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私服警官て!

 病院では警察官が1人既に待機していて、私は直ぐに治療室に案内された。ジオンさんも通訳として一緒に行く事になった。傷は幸いにも大きい血管をかすめていたようだが、6針縫った。局所麻酔だったので縫ってる時はたいして痛みは感じなかったが、止血していたハンカチを取る際に傷口に張り付いてしまっていたのでかなり激痛だった。他に怪我と言う怪我はなく両膝と腕に幾つかの内出血と切り傷があるだけだったので痛み止めをもらい治療を終えて病院のカンファレンスルームみたいな所で事情聴取をする事になった。警察の方は制服をきていない、ドラマで言う私服警官だった。年齢では30歳位でテレビで見るようなカッコいい感じではなく、背は高いがちょっと小太りでメガネをかけていた。彼は私に名刺をくれた。そして、それまでジオンさんと韓国語を話していたが日本語で私に話しかけた。”ん?日本語話してるの?“と一瞬頭が追いつかなかったが彼は笑顔で言った。『すいません。日本語わかりますので、日本語で聴取させて下さい』とペンを胸ポケットから出した。『ジオンさん、もう大丈夫ですので外でお待ち頂いても良いですか?』と彼はジオンさんに言った。私はジオンさんに『ジオンさん、ヒョンさんに今日の飛行機キャンセルしてもらえるか聞いてもらえるかな?…あの刑事さん。私は明日日本に帰っても大丈夫ですか?』と聞いた。彼は『はい、大丈夫です。すいません。お怪我なさってるのに引き止めてしまって』と申し訳なさそうに言った。『ジオンさん、明日の何時でも良いから予約お願いします』とお願いしてジオンさんは出て行った。彼はまず私の腕を心配そうに眺め『お怪我大丈夫ですか?大変でしたね。ご旅行ですか?』と聞いてきた。私は『はい。息子と友人の所へ来ました。』とちょっと緊張気味に言った。彼はそんな私を察して『緊張しないで下さい。本当にただお話ししに来ただけなんで』と笑顔で言った。私は『日本語お上手ですね!日本の方かと錯覚するくらい』と言うと『はい。私の父は日本人です。中学までは日本にいました。生まれは韓国ですけど…。すいません、もう一度お名前から伺って良いですか?』と言った。“どおりで日本語が上手いわけだ!”と関心していた。私は名前、住所、家族構成など話した。そして彼が『あの〜、今回ご友人をご訪問との事でしたが、ジオンさんですか?あの俳優のヒョンさんとお知り合いのようでしたが?』と尋ねたので、私はちょっと考えて言った『ジオンさんはヒョンさんの妹さんで、私達はヒョンさんに会いに来てました。それでジオンさんと仲良くなって皆で買い物に来たのが今日です。』と話すと『じゃあ、ヒョンさんと山田さんはどのようなお知り合いですか?』と不思議そうな顔をしたので、一瞬本当の事を言うか迷ったが、後で嘘がバレても面倒なので正直に話す事にした『えーと、結婚の約束をしてます。お恥ずかしいですが…。嘘に聞こえますよね?実は本当で…彼に聞いてもらって下さい。まだ、一部の人間しかしりませんけど。』と下を向きながら言った。彼は『えー!そうだったんですね!でも、そうすると何で加害者の女はジオンさん達を狙ったんですかね?』とまるで独り言のように言った。私は『ん〜!もしかしたらですが、ジオンさんを彼女か何かと勘違いしたんじゃないですかね?私はどう見たって彼とは釣り合ってないし、マネージャーに間違われた事もあるんですよ!』と笑った。彼は笑いを堪えているように”んんっ“と咳払いをして質問を続けた『山田さんはどうして加害者を知っていたんですか?』と聞いた。『いやいや、知りませんよ。ただ、この前皆で済州島に行った時に彼の友人とマネージャーさんから彼女がストーカーをやっていて事務所で警察に届けを出す予定みたいな話しを聞いてました。ただ、私も彼女をちゃんと見ていなかったので、取り押さえるまでは“どこかでお会いしたかな?”程度で取り押さえてからも”たぶん彼女かな?“って感じでした』と話した。彼はずっと頷きながら聞いていた。私は『あのー、彼女の犯行の理由は何ですか?』と聞いた。彼は『まだわかってないんです。ずっと泣いているようで。実は私は別の部署で働いていて、今回日本語が話せる人間が必要との事で、急遽来ました。だいたいの事件の概要は知っていますが…。すいません』と私に謝った。私は慌てて『全然大丈夫ですよ。日本語話せる方がいて下さっただけ良かったです。勉強はしていますが、まだまだ韓国語話せないし聞き取れないんで。逆にありがとうございます』と頭を下げた。彼は『だいたいの事はわかりました。あと一つだけ聞いても良いですか?なぜすぐに逃げなかったんですか?増してや格闘するなんて、この程度の傷ですみましたが、もしかしたらもっと重大な事になっていたかもしれないのに。』と真面目な顔で聞いた。私は『わかりません。ただ、危ないと思って夢中でした。自分がどうなるかとか、怖いとか全くありませんでした。ただ……その時に彼女を制止させようとしてグーで殴って更に足払いして彼女を床に倒しちゃったんですけど、私も傷害罪みたいに逮捕されますか?』と正直に聞いてみた。彼は吹き出して笑った。私は彼が何で笑っているのか全くわからなかった。逆に自分がこんなに真面目に話して更に犯罪者になるかもしれない事にビビっているのに“笑う?”とちょっとムカついた。彼は笑いながら『すいません!犯人捕まえてくれて更に怪我までされた方から、自分も犯罪者になりますか?って聞かれたの初めてで。犯罪者になる訳ないじゃないですか?ご心配されてたんですか?』と聞かれた。私は『はい!心配でしたし人を殴ってしまって反省もしてました。』と正直に話した。彼は笑顔で『ご心配なさらないで下さい。たぶん警察から感謝状が行くと思いますよ。今日は貴重なお時間を頂戴しましてありがとうございました。動機等わかりましたらご連絡します。それから、向こうの弁護士から連絡があるかもしれませんが、殴って反省しているとか言わなくて良いですからね!全然山田さんは悪く無い訳ですから。あっ、これからはもしこのような事があっても自分の事も考えて行動して下さいね。危険ですので。人への優しさは大切ですが、自分にも優しくてあげて下さい。お話し出来て良かったです。ありがとうございました』と彼は立ち上がり頭を下げた。私も立ち上がり『こちらこそ、ありがとうございました』と頭を下げた。彼はドアを開けてくれて私は外に出て振り向いて『すいません!違う部署ってどちらですか?』と聞いた。彼は笑顔で『交通課です!』と言って私は彼に会釈をしてから、待合室に向かった。

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