買ったの?』と聞くと、『買ってきた。だってヒョンさんとちゃんと話したいじゃん!』と言った。私が彼に通訳しようとしたら息子が私を制止話しだした。『ヒョンさん!さっきのアイドル知り合いなの?』と話すと続けて翻訳機が勝手に喋りだした。『うん。この前CMの撮影で一緒だったんだ。とも君好きなの?』と彼が息子に聞いた。息子は、『この前日本のテレビにでてた。好きではないけどかわいい。さっき手振ってくれてビビった!』とちょっと興奮気味に言った。『今度会った時にサインでももらっておいてあげるね』と優しい眼差しで言った。『はい!お願いします!』と速答したので私とヒョンさんは吹き出してしまった。
そして、むすがポツリと言った、
『ヒョンさん、本当にスターなんだ。』その言葉にまた笑ってしまった。




