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愛はかつ

 私達は無事に空港についた。思いの他道路が空いていたので予定より早く到着した。

 道中車の中ではサザンが流れていた。余談だがアラフィフあるあるなのが、冬はユーミン、夏はサザン派かチューブ派の二手に分かれる。私は基本二刀流だ。ドリカムも好きだ。離婚してからは出来る限り子供達に淋しい思いをさせたくなかったので車で良く出かけた。その時のBGMは決まって90年代の曲が多かったので、特に次男は今でも好きで先輩やスポーツ関係者の方とカラオケに行くと90年代の曲でかなり盛り上がるらしい。とにかく、歌は良い!

 話しは戻るが、実は私は韓国語の歌を2曲だけ知っていたので、車中で彼に披露した。それもドヤ顔で!1曲は彼が主演のドラマの曲と、もう1曲は私が初めて見てハマったドラマの曲だ。私がいきなり彼のドラマの曲を歌い出した時はかなり驚いていて面白かった。一応ずっと前から彼のファンでそのドラマは何度も繰り返し見ていたからなんとなく覚えてしまった。内容は良く知らなかったが、愛し合う二人の素晴らしい未来の曲だと彼が教えてくれた。そのドラマにピッタリの曲だと改めて好きになった。

 すると彼が新しい歌を教えてくれると言ったのでワクワクしながら聞いていると、それは小さい子供が言葉を覚える為の歌だった。

”だよね~!まずはそこからだよね~“と思いながら彼と一緒に練習した。まるでお父さんが子供に教えてるように。ちょっと笑える光景。

 私は駐車場でしばらくその曲のレッスンを受けていた。私は一生懸命なのにもかかわらず彼はずっと半笑いだった。でも、そんな他愛もない光景がとても幸せだった。私がとりあえず最初から最後まで歌った後に言った。

『가자.(行こう)』すると今まで半笑いだった彼が言った。

『よくできました。もし、本当に行くの?』彼の日本語には、たまによくわからない“もし”がつく事があった。携帯を取り出し私は笑顔で言った。

『もし、行くよ。』と笑って続けた。『離れれるのは淋しくてヒョンさんの事が凄く愛おしいって思うけど、私達はもう、少しの間離れてても大丈夫でしょ?だから、大好きなヒョンさんを笑顔で送り出したいし、ヒョンさんも笑顔で行ってほしいな!』と言った。ヒョンさんは満面の笑顔で私を抱きしめて言った。

『ありがとう。みきの事どんどん好きになっちゃう。こんなの初めて!僕も凄く、本当に凄く愛おしい。愛してる。』と、相変わらず優しく、ちょっと恥ずかしくなるセリフをサラッと言っちゃうのが羨ましいと思った。そして彼からの愛もちゃんて受け取った。私達はちょっと長いキスをした。それは、以前の悲しいキスではなく幸せのキスだった。

 程なくして私達は出発ロビーに向かい先にチェックINをすませた。

お決まりの手を繋いだままで。

『ヒョンさん。ちょっと荷物になっちゃうけど、お母様とジオンさんにお土産を持って行ってほしいんだけど、ちょっと買い物に付き合ってもらっても良い?』と尋ねると、

『もちろん!』と彼は笑顔で答えた。私は何が良いか悩んでいたので彼に聞いた。二人共甘い物が好きらしかった。私は定番お菓子と日本の着物などで良くみられる縛り染めで出来た巾着の小物入れを2つ買って彼に渡した。彼は毎回お金を払おうとするから困る。”ヒョンさんが支払ったらヒョンさんからのお土産になるからダメ!“と私は言って断った。

それから、彼に確認してもう一つお菓子を買った。それはご迷惑をかけてしまったマネージャーさん用に。

私は彼に、『今回の事で皆さんに大変迷惑かけちゃったから、ちゃんと謝ってね。本当は私も一緒に謝りたいけど…ごめんね』と伝へた。彼は笑顔で頷くと『カフェ行こう!』と、まるで反省してないように言った。“全く〜。息子と一緒やねん”と思ったら笑ってしまった。

