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夢ならさめないで!

 寝付けない私は2人の寝息が聞こえるまでジッと月明かりに薄っすらと見える天井を見ていた。

“これって夢じゃないよね〜?”とチラッとヒョンさんを見た。目があった。寝ているものだと思っていたので、2度見してしまった。

『寝れない?』と言った後に”わからないか“私は枕元に置いてあった携帯の翻訳機を使って話した

『寝れない?大丈夫?枕替えようか?』お母さんみたいと思った。

ヒョンさんも翻訳機で話した

『寝たくない。寝ると明日になっちゃうから。淋しくなる』逆光だったが何か光った。

“泣いてる?”私は驚いた。でも思った。スターだから皆に注目されてる環境で想像もつかないプレッシャーと戦って仕事も生活もしてるんだよね!私だって泣きたくなるよね!

『ヒョンさん大丈夫?誰にも言わないからいっぱい泣いちゃいな。』私はヒョンさんの頭をなでた。何だか私ももらい泣きをしてしまった。

 すると今度はヒョンさんが微笑みながら私の頭をなでてくれた。その顔をじーっと見ているとテレビの画面越しにドラマを見ているようだった。”ドラマやん!顔ちっちゃっ!“心の声が漏れそうになった。

 おばちゃんになると不思議なもので、変な度胸と言うか黙ってられなくなると言うか…こんなドラマみたいな状況で聞いてしまった。

『ヒョンさんは結婚しないの?』突然の質問に驚いたようだったがすぐに吹き出し笑って言った

『したくない訳ではありません。相手がいません。』

『えー!嘘はだめよ。そんなにハンサムで優しくて良い人なんだから世の中の女性は黙ってないはず!』

『じゃあ、みきさんは黙ってない?』

『黙ってないよ!あと20歳若ければね!』二人は笑った。ヒョンさんは片言の日本語と翻訳機で今までの事を話してくれた。

 何人かの女性とお付合いはしたらしいが、テレビやドラマの中のヒョンさんとプライベートの違い(私はよっぽどプライベートの方が良いと思うが)でフラレる事もあったらしい。 

 それに、お金や肩書きで近寄って来る女性もいたからあまり信じられなくなったらしい。 

“ふつうの人で良かった”と思った。

『きっと素適な女性と出会えるから大丈夫よ!ファイティン!』私はあえて元気に言った。

”しー!“とヒョンさんが笑った。背中に星さんがいるの忘れてた!

『みきさんの事が大好きです』

『私もヒョンさんが大好きですよ。友達だから』

『男としては好きじゃないですか?』

『ん?どういう事?』

『みきさんは凄くやさしくて面白くて、ちっちゃくて可愛いと思うしご飯が凄く美味しくて大好きになりました。だからみきさんはどうですか?』

『ヒョンさんはテレビの中でもここにいるヒョンさんもどっちも素敵だし大好きですよ。だけど、まだどこかで遠い存在で大好きとか言ってもらうのも夢のまた夢って感じです。ありがとう』そんな事おばちゃんに聞かないでー!と思いながら話した。

『そろそろ寝ましょうか』私がきりだすと、彼は“はい”と頷いて私の手をつなぎ目を閉じた。

 ”え〜!おばちゃん夢みたいでねれないや〜ん!“と思いながらも、ちょっとドキドキしてしまった。

 しかし、突然の睡魔に勝てる訳もなく静かに瞼は閉じていった


 “夢なら冷めないでくれ〜”の言葉が頭の中で静かに消えていった

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