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ギルド受付嬢は「飯しか勝たん!」  作者: 田中なも
3食目:カフェスとチョコレート
9/22

3

「きゅー、きゅー」

 ……静かに耳をぴょこぴょこさせていたミミちゃんが、突然前足を突き出して鳴き始めた。ぷにぷにとした肉球の先には、「カフェ・ソコラタ」の文字が。

「……え? これを頼めって?」

「きゅー」

 こちらを見て、パチパチとまばたきをするミミちゃん。まるで、イリスの言葉が分かっているみたいだ。

「ドリンク、お決まりですか?」

 タイミング良く、店員が注文を聞きにきた。ミミちゃんのアドバイスに従って、彼女は「カフェ・ソコラタ」を指差す。

「これで、お願いします」

「はーい」

 不思議なこともあるものだ。そう思いながらミミちゃんを見ると、腕の中でスヤスヤと寝息を立てている。

「えっ、寝ちゃったの? なんか、マイペースなのね……」

 イリスはクスリと笑みを零しながら、ミミちゃんの耳を優しく撫でた。ミミちゃんはヒゲを上下に動かして、気持ち良さそうにしていた。


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