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事件です!

 私達は全員で近くのショッピングセンターに出かけた。さすがソウル!平日なのに結構な人だった。まずヒョンさんと息子は洋服を見に、お母様とジオンさんと私は食品を見に二手に別れる事にした。ショッピングセンターは言うて日本とさほど変わりなく、日本で見るブランドのお店もちらほら見かけた。私達は奥にある食品売場に向かっていた。ジオンさんが途中の店で買いたい物があるとの事でお母様と二人で途中の店に入った。私は迷子になるといけないと思い店の外の少し離れた場所で待つことにした。すると、どこかで見た事があるような無いような…女性と目が合った。彼女は私と目が合うとすぐに目を反らせて携帯を見ていた。ただ、私もはっきりとは覚えておらず特にそれ以上は気にせずにまたお店の方をみていた。しばらくすると二人が出て来たので店の前に向かった。その時だった。先程の女性が向こうから二人の方へ歩いて行くのが見えた。”あれ?ジオンさんの知り合い?“と思っていると彼女が手にカッターを持っているのが見えた。“嘘でしょ!”と私はダッシュをした。彼女もジッと二人を見据えたまま小走りになった。”ヤバっ!“と私は声を出す前に彼女の腕を掴んだ。暴れている彼女を制しながら『ジオンさん!店に入って!』と言った。その瞬間に腕が熱くなった。“痛!”見ると女性の腕を掴んでる反対の腕から出血をしているのが見えた。私は昔のヤンチャだった時の血が騒いだ!『テメー!』と血だらけの手で女性を殴って脚を掛けて床に倒した。それもグーで殴っていた!でも、興奮冷めやらない私は日本語で『警察読んで下さい!』とカッターを持った手を床に叩きつけながら叫んだ。私は彼女の上に馬乗りになって両手を床に抑えつけて女性の顔をジッと見ていた。最悪な事に彼女は私にツバを吐きかけた。”最悪コイツ!“と膝で女性の脇腹に蹴りを入れた。周りにはかなりの人だかりで、それをかき分けてジオンさんが私の横に来て女性の口をハンカチで覆って『お姉さん!血が出てる!』と青い顔をした。私は『これくらい大丈夫!私この人知ってるかも!ヒョンさんのストーカーかも!』と抵抗する腕を押さえながら言った。ジオンさんは青ざめた顔で言葉が出ないようだった。するとそこに警備員さんがやってきて、女性を取り押さえてくれた。私は『ありがとう』と伝え女性から離れた。そこに、ヒョンさんと息子が人混みをかき分けて走ってきた。ヒョンさんは私を見るなり抱きしめた。私は『괜찮아! 옷이 더러워져!(大丈夫よ!服が汚れちゃう!)、とも!母のカバンがその辺にあるから探してハンカチちょうだい!早く!』と私は彼から離れた。かなり血が滴り流れていた。彼は驚いて『다쳤어! 왜!(怪我してる!何で!)』とかなり同様していた。息子がハンカチを渡してくれたので、すぐに傷口にまいて息子に強く縛るように言った。程なくして警察が駆けつけた。そして救急隊もやってきた。警察に事情を話す為に私は近くで震えながらお母様と抱き合ってるジオンさんの所に行った。私は彼女の背中をさすりながら、私は大丈夫だからと落ち着くようになだめた。そして彼女が落ち着いてきたのを見計らって通訳をお願いした。まず救急隊の方がなかなか血が止まらない腕を見て、ハンカチのまま救急車に乗るように言われたが、息子以外の3人がかなり動揺していたので、警察と話しをしてからすぐに病院に行くと伝えた。救急隊員の方はちょっと困惑していたが、血もだいぶ止まってきていたので1時間以内には病院に行く約束をしてガーゼで上から直接止血をするよう言われ別れた。私は警察の方に彼女を止めに入る前から警備員さんに引き渡すまでを細かく話した。そしてヒョンさんも手錠を掛けられた女性の顔を確認してストーカーである事を話した。ただ、事情聴取をきちんとしなくてはいけないとの事で、警察に後で行かなくてはいけなくなってしまった。警察や救急隊が来た事で更に人だかりは増えていた。それにプラスして人気俳優のヒョンさんがいるとなれば、たぶん夜のニュースになるだろう。周りで見ていた人達が私に『大丈夫?』