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観光?デート?…観光です!

 おばちゃんパワーは凄い!日本でもそうなのだか、誰とでも仲良くなれる術を知っている。私は大阪のおばちゃんではないが下町生まれ下町育ちは似たものがあるような気がした。

 私はすっかり仲良くなり、ジオンさんとも意気投合していた。ジオンさんはこれからお仕事があるそうで、私とヒョンさんはとりあえずソウルを車で見て周る事にした。

 博物館や美術館、王宮はまるで韓ドラに出てきそうな雰囲気で素晴しい。北村韓屋村は古い下町のようで不思議な感じだ。ただ、気になるのが、どこもかしこもなかなかの人がいたのだがヒョンさんは何も気にせずにずっと私の手をとって歩いていた事。私はパパラッチが気になった!

 ソウルタワーに行った時にヒョンさんが私に尋ねた

『夕食は何か食べたいものはありますか?』私は言った。

『韓国の家庭料理が食べてみたいです!』ヒョンさんは嬉しそうに言った

『良かった!本当は私の家で夕食をごちそうしたいと思ってました!』

私は笑顔でグッとのポーズをした。

 ヒョンさんは自宅、たぶんお母様に電話をかけた。途中の屋台らしきお店で“ホットク?”なる韓国で定番らしい甘いパンのようなものをごちそうになった。シナモンと黒蜜の味がした。美味しかった!

 私もだいぶ耳が韓国語に慣れてきたのか、簡単な会話なら聞き取れる感じになってきた。ヒョンさんも日本語がかなり聞き取りも会話も上手になっていて日本語で話してくれたり、韓国語もゆっくり話してくれた。素晴らしく楽しくて有意義な観光だ!相変わらずヒョンさんはレディーファーストで優しかった。

 だいぶ時間も過ぎたのでヒョンさんの家に帰る事にした。車の中で私は衝撃的な事に気付き、凍りついた!

『ヒョンさ〜ん!ホテルの予約取るの忘れた〜〜!』今頃気づいた。自分でも何でそんな大事な事を忘れていたのか不思議だった!ある意味ツアーと勘違いしていたのかもしれない!それに、年甲斐も無く舞い上がっていたのは確かだ。しくった!

『ヒョンさん!どこかホテルを今から予約したいのですが、そんなに高くないリーズナブルなホテル知ってたら教えて下さい!』あまりに焦っていて泣きそうな私の顔を見て思いっきり吹き出しそうになりながらヒョンさんは言った

『知ってますよ!タダで泊まれる所!でも教えてあげても良いんですけど僕のお願い事きいてくれますか?』”えっ?タダ?タダより高いものはなし!って言うけどな〜!“などと思ったがおばちゃんタダには弱いんです!ヒョンさんがニコニコしながら顔を覗き込んできた。

『ん~~、良いでしょう!聞くので教えて下さい!』

『やった!絶対ですからね!約束』

まるで子供のように指切りをさせられた。

『ボクノウチ』ん?ボクノウチ?良く聞き取れない。

『ん?もう一度言って下さい!』

『僕の家です』笑顔で言った。

『えっ?』“いやいや!ダメでしょう!今日は星さんいないし。いくらアラフィフおばちゃんでも一応女だし!”などと無意味な妄想をしてしまったが、ガラスに写る自分と目が合いすぐに現実に連れ戻された。”そんな事は1ミリもない!“自分の考えに恥ずかしさを覚えた。しばらく考えていると、

『みきさん?大丈夫ですか?ダメですか?』ヒョンさんは心配そうに私に聞いた。

『いや!お邪魔しても良いですか?本当にごめんなさい』私は頭を下げた。もう、1ミリもない妄想も変な期待も無意味なように思えてやめた。

『良かった!本当はそうしてもらいたくてお母さんには言ってあったんです。良かった!いっぱい飲みましょう!』本当に嬉しそうだった。

『お願いします!お世話になります!ヒョンさんて、本当に優しい人ですね。いろいろな意味で見習わなくちゃいけないですね!』私がしみじみ言うと

『今頃わかったんですか?ダメですね〜!』日本語で話した。二人で笑った。それから、帰りの車はとても楽しく過ごす事が出来た。

 家に戻ってきて、相変わらず親切に車のドアを開けてくれた。本当に親切。

エレベーターに乗り込む否や突然ハグされた。私は冷静に

『どうしました?大丈夫?』

『うん。帰らないでほしいです』

ヒョンさんが耳元で囁いた。私は

“冷静に冷静に!勘違いするな〜!友人としてだぞ!”と冷静でいようと頑張って言った

『まだ、明日までは時間あるし皆でまた楽しみましょう!朝まで飲むぞ〜!』わざとおちゃらけて言ってみた。

『そうですね!楽しみましょう!』なぜなのか二人で同時にバンザイをしたので、お互い吹き出すように大爆笑した。

 ”ヒョンさん!楽しい想い出いっぱい作りましょう〜!“

私は心からそう思った。

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