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嵐の前の…

 あの日携帯の画面が割れてしまってから1ヶ月間が過ぎていた。

直に治すつもりだったが、バタバタと時間が過ぎてしまった感じだ。

 幸いな事に画面以外は意外と使えたので治す事の優先順位は低くなっていた。

 話は変わるが実は2週間前ぐらいからダイエットを始めた。あの大学病院の日の散歩がキッカケと言っても良いかもしれない。自分の運動不足に愕然としたからだ。

 今日は更年期の漢方薬をもらう為に平日のお休みをもらっていた。

 息子も学校、特にママ友のランチの約束もしていない。

”そうだ、近くの公園にウォーキングにチャレンジしてみよう!“

 病院から帰って来た私は、1000円札と携帯、イヤホンを付けて水筒にお茶も用意。

“準備完了”出発した。

20分ほど歩くと程なくして目的地の公園に到着した。

”平日なのに結構人がいるな“

 その公園は大きな池があり1年中季節の花が楽しめる事で、少しばかり有名だった。

 暫く池の周りを歩いていると、すごい人集りがあるのを見つけた。

“何だ?撮影か?”

近くまで行ってみたが、身長が低い私には見える訳もなく、周りの人達の話に聞き耳を立てて聞いているとドラマの撮影らしかった。

”誰か分からないが、写真を撮って息子に自慢しよう!“などと考えたが、あまりの人で前に行ける訳もなく、かろおじて頭の天辺だけしか見えなかった。

 私は一か八かバキバキに割れた携帯を天にかざす様に何枚かシャッターをきってみた。

案の定、何を撮ってるかわからないボケた写真しかなかった。唯一何かわかるのは、携帯からぶら下がっている息子からもらった小さいお守りだけがピンボケせずに写っていた。

“だよねー!撮れる訳ないやん”

と、あまりのミーハーな自分に笑ってしまった。

 その場から離れようと逆方向に歩き出した時に誰かが私の肩を叩いた。

振り返るとそこには長身の女性が立っていた。

”誰?子供の同級生のママ?若いな“

などを考えていると、その女性が笑顔で話した

『こんにちは 覚えていますか?』

ん?”ごめんなさい。だれ?“

『ごめんなさい。どちら様でしたっけ』頭でぐるぐる考えた

『以前都内でぶつかったのは覚えてますか?』

あ〜!思い出した!大学病院の近くでぶつかって携帯を拾ってくれた方だ!

『あ〜!あの時の!その説はすいませんでした!』

と、頭を下げた。彼女は私を確認してから

『今日は何かご用事でお越しですか?』

『いえいえ、近所なのでお恥ずかしながらダイエットでウォーキングしてました。でも、なんで私がわかったんですか?撮影って聞いて見たかったんですが全然見えなくて。写真も撮れませんでした。』

笑いながら話すと

『実は俳優が貴方のスマホが見えたらしくて、携帯の謝罪をしたいからと呼び止めてほしいと』

『え〜!いやいや!謝罪なんてやめて下さいと伝えて下さい。全然大丈夫ですから』

『じゃあ、お名前とご連絡先だけでも教えて下さい。私が怒られちゃうので』

『いや〜!本当に全然大丈夫なんですけどね〜』

私は彼女が怒られるのは可哀想と感じてしまい、渋々名前と住所と連絡先を教えた。

『じゃあ、私もお名前お伺いして良いですか』

『あっはい!失礼しましたこう言うものです』と、彼女は名刺をくれた

『星さんですね。マネージャーさんなんですね。大変なお仕事ですね。頑張って下さいね。それから、俳優さんにも全然気にしないで下さい。ご活躍お祈りしていますとお伝へ下さい!』私はその言葉を伝えると会釈をしてその場から離れた。

 帰り道で、

“あっ!俳優さんは誰だったんだ?聞くの忘れたわ〜!”

相変わらずアホーやなと思いながら帰宅した。

自宅に帰ったあとに再度名刺を見て見ると、”◯◯エンターテインメント 星 香織“と書いてあり裏面を見ると

英語とハングル文字が書かれていた。

まあ、最初は自分の個人情報を教えてしまった事を後悔していたが怪しい人ではなさそうなので良かったと内心安心していた。

程なくして息子が帰宅して、いつもの日常が戻っていた。

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