 私達はカフェの奥の席に座った。それも4人席でなぜか隣同士で。彼は相変わらず手を繋いだままでいた。韓国の男性とお付合いした事がなかったので彼が特別かもしれないが、日本の男性との違いに少し戸惑う事もるが嫌な戸惑いではなかった。1つは何をやるにもレディーファーストな事。ドアを開けてくれたり椅子を引いてくれたり、それを自然とやってしまう所は本当に凄いと思った。もう一つは小さな手提げカバンでも持ってくれようとする所。最後にとにかく、手を繋ぐ事。別に韓国の男性だからではないかもしれないが、私も何人かの男性とお付合いはしたがやってくれても始めだけで、毎回ずっとしてくれる男性は初めてだった。だから尊敬する。

 私は携帯を机に置いてから彼に聞いた。

『ヒョンさん。私の携帯の番号教えるね。だからヒョンさんの携帯の番号も聞いて良い?』すると、彼はハッとした表情で、『知らなかった?』とすぐに教えてくれた。日本から韓国にかける時は”+82“をつけなくてはいけない事も教えてくれた。それから、前に星さんが入れてくれた韓国版のLINEみたいなものもちゃんと送れるか確認してみた。私はとりあえずヒョンさんの家で撮ったご家族の写真を送ってみた。ちゃんと送られたのだが失敗してしまった!それはグループの場所で星さんにも送られてしまった。すると、星さんから電話がかかってきた。

『みきさん!ヒョンさんのご家族の写真送りました?』私は、『はい。ヒョンさんに送ってあげようと思ったんですが、良くわからなくて。すいません!お仕事中でしたよね?』星さんは笑っていた。

『みきさんらしい!私は北海道です。仕事ですけどね!今どこですか?』と、いつもの爽やかな感じの声にちょっと安心した。実は私も彼もいまいち携帯を使いこなせないでいた。

『今、羽田にヒョンさんを送りに来ました。ヒョンさんに代わりますね!』と、私は彼に携帯を渡した。何やら韓国語で話していたが謝罪の言葉だけは聞き取れた。しばらくして、彼から携帯を受取り星さんに聞いた。『星さん。ヒョンさん大丈夫でしょうか?また俳優さんに戻れますよね?』すると彼女は大爆笑して言った。『みきさん!ヒョンさんなめたらダメですよ!ああ見えて韓国ではかなり有名な俳優さんですよ。逆に会社が申し訳ない感じでしたよ。お休みもろくに取れてなかったみたいだったから。』私はそれを聞いて安心した。私のせいで彼の仕事が無くなっちゃったらと思うとそればかり気になっていた。そして私は星さんに個人にメッセージや写真を送るやり方を聞いて電話をきった。その際も彼は私を心配そうに見ていた。きった後に、『괜찮아?(大丈夫?)』と聞いてきたので『괜찮아』と笑顔で返した。そして彼の携帯をセットして再度写真を送ってみた。成功した。

すると彼からたくさんの写真が送られて来た。それは、1番はじめに三人で川の字で寝た時の私の寝顔の写真だった。私は急に恥ずかしくなった。『いつの間に?』と聞くと彼は満面の笑顔で『귀엽지!(かわいいでしょ)』と楽しそうだった。私はただただ穴があったら入りたい気持ちだった。

『みきに逢えなかった間、毎日この写真眺めて頑張ってたんだよ』と彼が言ったので、

『もっとまともな写真がいいな〜』と苦笑いした。でも内心はちょっと嬉しかった。すると彼が急に肩を抱き寄せて二人の写真を撮った。

『これで良い?』と彼は本当に少年みたいだった。二人で撮った写真は初めてだった。

 そろそろ出発時刻が近づいてきたので、私達はカフェを出て手を強く握りながら出発ロビーに向かった。

 私の頭の中ではなせが”愛は勝つ“のあの名曲が流れていた。しかも、リピート再生のように!

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