1階 思わず老夫婦に言った「やかましいわ!」
ご覧いただきありがとうございます、最近小説家になろうを書き始めました、読みにくかったらすみません<(_ _)>
これまでに体験・経験したエピソードを書いていきますので、時間に余裕があり、しょうがないから読んでやるかな……と思われた奇特な方は、是非ともまたお越しいただければと思います。
感想や似たような体験などがありましたら是非ともお待ちしております!!
某国に滞在していたときの話。
数十円払えば、公共交通機関のバスに乗れることから
貧乏学生の身からするとかなり貴重なアイテムだった。
ある日、友人の女性とバスに乗車する。
バスに乗ったのは良いが、
俺の後ろから俺よりも『圧倒的年寄り』が多く乗り込んで来た……
やれやれ、またあの演技を披露しないといけないのか……
俺はあなたに席を譲ったわけじゃなくてぎりぎりあなたが今座った椅子に座れませんでしたよー、くそぅ
という顔で吊り革を掴む。
あからさまな譲り行為は感謝されることもあるのだが、この国だとひどく怒られることも少なくないらしい。
そんな日には、「私はまだまだ若いんじゃ!」と言わんばかりの顔をしてこちらを睨み付けるだけでは済まされない……飛ぶのは視線でなく拳。
作戦は成功したかのように思えた。
が、少し離れたところから老夫婦がこちらを見ながら、かなりの言い合いをしている。
最初は穏やかだったが、片方がヒートアップしたかと思うと、すぐセルフ天下一舞踏会が始まった。
あいにくあまり言葉がわからなかったが、確かにこちらを見て喧嘩をしている。
「一生踊ってな……」
俺はそう呟いて窓に視線をうつしたが、すぐに嫌な予感がした。
ばれたのかもしれない……海外ドラマに登場するいつもお馴染みのアジア人男性俳優ばりの演技が……
ただ、俺が怒られているわけではないというのがポイント。いや、片方が俺を助けようとしている?
俺は困った表情で、一緒に乗っていた女友達の方をちらりと見てみた。
どうやら俺がこのバスから叩き出されるということはないようだが、やはり気になる。
恥を忍んで女友達に聞こえてくる話の内容を聞いてみる。
どうやらあそこにいる奴は一体男なのか、それとも女なのかというテーマで怒鳴り合いのバトルになっているらしい。
俺は純粋に失礼だと思った。まだ成熟してはいないといえども、俺の女友達はレディーの卵であるから、つまりは一人の立派な女!!いくら人生の先輩とは言え、俺の友達に対するそのような侮辱がまかり通ってなるものか!!!
だが、ここは異国。俺は来賓の王族などではないのだから、少しは控えめにいるべきだと思い、老夫婦を殴り飛ばし、
「こいつは最高のレディーだ!!」
などとは言わない。その代わりに、
「(女友達名前)さん、どんまい(神妙な顔)」
と言って、できる限り笑いを堪えながら慰めた。
女友達は、少し考えてこう言った。
「私じゃなくて、(俺)さんのことを言っているのよ」
……。
「えぇ?」
俺の頭の中は、真冬の長野県。脳内にある長野の辺り一面に真っ白な雪が積もっている、流れるBGMは、もちろん『冬のドナタ』、訳わからんこと言うてるのは一体どこのどなた様なんや……
釈明するために老夫婦の元に近付いて、
「俺は男だ……(できる限り渋い声)」
どうやらおばあさんは俺のことを男と見抜いていたらしい。
ほらね、と言わんばかりに笑顔を見せ、俺の肩を叩く。
ただ、これで納得がいかないおじいさんは、俺が男だと言っているのは嘘だとまで言い始める。
乗客達はトラブルかトラブルかと最初はこちらを見ていたが、すぐに顔を背け、笑いを堪える。
「おい、そこの小学生! 窓ガラスの反射で笑っているのは見えているぞ!」
などと、更なる問題を起こすことなく、冷静に立ち振る舞う。
「じいさん、ほらよ……(渋い表情と声)」
俺はそう言って、じいさんの右手を掴み、俺の股間に手を当てさせる、ズボン越しだが伝わるだろう。
――じじい、確かめろ、この感触!
乗客はちらちらとこちらに目をやる…… t
「ばあさん。ほれ、やっぱり女じゃ!!(狂喜)」
「やかましいわ!!!」
肩を震わせて笑いを堪える乗客と女友達。
整備の行き届いた道路を走っていたバスだったが、少し揺れた。
十年くらい前に中国にいたときの話です。
明らかに男だと思うのですが、割と髪が長く、その髪も綺麗めにしあがっており、目も少し可愛かったとのことなので……
おじいさんが、最初に女性だと思った理由はわかりませんが、確固たる自信があったため良しとしておきます。
「安全運転で次の停車駅に向かっておりますが、車内少々揺れます」というアナウンスがあれば、話としては更にうまく落ちたのかなとも思います……
それにしても失礼な話だ!!!!!