夢のはじまり
次の日、昨日の事はまるで夢の中の出来事だったようにいつもの日常に戻っていた。
仕事の帰り道で携帯がなった
『もしもし、星です。今大丈夫ですか?』
『大丈夫ですよ。どうしました?』
『昨日LINEした件で大丈夫な日を聞きたくて。ヒョンさん1週間後に韓国帰るんでそれまでに一緒にご飯食べたいそうで!急なのでどうかと思ったんですけど。お忙しいですよね!』
『今週はずっと仕事なんですけど、又うちで良ければ大丈夫ですよ!大した料理出来ないんですけど』
『本当ですか!』
『はい。逆にあれだけのスターが外で理由のわからないおばちゃんと一緒に食事してる所は見せられないし、何だか私も落ち着かないし。もし大丈夫なら星さんも飲んでうちに泊まってもらってもいいしね。』
『それっ、最高です!ありがとうございます。ヒョンさんに伝えてまたご連絡しますね!』
『はい。連絡待ってますね』電話は切れた。え〜!また皆で食事出来るの〜!
“最高〜!“と私は運転しながら叫んだ。
その日はあっと言う間にやってきた。ラッキーな事に次の日は休みだった。”飲むぞ〜!“
いつものように仕事帰りに買い物をすまし、夕飯にとりかかった。
リクエストがあった唐揚げを含む超ありふれた家庭料理を作った。酒屋で韓国の焼酎も買った。はっきり言うと全体的に小料理屋のような食卓となっていた。
暫くすると息子が帰ってきた。
『あれ?今日来るんじゃないの?いつものご飯じゃん。』だよね~!気の利いた料理は出来ないのよ!
『友達だから!気を遣わない事にしたの。친구(友達)よ!』
そんな話をしているとチャイムが鳴った。
玄関を開けるとそこには笑顔の2人が立っていた。
『いらっしゃい!どうぞ!』
『お邪魔します。』そしてヒョンさんに韓国語で言った
『안녕하세요!다시 만나서 기쁩니다.(こんばんは!またお会いできて嬉しいです)』ちょっと驚いたようだが日本語で、
『会いたかったです。ありがとうございます』いきなりハグされた!
内心、“やめてよ〜!そのルックスでハグされたら心臓発作でしぬわ”と無意味なドキドキを感じた。
直に息子も一緒に大宴会が始まった。星さんもヒョンさんも本当によく食べ良く飲んでいた。私も飲んだ。それから、またまたたくさん話した。ファンミーティングの笑いそうになった事とか、他愛もない話でもりあがった。携帯番号や韓国版?LINEみたいなもの(星さんに全部やってもらったのですが…)も3人で交換した。グループLINEらしきも作ってくれた。
暫くすると息子は2人に挨拶をして2階に上がって行った。
3人はソファで飲み直す事にした。良く考えると面白いトリオができた。アラサー、アラフォー、アラフィフ!芸能アシスタント、韓流スター、ふつうのおばちゃん!会話も皆酔ってる事もあり日本語と韓国語が入り交じっていた。ヒョンさんも星さんもくつろいでくれているようで嬉しかった。
『みきさん!もう恋愛とかしないんですか?』星さんが突然切り出した。みきさん?にもなっていた。
『もう良いかな〜。別に出会いもないし、くまのプーさんみたいな体型でバットで殴られたみたいな顔出しね〜!あと20歳若ければ頑張ったかもね!』私は笑顔で言った。星さんはヒョンさんに通訳した。そしたら酔ってるからなのか何も言わずにハグしてきた。”わぉ~!何?どうした?“私は言った
『괜찮습니까?(大丈夫ですか?)무슨 일이야?(どうしましたか?)』唯一覚えた韓国語である。私は韓国語で続けた。
『私達 友達 好きです 今 楽しい』残念ながら知ってる単語を並べる事しか出来なかった。彼は言った
『みきさんに会えて良かったです。本当に良かったです。大好きです』
ヒョンさんはハグをしながら日本語で言った。
『私も大好きでーす!』星さんも参戦してきた。そして私も
『幸せでーす!』皆で大笑いした。
その後も20代の友人のように、楽しい時間を過ごした。
いつの間にか星さんは畳の部屋で寝てしまった。私は明日二人がシャワーを浴びれるように準備をしてヒョンさんにもタオルと歯ブラシと息子のadidasのジャージを渡し洗い物を始めた。少ししてツンツルテンのジャージのズボンとTシャツを着たヒョンさんが立っていた。
”何を着てもカッコいいじゃん!“と思ったがズボンを見たとたんに思わず笑ってしまった。ヒョンさんもそんな私をみて笑った。
2人で交互に韓国語と日本語の発音の練習をしながら並んで洗い物をしていた。身長だけ見れば185cmと153cmとなかなかの可愛い身長差カップルみたいだ。ドキドキはしなかったが幸せな気分だった。
全て洗い終わるまで手伝ってくれた。
私『カムサハムニダ!』
ヒョンさん『違う!감사합니다!』
私『同じやん!』
まるで夫婦漫才のようで二人で大笑いした。
それから寝る事になったが、母のような気持ちになっていた私は、若い女性と若い男性を二人で寝かせてはいけないなどと理由のわからない責任感にさいなまれ、自分が真ん中な寝ることにした。
電気を消して私が
『잘자요(おやすみなさい)』と韓国語で言うと、ヒョンさんが
『おやすみなさい』と日本語で答えた
『逆だろ!』私がツッコむとまた二人で笑った。
しかし、私はなかなか寝つけなかった。




