無事!帰宅〜!
大学病院の待合室は広い!”さあ!皆はどこかな?“と、キョロキョロしていると急に後ろから肩を掴まれた。『すいません!お名前呼んだんですが聞こえなかったようなので…』と先程の警察の方だった。“ビックリしたな〜もう!また、誰かが襲って来たのかと思ったわ〜!”と、喉から出かかった言葉を飲み込み『どうされましたか?』と聞いた。彼は走ってきたのか息が上がっていたが深呼吸をて言った『すいません!言い忘れた事があって!日本領事館へ山田さんの事件の概要をお知らせしてありますので連絡があると思います。被害届の提出などのお話があると思います。それから、ここの治療費は気にせずにお帰り頂いて大丈夫です。すいません!大事な事忘れちゃって!ありがとうございました。お元気で』と笑顔で頭を下げて行ってしまった。”領事館?わ〜!何か大事だわ!“と思っていると『母〜!』と声が聞こえた。振り向くと息子が立っていた。『あれ?ジオンさんとヒョンさんは?』と聞くと、『大変だったんだから〜!もうSNSにあの時の動画が上がってるらしくて、何人かの記者にヒョンさん見つかって今車に避難して先に自宅に戻った!母の顔はモザイクかかってたみたいよ!それで、ヒョンさんとかジオンさんの携帯もずっと鳴りだしちゃって〜!だから、ヒョンさんがこれ住所だからタクシーで戻ってって!あと、この帽子かぶって、この上着を上から着てって!』私は言われたとおりにして、息子とタクシーに乗り込んだ。『俺さ兄ちゃん達に連絡しといたよ。母は無事だから心配しないように!って言っといた。それで警察の人何だって?』と“俺やる時はやるでしょ!”みたいなドヤ顔で言った。『ありがとう!警察の人から被害届出さなくちゃいけないみたいで、領事館から連絡くるらしい!犯人の女性はまだ泣いて動揺してるみたいで、まだ動機とかわからないって。』と簡単に話した。息子は”ふ~ん“と言って私の腕を見て聞いた。『腕は大丈夫なの?』私は『6針縫った。幸いにも大きい血管の損傷はないって…。ねえ?そのSNSの動画って見た?』と聞いた。『見たよ!正に刑事ドラマの撮影みたいだった。母さグーで殴って蹴りいれてるし!母はやっぱり強かったんだね!』と笑顔で言った。“笑い事じゃないわ!”と私は息子を見た。するとすぐにマンションが見えて来たが、家の前に記者らしき人達が見えて私は少し先まで行ってもらうように伝えた。息子が『通り過ぎたけど!』と言ったので記者らしき人がいる事を伝えた。私はタクシーを止めるとちょっと待ってもらうように伝えてヒョンさんに連絡をした。『みき!괜찮아? 지금 어디 있어?(大丈夫?今どこにいるの?)』と彼はすぐに電話にでた。『집 근처인데 기자들이 있어서. 어떻게 하면 좋을까?(家の近くなんだけど、記者の人達がいて。どうしたら良い?)』と聞いた。『잠깐만 기다려봐.(ちょっと待ってて)』と言った後ジオンさんが電話を変わった。『お姉さん!大丈夫?今私の車で迎えに行くからちょっと先にセブンがあるからそこにいてくれる?』と言った。その後すぐに電話を切ってもう少し先のセブンでタクシーを降りた。5分程してジオンさんがやって来て私達に車に乗るように手招きをした。車に乗り込もうとした時に、後部座席にヒョンさんが隠れていた。『ビックリした〜』と息子が後ろの座席に乗り込もうとしたのをジオンさんが前に座るように促した。私と息子が車に乗り込むとヒョンさんが私にハグをして『미안해! 정말 미안해!(ごめんね!本当にごめんね)』と言った。私は『전혀 괜찮아!(全然大丈夫よ!)』と彼の背中をポンと叩いた。『兄さん。後にして!兄さんは隠れて、お姉さんはちょっと下を向いたまま。』とジオンさんが言った。『俺は?』と息子が聞いたので『ともは笑顔で!』とジオンさんが真面目な顔で言ったので思わず笑ってしまった。『行くよ!ともマンションの前まで来たらこれで門を開けてね!