夢の中の夢?
私は二人より早く目がさめた。一瞬自分がどこにいるのか?隣にいるのがだれなのか?わからなくなった。若い男女が右と左!
”あっ!“昨夜の事を思い出した。
すっかり手は離されていた。
“あ~あ!だよね~!”私はまだ幸せそうに寝ている二人を起こさないように布団から出た。
ご飯を炊くために先にお米を研いでタイマーをつけてからお風呂に入った。朝風呂なんて何十年ぶりだった。二日酔いではないが寝不足だったので少し頭がボーっとしていた。
”たまには良いね!朝風呂!“あっついシャワーをあびた。すっきりした!
洗濯機を回して朝ご飯の準備を始めた。いつのまにか、いつもの朝のようになっていた。
いつものように味噌汁を作り日本の民宿の朝ご飯のような朝ご飯。
途中息子が起きてきて慌てて身支度をして朝ご飯を食べてバイトに行った。
『よろしく言っといて!行ってきます』
『何時まで?』
『4時まで』
『頑張って!行ってらっしゃい!』
本当にいつもの日常!玄関の”がたっ“の音で星さんが起きてきた。
『おはようございます。二日酔いみたいです。』
『シャワー浴びてきてください。少しはスッキリするから。バスタオルと歯ブラシは置いてあるから使って下さいね』
『ありがとうございます。お借りしま〜す』
なんだか自分が民宿のおばちゃんみたいで笑ってしまった。
程なくしてヒョンさんが起きてきた。
『おはようごじゃいます。』
『おはようございます。』
”やっぱり「じゃ」なんかい!”とツッコミそうになり笑ってしまった。
私は翻訳機を使いヒョンさんに言った
『二日酔いじゃないですか?』
『じぇんじぇん大丈夫です!みきさんは?』日本語で答えてくれた。
『じぇんじぇん大丈夫です!』
私も笑いながらヒョンさんのマネをして答えた。朝から二人で大笑いした。
今日はメガネをかけているけど、”ハンサムは朝からハンサムなんだな〜!朝から爽やか!“などと思って見ていると
『僕、変ですか?』とヒョンさんが不安そうな顔で言った
『全然!超〜イケメン!』とわからないと思いわざと日本語で言った
『ありがとうごじゃいます』と笑顔で言った。
“日本語わかるんかい!”とツッコミたい気持ちと、ちょっと恥ずかしくなってしまった。星さんがシャワーから出て、ヒョンさんもすぐにシャワーを浴びに行った。
『さっぱりしました!二日酔いだいぶ良くなりました!でも、途中の記憶が飛んでます。私、何かやらかしませんでしたか?』不安そうに星さんが顔を覗きこんできた
『全然大丈夫でしたよ。楽しく飲んでいつのまにかちゃんと布団で寝てましたよ』笑顔で答えた
『そうだ、5日後にヒョンさん韓国帰るんですよ。新しい韓国のドラマの撮影始まるって言ってました』
『そうなんだ~!俳優さんは大変だね!星さんも一緒?』
『いいえ!私は日本の会社なので別の撮影に入ります。ヒョンさんにはあちらのマネージャーさんがいますから。私は来日してる時だけ通訳とアシスタントにつきます。』
『星さんも大変だね!』
『あっ!ヒョンさん見送りに行きません?私は通訳なので行きますけど。みきさんはサプライズで。喜ぶと思いますよ!16時だったかな?』
『行きます、行きます!羽田?』
『良かった!羽田です。私は羽田まで同行してるので羽田で待ち合わせしましょう。』ヒョンさんがシャワーから出てきた。
『詳しい打ち合わせはLINEで!』と星さんはウインクした。私は
『ご飯食べますか?』と聞くと
『食べます!』と二人同時に言った。
先程作った朝食を温めなおして皆で食べた。翻訳機と韓国語と日本語。目の前に超イケメン韓流スター、可愛らしい女性、ただのおばちゃん。不思議だった。昨日も夢のような時間だったが、今もまた夢のような時間だった。
ヒョンさんも星さんも気に入ってくれたのか、良く食べた。白米も味噌汁もおかわりした。
”なんでこんなに食べるのに二人共痩せてるの〜!“と自分のお腹を見て、自分はおかわりをするのをやめた。
食後に二人にはコーヒーと自分は日本茶を入れてまた談笑した。
夜に打ち合わせがあるとの事で、帰りの時間になった。星さんが
『みきさん!本当に楽しかったです!実家に帰ってきたみたいでした。また私だけでも来て良いですか?』
『いつでもウエルカム!今度韓国語教えて下さいね!』と答えた。
ヒョンさんも日本語で私に言った。
『みきさん。ありがとうごじゃいます。また、来ても良いですか?』
『はい。また来て下さい。ありがとうごじゃいます』と笑顔で言った。
そして、玄関まで行くと突然ヒョンさんが振り返り私を抱きしめた。
急な事で驚いたが私も背中をポンポンした。星さんも笑顔で見つめていた。
“わぉ~!夢だわ”と思っているとヒョンさんが韓国語で何かをささやいた。
”ん?何だって?“全く聞き取れなかったが、とりあえず韓国語で
『カムサハムニダ』と答えた。
駐車場で初めて3人で写真を撮った。ヒョンさんの携帯だったので後でみんなに送ってもらう事になった。
そして道路で車が見えなくなるまで手を降った。
家に入り椅子に座って家の中をグルッと見回して思った
“私、夢の中で夢見てた?”




