アラフィフなめんな!
夕方のニュースで今日の事が流れた。大体予想はしていたが、ヒョンさんの携帯はしばらくの間慌ただしかった。私は“あらあら大変だ!”とまるで他人事のようにそれを見ていた。すると私の携帯が鳴った。星さんだった。私は急いで寝室に向かった『もしもし?』『星です!みきさん大丈夫ですか?今話しを聞いて驚いちゃって!』とかなり慌てた様子だった。私は『大丈夫よ!ちょっと元ヤンの血が騒いじゃって!暴れちゃった!』と笑いながら言った。『笑い事じゃないですよ!怪我したって聞きましたよ!』『相手がカッター持ってたからちょっと切っただけだよ!もう、治療も終わったし大丈夫よ!』と伝えた。『みきさんの怪我も心配だけど心は大丈夫ですか?ヒョンさんも大丈夫ですか?』と相変わらず優しい人だった。『私は心臓に毛が生えてるぐらいだから全然大丈夫だけど、彼はかなりショック受けてるみたいで…。変顔でもしようか?』と笑って言った。『変顔でも無理ですよ!』とサラッと流された。『そうだ星さんには会ってちゃんと話そうと思ってたんだけど、彼からプロポーズされてOKした。でもその後に今日の事が起きちゃったんだけどね!』と伝えると彼女は暫く黙っていて『ヒョンさんもついてないですね!たぶん今天国から地獄へ突き落とされた気持ちですよ!たぶん相当自己嫌悪に陥ってるんじゃないですか』と心配そうに言った。私は『何で?彼が悪い訳じゃないし、プロポーズした事後悔してるとか?』と聞いた。『後悔はしてないと思うけど、自分のせいで大切な人が傷ついて、更に守ってあげられなかったって気持ちでズタボロの様な気がしますよ』と彼女は言った。私ももし逆の立場だったら”申し訳ない“と思うはずだった。『そうかもしれないね。私以上に傷ついているのは確かだね。でも、私は彼の横で寄り添ってあげる事しか出来ないかな。明日か明後日日本に帰る予定だけどね。明日、領事館の人と警察に被害届出しに行かなくちゃいけないのと、彼の事務所の社長さんにも会いに行かなくちゃ行けないみたいだから明日帰れるか分からないけどね!』と言った後に思い出して付け加えた『そうだ、彼の事務所が記者会見するかもしれなくて、私と彼の関係を聞かれたら星さんの友人で彼と日本で知り合って、友人として私と息子がたまたま観光に来た事したいから、何か聞かれたら合わせてくれる?婚約者とか恋人とかは私の安全の為にとりあえず隠す事になったから。ごめんね!迷惑かけて』とお願いした。『それが良いと思います!大丈夫です。それから、彼と別れようなんて絶対に考えないで下さいね!ヒョンさんを支えてあげて下さいね!日本に帰って来たら連絡下さい。ご飯食べましょう。じゃあ、気をつけて帰国して下さいね』『星さん…ありがとう。電話もありがとう。じゃあ』と私は電話を切った。気付くと隣にヒョンさんが立っていた。『星さん?』と聞いたので私は『うん。心配して連絡くれたの。』と笑顔で言った。彼は何か言いたそうだったが黙って私を見ていた。私は『You want to talk about something, right? I want you to talk to me about anything! After all, we'll be walking together from now on, right(何か話したいんだよね?何でも話してほしいな!だって、私達はこれからずっと一緒に歩いて行くんでしょ?)』と、私は彼に言った。彼は暫くうつ向いたまま黙っていたが、口を開いた『Should I stop getting married?(結婚やめようか?)』と私に尋ねた。私は思わず“は?”と言ってしまって、わざとゆっくり続けた『Why stop? Do you think that's good, ヒョンさん?(何でやめるの?ヒョンさんはそれが良いと思う?)』と聞いた。彼は黙って下を向いた。私は彼の本当の気持ちが聞きたかった。だから、ゆっくり話す為にベッドに座らせて私も隣に座った。そして聞いた。『Did you start hating me? It's so fast, I'm starting to hate it! But if not, I'd like you to tell me why.(私の事が嫌いになった?早いね、嫌いになるの!でも、そうじゃなかったら理由を話してほしいな。)』と言った。彼は首を横に振って私を見て『There's no way I'd hate it! I love you more than yesterday. But I don't want to put Miki in any more danger(嫌いになる訳ない!昨日よりもずっと愛してる。だけど、みきをこれ以上危険なめにあわせたくないんだ。)』と彼は言った。私は彼の手を取って『That's what I thought. Is it okay to be a little angry?(そんな事だと思った。ちょっと怒って良い?)』と彼の手をギュッと強く握って言った。『Who do you think I am? From the moment I decided to marry you, I was ready! Did you think Miki was a weak person.Or should I really stop getting married?(私を誰だと思ってる?あなたと結婚するって決めた時から、覚悟は出来てるから!みきさんは弱い人だと思ってた?それとも、本当に結婚やめようか?)』とジッと彼を見た。彼は少し驚いてから慌てて『그만두고 싶지 않아.미안해!(やめたくない。ごめん)』と言った。私は『Well then, promise me. Don't think anything strange! I don't hate you over something like this, and I don't think of breaking up with you. I want you to believe me. Because I will always love you.(じゃあ、約束して。変な事は考えないで!私はこんな事であなたを嫌いにならないし、別れようなんて思わない。信じてほしい。これからもずっと愛してるから。)』ときちんと話した。彼は『약속할게.미안해 .고마워.(約束する。ごめんね。ありがとう)』と私を強く抱きしめた。そして『더 이상 화내지 마라.(もう、怒らないで)』と囁いた。私は日本語で『わかればよろしい!』と笑顔で言った。彼は改めて私の顔を見て真面目な顔で『僕と結婚してくだしゃい』と日本語で言った。私は笑いをこらえて『はい!よろしくお願いします』と頭を下げた。そして優しいキスをして寝室からリビングへ向かった。




