さよならじゃないさよなら
私達はずっと笑顔だった。お互いにわかりそうな日本語と韓国語を交えてずっとおしゃべりしながら出発ロビーに向かった。
出発ロビーの手前まで来ると、彼がおもむろに携帯を取り出して私の写真を撮った。『待って待って!ちゃんと顔作るから!』と、作っても作りようがないがちゃんと笑顔でポーズをとった。私もヒョンさんの写真を撮らせてもらった。相変わらず男前だわ〜!と感心してしまった。
すると、彼が私の携帯を指差したので、翻訳機のスイッチをいれた。彼は荷物を床に置いて私の両手を取り語りだした。
『今回は本当に迷惑かけちゃったね。ごめんね。だけど、本当に会いに来て良かった。みきも僕の事が好きだとわかったしね。ずっと不安だった。僕が行ったら嫌がるかもしれないし、好きじゃないって言われるんじゃないかって。だって、最後に別れた時に手紙くれたでしょ?そこには、もう会わないって書いてあって死ぬほど辛かったんだよ。だから少しでも気を紛らわす為にいっぱい仕事したけどだめだった。だから家出してきた。ごめんね。クリスタルのフクロウの置物は僕のベッドルームに大事に飾ってあるよ。凄く可愛くてお気に入り!』真剣な目だった。私は彼の気持ちを受け止めた『ごめんね。ありがとう。私も最後に別れた後はあまり覚えてないぐらい辛かったんだよ。決心したつもりが逆に何かポッカリあいちゃって。辛すぎてしばらくヒョンさんのドラマ見れなかった。だけど、もう大丈夫。私はヒョンさんの事が今までもこれからも大好きだから信じてね。これからまた、少しの間離れちゃうけどずっと応援してるし、韓国近いからまたすぐに会いに行ける。こんな私に会いに来てくれてありがとう。韓国語もっともっと勉強して、これ無しでわかるように頑張るね!』私は笑顔で彼に思いを伝えた。彼も穏やかな優しい笑顔で聞いてくれた。私達は本当に幸せだった。それとこの人がいれば大丈夫と言う安心感。ヒョンさんは私を抱き寄せて囁いた。『나도 계속 사랑해!내 주머니에 넣고 너를 데려가고 싶어!(僕もずっと愛してる!ポケットに入れて連れて行きたい!)』そしてチュとキスをした。私も『나도 계속 사랑해.바람피우면 싫어.(私もずっと愛してる。浮気しちゃ嫌よ)』と、ちょっと人目が気になったが笑いながらキスのお返しをした。彼は笑顔で頷いた。別に心配はしていなかった。
私は床に置かれた彼の荷物を取って彼に手渡した。私達は出発口のギリギリまで手を繋いで行った。彼は私を強く抱きしめて『갔다올게요(行ってきます)』と言ってくれたので、私も『다녀오세요(いってらっしゃい)』と言った。そしてお互い笑顔で見えなくなるまで手を振って別れた。
駐車場で一人で車に乗り込んだ時に、まだ彼の余韻があるようで少しだけ寂しくなったが全然大丈夫だった。フッと助手席を見ると小さな紙袋がちょこんと置いてあった。“ん?”と私は紙袋を取って中を見てみた。そこには、手紙と綺麗に包装された細長い箱が入っていた。
私は手紙を見た。ヒョンさんからだった。ハングル文字だったので携帯で翻訳しながら読んでみた。
”愛するみき もしこの手紙を読んでけれていたら、僕達はきっとまた会えたんだね。会える事を信じてこの手紙を書いてます。僕は君にとってはテレビの中の人で自分には不釣り合いとか思っているようだけど、僕は君と同じなんだよ。それに、僕の隣にいてほしい人は君だけしかいない。僕は君の全てを愛しています。そのままの君が好き。優しい所も面白い所も君の顔も全てが愛おしい。だから、もう二度と僕から離れようと思わないでほしい。もし、この仕事でいろいろな噂が出たりするかもしれないけど、僕には君だけだから信じてほしい。君がいつも笑顔で幸せであるようにずっと守るから。だから、僕のそばにいてほしい。愛しています。 ヒョン“と。手紙を読んで彼が不安の中でこの手紙を書いたと思うと泣けてきた。そして、彼の誠実さも十分わかった。嬉しかった。最高のラブレター。私はもう一つの箱も開けてみた。かわいいダイヤのネックレスだった。高そうで驚いた。もらって良いものかしばらく悩んだが、彼が喜んでくれる事を選択して私はネックレスをつけた。
“ありがとう。似合ってる?大事にするね”と、私はヒョンさんに語りかけた。
私はサザンをBGMに選択して駐車場をでた。次に会える日を楽しみに頑張ろうと心に誓った。
高速には言ってすぐにとびたつ飛行機が見えた。私は大きい声で言った。『ヒョンさん!愛してるよ〜!いってらっしゃい!』そして笑顔で一人カラオケを始めた。