と心配してくれる人達もいた。私は『大丈夫です!ありがとうございます』と答えた。ヒョンさんの顔も血の気が引いたようになっていたので、私は彼の背中をさすって『大丈夫?私は大丈夫よ。』と笑顔で言った。すると彼は『ごめん!本当にごめんなさい』と私を見て涙が溢れそうだった。私は慌てて小声で『大丈夫だから、泣いちゃだめ。皆、スマホで撮ってる。だから、普通にしてて!』と伝えた。そこに息子がやって来た。『母!ヤバいね!切られたの?ビビったわ!母強すぎるだろ!』と相変わらず呑気なものだ。私は『一端帰るよ!ジオンさんとお母様連れて来て。』と言った後でヒョンさんに『一端帰ろう!運転してくれる?』と告げると彼は黙って頷いた。私は彼の腕を掴んで息子達が来たのを確認して駐車場に向かった。何人かが私達の後についてきていたので、私は『ごめんなさい。ここまでにして下さい。』とついてきた人達に会釈をしてエレベーターに乗り込んだ。さすがにもうついて来る人はいなかった。私達は車に乗り込んだ。すると、私の緊張の糸がプツンと切れたように、急に恐怖が襲ってきて脚が震えだし、直に全身がブルブル震えだした。そして、涙がこぼれた。私は助手席で両手で顔を覆った。ヒョンさんはそんな私に気付いて『大丈夫?どこか痛い?』と私の肩をさすった。私は『大丈夫だけど、急に怖くなっちゃったみたい。』と泣き笑いのようになりながら言った。そして『大丈夫だから出発しよう』と震える声で言った。彼は”わかった!“と直ぐに出発してくれた。車中は誰も言葉を発せず無言のまま家についた。家について直ぐにジオンさんの携帯に警察から連絡が入った。私が病院に行った後に直ぐに警察に来て欲しいとの事と、捕まった女性は殺人未遂で現行犯逮捕となり勾留される旨の話しだったそうだ。私は皆にこれ以上心配させないように、冷静になるよう深呼吸して台所にお茶を入れに行った。腕をみると、血は止まっているようだったがハンカチが模様が見えない程血で染まっていた。私はこのままにしてたら皆が同様すると思い、台所にあったタオルを上から巻いた。全員分のお茶を持ってリビングに戻るとヒョンさんが誰かと携帯で話していた。お母様が慌てて『早く病院行かなくちゃ!』と言ったので、『はい。行きます。とりあえず、血は止まったみたいなのでお茶飲んでからで!』と笑顔で答えた。ジオンさんもお母様も信じられないみたいな顔をして『お姉さん!お茶なんかいつでも良いから、病院行こう。』と立ち上がった。そして『お母さん、兄さんにソウル大学病院に行くからって伝えといて』と私達は玄関に向かった。私は玄関から息子に『とも!病院行くけど待ってる?』と聞くと『俺も行く!ばあば行ってきます!』とお母様に言うと走ってきた。お母様も心配そうに玄関に向かって手を振った。エレベーターを待っているとヒョンさんも慌ててやって来た。『僕も行く』と、ちょうど来たエレベーターに乗り込んだ。腕がジンジンと痛み出してきた。腕を見るとタオルに血が滲んできていた。私は皆に分からないように、血の滲んだ所を隠すようにタオルの上からギュッと傷口を押さえた。息子がその様子に気がつき余計な一言を言った。『母!また血が出てきてんじゃん!』と手の間からかすかに見える血を指差した。ジオンさんは驚いて私の腕を見た。そしてヒョンさんに血が出てきた事を言ってしまった。彼は驚いて私の肩を抱きかかえながら心配そうに独り言を言っていた。私は聞き取る事が出来なかったがジオンさんが彼に言った言葉で大体見当がついた。『형! 누나는 죽지 않으니까 그런 말 하지 말아요!형이 냉정해지지 않고 어떡해!정신 차려!(兄さん!お姉さんは死なないからそんな事言わないでよ!兄さんが冷静にならないでどうするの!しっかりして!)』と喝を入れた。凄い早口だったがGoodタイミングで息子が翻訳機を使って聞いていたので内容は理解出来た。きっと彼は“私が死んじゃうかもしれない。どうしよう”などと言っていたんだろう。駐車場に着いて、私達はヒョンさんの車で指定されたソウル大学病院に向かった。

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