良い?』『了解!任せて』と息子は笑顔で言った。ヒョンさんは私の膝の上に頭を置いてその上からひざ掛けをかけた。マンションの前まで行くと記者の人達は車を確認するように寄って来た。私はゆっくりと開く門を上目遣いで見ながら”早く開け!“と心で叫んでいた。息子は何だか楽しそうに記者の人達に笑顔で会釈していた。門が開いて私達は中に入った。ジオンさんが門が閉じるのを確認して奥の駐車場に車を止めた。『成功!』と息子とハイタッチした。私はトントンとヒョンさんの背中を叩いて『もういいよ!』と教えた。私は彼に『大丈夫?』と聞くと彼は黙って頷いた。私達が家の中に入ると真っ先にお母様が私の所に飛んできて『괜찮아? 불쌍하게!(大丈夫?可哀想に!)』と私の背中をさすってくれた。私は『감사합니다. 괜찮습니다.(ありがとうございます。大丈夫です。)』と笑顔で伝えた。中に進むとマネージャーさんが立っていた。彼は私の前に来て『이번에는 정말 죄송합니다.(この度は誠に申し訳ございませんでした)』と深々と頭を下げた。私は『전혀 괜찮아요! 머리를 올리십시오. 엄마들이 무사하고 무엇보다입니다. 현씨도 무사하고 좋았다. 범인도 잡혔고全然(大丈夫ですよ!頭を上げて下さい。お母様達が無事で何よりです。ヒョンさんも無事で良かった。犯人も捕まったし。)』と笑顔で言った。彼はキョトンとした顔をして私を見ていたので、『あれ?ジオンさん私の韓国語間違ってた?通訳してもらって良い?』と言うとジオンさんは首を振った。『間違ってないよ!でもお姉さん無事じゃないじゃない!こんな大怪我して。ありがとう!助けてくれて』とジオンさんの目から涙が溢れた。私はジオンさんを抱きしめて『全然大丈夫!泣かないで。私、生きてるし。何でそんなに暗いの?大丈夫だから!ね!』と背中をさすった。すると私の携帯が鳴った。出ると領事館の方だった。私はこれから何をしなくてはいけないかを聞いた。それから、明日帰国予定との事も話したが、やはり被害届を提出する為に警察署に行かなくてはいけないそうだった。その前に一度領事館に行って職員の方と一緒に行くとの事で明日も帰れそうになかった。私は明日の時間等をメモして電話を切った。そしてジオンさんに話しをして、皆に通訳してもらった。何やらヒョンさん達は相談しているようだったので、私は息子に『ねえ!明日も帰れないかもしれないから、バイト先とか連絡して。母もするから』と私達はそれぞれ職場に連絡をした。会社に事情を大まかに話して暫く継続休暇でOKをもらった。で後は息子達に連絡だ。とりあえず、グループLINEで送る事にした。“そう言えば韓国からLINEをする時はWiFiに繋げるように”と星さんが言ってたのを思い出した。私はヒョンさんに『I want to connect my phone to WiFi, what should I do?(私の携帯をWiFiにつなげたいんだけど、どうしたら良い?)』と尋ねた。そして彼は私の携帯にWiFiを繋げてくれて『What to do?(どうするの?)』と言って携帯を渡してくれた。私は『I wanted to tell my brothers not to worry because my mother is fine.(お兄ちゃん達に、母は元気だから心配しないように伝えようと思って。)』と言って家族LINEに元気だからとメッセージを入れた。私は『とも、ヒョンさんにWiFi繋げてもらって!LINE送るから確認して』と電話を終えていた息子に言った。繋がったのを確認して今度はスタンプを送ってみた。”キンコーン“と息子の携帯が鳴った。OKちゃんと送れた。そして、とりあえず落ち着いた私と息子を見てマネージャーさんが話しがしたいとの事で私達は皆でダイニングに勢揃いした。その光景はまるで我が家の家族会議にそっくりだった。




