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浜辺

 私達は浜辺に降りた。だいぶ人が増えていた。私達は浜辺に座った。私は携帯ので時間を確認して逆算してから言った。

『あと、1時間ぐらいで行かなくちゃね』。彼は私の手を握り海を見ていた。なんとなく自分で言った言葉に寂しさを覚えた。”このまま、時間が止まっちゃえば良いのに!“と少女のような気持ちにもなった。すると彼が『時間が止まればいい!』と、まるで私の心を読んだように呟き驚いた。『そうだね』と私は彼の手を握り返した。そして彼は静かに話し始めた。

『家出してきて良かった。みきの事をたくさん知る事も出来たし、もっと大事にしたいと思ったよ。みきは僕がこの先も俳優の仕事を続けても大丈夫?もしかしたら、みきに嫌な思いとか迷惑かけちゃうかもしれない。それでも僕をずっと好きでいてくれる?そばにいてくれる?』と聞いてきた。私は『私は全然大丈夫だよ。ヒョンさんがやりたいようにやれば良い。それに、どんな事があっても私はヒョンさんの事を嫌いにならないし、ずっとファンだし、離れていても側にいるし。だから私は大丈夫よ。ありがとうね』と優しく彼に伝えた。そして携帯にぶら下がっているストラップを見せて『いつも一緒ね!』とGOODポーズをした。

『ありがとう。俳優の仕事は嫌いじゃないし、僕を愛して応援してくれてる人達もいて。だから、嘘をつかなくちゃいけない時もあるかもしれないけど、僕はみきが一番大事だし、愛してる。なかなか会えないかもしれないけど、信じてほしい。』と私を抱きしめた。私は『괜찮아! 걱정하지마!(大丈夫!心配しないで!)』と背中をポンポンとした。そして彼は私を見つめるとキスをしようとしたので『ダメ!』と手で止めたので、彼は私の手の平にキスをした。

 そして冗談で言った。『キスシーンは見ないようにするね!』と笑うと彼も笑いながら強く抱きしめた。

 私達はその後手を繋ぎながら浜辺を歩いた。心が洗われるように気持ちが晴やかだった。たぶん彼もおなじ気持ちなのだろう。横を見ると彼も爽やかな笑顔だった。私達は何も言葉を交わさなくてもどこか不思議と通じているような感覚だった。それは、家族と似たような感覚のような…。二人はずっと黙ったまま手を繋ぎ浜辺を歩き続けた。私達は途中でキッチンカーを見つけてカフェラテを買った。今回は私がちゃんと支払った。二人はラテを飲みながら幸せな時間を過ごした。二人にはとても大切な時間だったと思う。

 そして、帰りを惜しみながら私達は駐車場に向かった。

 車に戻りナビを羽田にセットした。急に現実に引き戻された。やっぱり彼も同じ気持ちだったのか、急に私を抱きしめた。ガッシリした腕に包まれるような感じは心地よくさえ思える。私も彼を抱きしめた。“前にもこんな事があったな〜”とあの時の事を思い出した。あの時は本当にせつなくて、寂しくて、愛おしくて悲しさだけしかなかった。でも、今は違っていた。離れる寂しさはあるが、また会える事の安心感と彼を信じ続ける事の自信が私を強くしていた。

 彼は私に優しいキスをしてきた。私もキスでお返しをした。彼は、

『사랑해. 언제나 사랑해!(愛してる。いつも愛してる)』と囁くと、今度はちょっと激しいキスをした。私も、

『고마워. 나도 사랑해(ありがとう。私も愛してる)』と囁いた。彼はかなりシリアスな顔で泣いてしまいそうだったが、私の言葉で笑顔になってくれた。そして私の手を優しく繋いだ

『さあ!出発!』とギアをいれようとしたが、彼はまだ私の手を繋いだままだったので、『손. 잡고 있네.(手。握ってるね)』と笑顔で言うと私の手を引き寄せチュッとキスをして離してくれた。

私達はゆっくりと着実に想い出を作っていた。

”来年は一緒に来るからね!驚かないでね!“と、私は心の中で天国にいる二人に呼びかけた。

『出発〜!』と私達は空港に向かった。


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