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歪んだ愛  作者: 時計塔の翁
第一章 出会い。二人の視点
7/48

彼女さん視点3

 ◇◆◇◆


 はぁ・・・なんでこうなっちゃったんだろう。

 たしかに私は自分を変えようと思ってあの紙に演劇部と書きました。

 今日説明会があると告知されたので指定された2年生の教室に足を運びました。


 教室の扉の前に立つと中から楽しそうな話声がいくつか聞こえてきました。

 男女関係なく聞こえてくる笑い声は私の扉にかけた手を止めるには十分すぎました。


 私が入って場の空気が悪くならないか。

 追い出されないか。

 場違いなのではないか。


 こんな第三者から見たら馬鹿げている過剰な不安が私の胸の内を支配します。


 ......演劇部なんて私にはふさわしくないかもしれない。

 でも裏方志望って書いたし問題はないはず。

 ......でも裏方志望なんて変な目で見られるに決まってる。

 そんなことない。裏方だって立派な役職だし、私に似合っているよ。

 ......いいえ、絶対笑わ


 ガラガラッ!!!!


「やあやあ、君は一年生だね‼ようこそ演劇部へ!!!!歓迎しよう。さあこっちに座っておくれ。」


 突然中から女の先輩が出てきたかと思ったらすごい勢いで中に通され、最前列に座らせられた。

 ハッと我に返り周りを見渡すとここには1年生はまだ私しかいなかった。

 さっきの先輩(当時の部長さん)丸めた台本を持った男の先輩(当時の副部長)に怒られていた。


「お前‼後輩にそんな勢いよく接したら怖がられるだろうが‼......君、この馬鹿が申し訳ない。」


「......エッ⁉、いや、そんな。(急に話しかけないで~)」


「オイッ。やっぱり怖がってんじゃないか。怒ってるよ‼、謝れ‼」


「いやいや、そんなことないでしょ。人生は思い付きと勢いだよ(キク)ちゃん‼。ねぇ君もそう思うだろう?」


「え、いいや、は、はい。」


「ほら、彼女もそう言っているじゃないか。問題ないじゃない。」


「馬鹿か‼お前に気を使ってるんだよ。後輩を困らせんな‼」


 この二人のやり取りを見て他の先輩たちはあきれている。

 ・・・なんでもいいけど私を巻き込まないでほしい。

 はぁ・・・なんでこうなっちゃったんだろう。


「......!!!!。感じる、感じるぞ!!!!。私のレーダーに反応あり!!!!。後輩君がここに入ろうとしている。待ち構えなければ!!!!」


「オイッ!!!!」


 副部長が止める間もなく部長は扉の前に走る。

 ちょうどスタンバイを終えると同時に扉が開き、一人の男子生徒が入り、捕まった。

 あっけにとられた彼はそのまま私の横に連行され、座らせられた。


 これが私と彼との初めての出会いだった。

 その時はまだお互い気づいてもいなかったと思う。これが運命の出会いになることに。


次回「彼女さん視点4」

更新日は3/29(月)の深夜になります。

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